さとう珠緒

 今年デビュー40周年を迎える小泉今日子。可愛いだけでなく、カッコよさも持ち合わせるキョンキョンは、男性からも女性からも高い支持を受けてきた。そんな彼女に猛烈な憧れを抱く女性のうちのひとり、さとう珠緒が語る、アイドル・小泉今日子の魅力、そして念願の共演を果たした際の“大後悔”エピソードとは?

個性的なキョンキョンに刺激されて…

「小泉今日子さんは、当時のアイドルの中で一番個性が光ってて。今の時代はSNSとかありますけど、そういったものがない時代でも彼女の感性は十分伝わってきていました」

 アイドル時代の小泉をそう振り返るのは、ファンを公言するさとう珠緒。

「オシャレ度、カッコよさはズバ抜けてました。印象的なのが、『クノールカップスープ』のCM。普通のパジャマ姿なのに、特別にあつらえた衣装に見えたんですよ〜! あとは、やっぱり『木枯しに抱かれて』の衣装。タータンチェックの服や黒のベレー帽は、本当に可愛かったですね」

'86年にリリースされた20枚目となるシングル『木枯しに抱かれて』は高見沢俊彦による作詞作曲も話題に

 小泉のファッションセンスに魅了された珠緒は、彼女の影響を大きく受けながら青春時代を過ごした。

「『Olive』とか『宝島』とか、少しサブカル寄りのファッション誌が好きだったんですけど、それもキョンキョンの影響。個性的なキョンキョンに刺激されて、自分も個性を磨きたいって。ちょっと背伸びして難しい小説を読んだり、単館系の白黒の映画を観に行ったりもしました。

 『CUTiE』で、クラブにいるオシャレな女の子のファッションを紹介するコーナーがあったんですが、そこに、キョンキョンが一般の人たちにまじって載っていたんですよ! プライベートで来ていたんだと思います。そういう裏表がないところにも、好感がもてますよね」

 そんなスターに憧れた少女は、次第にそのファッションを追いかけるように。

「髪型もマネしてましたし、ニーハイソックス、厚底のラバーソール、ツインテールとか、キョンキョンの衣装に似たアイテムを探して買ったりもしました。お小遣いをためてメイク用品を買って、キョンキョンのメイクをマネしたこともありましたね。誰かに見せるためじゃなく、完全に自分の世界(笑)。

 高校生のときは、昼休みの時間にピアノが弾ける友達に頼んで、キョンキョンの曲が弾けるまで何回も教えてもらいました。懐かしいな~!」

ドン引きされて、大後悔(涙)

小泉今日子について、熱く語るさとう珠緒

 その後、芸能界入りした珠緒は“ぶりっ子キャラ”で数々の番組に出演してきたが、MCを務めた番組で憧れの小泉との共演があったという。

「『王様のブランチ』で、嬉しすぎて“キャー! キョンキョンー!!”ってなっちゃって。でも、温度差がありすぎてドン引きされてしまい……。やっちゃったな~と大後悔しました(涙)。もう一回やり直せたら、次はぐっとこらえて静かに挨拶したいです(笑)」

 ちょっぴり悔しい過去も明かしてくれた珠緒だが、小泉に対するリスペクトは今でも変わらない。

「やりたいことを模索しながら生きている姿は、やっぱり素敵ですよ。アイドル時代から、内面は変わっていないことがわかります。ブレない姿は永遠の憧れですね」

 中でも、心に刻まれている小泉の言葉があるという。

「キョンキョンが雑誌のインタビューで“年をとることは怖くないか?”という質問をされて“まったく怖くない”と答えていたのが忘れられません。“失うものもあるけど、得るものも必ずある”って。感動して、それ以来自分もそう考えるようになりました。

 しわが増えても、老眼になっても、きっと何かいいものも得ている。そういうプラスのものをしっかり見ていく“キョンキョンイズム”に影響されて、頑張ってます!(笑)」

――40周年を迎えたキョンキョンに、何かメッセージは?

「私ごときが、そんな! キョンキョンは神なんで、恐れ多くて(笑)。ファンが“頑張ってください”とか“そのままでいてください”とか言わなくても、彼女はそういうファンの思いの一歩も二歩も先を歩いていて。私は、陰からこそっと“やっぱりカッコいいな”って勇気をもらっていたいです。

 日本のエンターテイメント界を引っ張ってくださって、これからも進化していく自分ご自身を表現されると思うので、なんてったって、楽しみです!」

さとう珠緒
'73年1月2日生まれ。千葉県出身。'95年『超力戦隊オーレンジャー』(テレビ朝日系)で脚光を浴び、その後“ぶりっ子キャラ”で人気を博す。現在はバラエティー番組やドラマ、舞台を中心に活躍中