赤井英和夫妻(撮影/吉岡竜紀)

 いま芸能界で最も話題の夫婦、赤井夫妻。妻・佳子さんがSNSでつぶやく夫の“生態”が人気だ。そんな2人の愛の巣にお邪魔した。

SNSでも話題の赤井英和夫妻に直撃!

 高級住宅街の中でもひときわ立派な赤井邸、間取りは14LDKだ。“赤井の嫁”佳子さんのツイッターには、その豪邸で、ある時は日よけのために新聞をかぶり、ある時はなぜか全裸で食器洗いをする赤井の姿がアップされる。

「赤井は結婚当初からこんな感じ。初めは私の好きという気持ちが強すぎて、そのあとは3人の子育てに必死すぎて、変だと気づかなかったんですよ~。でも、子どもが大きくなって“パパって面白いよね”と言われてから、気にするようになりました」

 と、笑う佳子さん。

 リプライのコメントは圧倒的に「かわいい」「癒される」といったものが占める。中には「自分もやっている」という男性の声も。反響は大きく、昨年、出版された書籍を読むと笑いとともに2人の仲睦まじさが伝わってくる。

来客用リビングは、真正面に富士山を望む絶景。ふだん使いのリビングでは赤井が新聞での日よけ姿を再現してくれた(撮影/吉岡竜紀)

 2人のなれそめを聞かれるたび、赤井は“彼女と出会ったとき、胸の鈴がリンリン鳴った”と調子よく答えてきた。だが、実際には赤井に出会いの記憶がほとんどないだろう、と佳子さんは明かす。

 真相はこうだ。仕事で東京に長期滞在していた赤井はある日、ホテルで暇を持て余し、友人を呼び出した。その友人に誘われたのが佳子さんだ。彼女が部屋を訪ねたとき、赤井はすでに泥酔していた。真っ暗な部屋から現れたのは、髪はグシャグシャ、浴衣がまくれ○ルチン状態で朦朧とした男─それが赤井だった。

 佳子さんは当時、テレビのない部屋でひとり暮らしの身。赤井が元ボクサーで、ドラマ『東京エレベーターガール』に主演中の俳優であることも知らなかった。だが、そんな姿の男に、なぜか佳子さんはひと目惚れしてしまう。

「フォール・イン・ラブなんて可愛いもんじゃない。宇宙のとんでもない渦に突然、巻き込まれた感じの出会いでした」(佳子さん)

 当時は大阪在住、仕事が入れば長期間のホテル暮らしを東京でしていた赤井。

「ロケが雨で急に中止になったりすると、佳子ちゃんの家の留守電に入れる。すると大体、佳子ちゃんはすぐに飛んできてくれました」(赤井)

義父に「出ていってくれ」と言われるも…

 そんな日々が半年ほど過ぎたころ、佳子さんは突然、ピアノ講師の仕事を辞めた。そして、自宅の唯一の家財であるピアノを赤井の実家に運び込んだ。それは赤井の希望でも、赤井の両親の希望でもなかった。なにしろ赤井自身は仕事でほぼ東京にいたのだ。

 赤井には離婚歴があった。

「“前に結婚していたとき、ウチの両親は同居したかったみたいや”と聞いていたんです。“じゃあ私が赤井と両親を喜ばせなきゃ”って思い込んで(笑)」(佳子さん、以下同)

 当然のことながら、赤井の両親は困惑した。

「だって、突然知らない女の子がやってきて住み始めるし、しかもピアノまで家に運ばれてしまってね~(笑)」

 毎朝、佳子さん宛てに赤井の父から“出ていってほしい”と書かれた紙が置かれた。

「でも私は“またまた、そんなこと言って~、アハハ”って、その紙を丸めて捨てていたんですよ。いま思うとそのときの自分、オソロシ~!」

 やがて根負けした赤井の両親によって、佳子さん用の湯のみ茶碗と箸箱が用意され“お許しを得た”佳子さん。ほどなく妊娠がわかると、赤井の父が婚姻届を出し、2人はめでたく夫婦となった。ほぼ赤井不在の結婚劇だった。

秘めたる「ほっこりする願い」

赤井英和(撮影/吉岡竜紀)

 そんな2人が連れ添ってはや30年。子らは自立し一昨年には赤井が所属事務所から独立。佳子さんが赤井のマネージャーとなり、家でも現場でも四六時中一緒だ。

「私は怒ることもある。でも赤井が食いぎみに謝るからケンカにならない。私が腹を立てたときの写真などをツイートしますが、後から見ると面白いんですよね(笑)」

 いっぽうの赤井は佳子さんに秘めたる願いがあった。

「ボクはずっとお小遣い制。もちろん足らんときもある。そんなときは皿洗いや庭掃除で追加してくれてた。でもそれがいつの間にか僕の当番になっちゃったんですよ! 佳子ちゃん、ちゃんとお小遣いアップして~(笑)」(赤井)

 だが家計や家事のすべてをこなす佳子さんは赤井にとって100点満点の妻だそう。

 宇宙の渦に巻き込まれたような佳子さんの恋心は、時とともに尊敬の念と大きな愛情へと変化したと話す。

「赤井はいつも自分がいちばん大事。子どもにもそう教えています。自分を優先すると不満がなくて、相手にも優しくできるんですって」“見ていてハラハラすることもある夫”だが……。

「赤井はこの世に1匹しかいない動物。これからも全力で守ります!」(佳子さん)

 赤井家には、ホッコリする愛があふれていた!

お互いのココが好き♪

SNSで大人気の赤井夫妻(撮影/吉岡竜紀)

赤井さん(夫)→佳子さん(妻)

●優しいところ
(※佳子さん訳・以下同=優しくしてほしいんです)

●顔
(=出会ったころの私が可愛かったと褒める。老眼鏡はイヤみたい)

●爪を切ってくれるところ
(=仕事現場でも“切って”と合図されます。ムリです)

●わが家の宝物、3人の子どもを産んでくれた

佳子さん(妻)→赤井さん(夫)

●性別や年齢の区別なく誰に対しても同じく接するところ

●自分の両親やきょうだいと同じように私の家族も大切にしてくれるところ

●礼儀正しいところ。
現場でも、大きな声で挨拶や返事ができる

●1日に「ありがとう」と言う回数が多いところ。
徳を積んでいる感じがする

赤井夫婦2人の生活が1冊の本に!

『赤井図鑑』(扶桑社刊、1650円)

『赤井図鑑』(扶桑社刊、1650円)佳子さんが鋭いツッコミとユーモアで綴る、夫“かずくん”の生態と日常。爆笑必至で、気持ちが明るくなること請け合いだ

赤井英和●あかい・ひでかず/大阪府大阪市出身。プロボクサーで「浪速のロッキー」と呼ばれる活躍をしたのち、1989年に映画『どついたるねん』で主演デビュー。個性派俳優としてドラマ、舞台も含めて数々の作品に出演。

赤井佳子●あかい・よしこ/青森県八戸市出身。赤井の嫁でありながら事務所社長も務め、話題のツイッター(@yomeyoshiko224)はフォロワー数25万人超え。

<取材・文/宮下二葉>