(左から)新垣結衣、黒島結菜

世の中が殺伐としていると沖縄ブームが到来する、といわれています。独特のスローテンポが求められるのでしょうか。コロナに戦争と暗いニュースが続く今、沖縄を舞台にした朝ドラは大ヒットが予想されています」(ワイドショースタッフ)

 11日からスタートした朝の連続テレビ小説『ちむどんどん』。沖縄料理に夢をかけるヒロイン(黒島結菜・25)と強い絆で結ばれた4きょうだいのストーリー。主演の黒島は沖縄出身で、『ちゅらさん』('01年)の国仲涼子(42)に次ぐ、沖縄出身のヒロイン。

「沖縄の女性タレントには幾つかタイプがあってど根性タイプ恋多き魔性タイプ良妻賢母タイプ波瀾万丈タイプに分かれます」

 とはキャスティングディレクター。

「黒島さんはかつてNHKで『アシガール』('17年)で主演を務め、重い衣装をまとってわらじ姿で何キロも走らされるなど大変な撮影も涼しい顔でやってのけた伝説があります」(前・同)

 黒島のような逸話をたくさん持つ沖縄出身の女性タレントたちに迫る。

ど根性女優の新垣結衣、比嘉愛未、仲間由紀恵…

比嘉愛未(ひがまなみ)

「沖縄の女優さんは根性が据わっていると感じますね」と話すのはドラマ制作会社のプロデューサー。

「新垣結衣さん(33)や比嘉愛未さん(35)は顔立ちなども含めて沖縄色は薄めと思われがちですが、肝が据わっています。新垣さんは、役作りをしっかりやるタイプなんです。'17年に卓球映画の『ミックス。』に出た際は納得のいく素振りができるまで何度もテイクを繰り返し、クランクインの前から卓球の猛特訓をしていました。今放送されている大河ドラマ『鎌倉殿の13人』でも着物の所作を学ぶためにそうとう時間を費やしたとか。

 比嘉さんも、昨年適応障害で降板された深田恭子さんの代わりに急きょドラマ『推しの王子様』(フジテレビ系)の主演を務めましたが、このときも周囲が慌てふためいている中、本人はどっしりと構えていたといいます。

 沖縄出身の女優さんはスタッフからの信頼も厚いですね。仲間由紀恵さん(42)もおっとりとして見えますが中身はさっぱりして、いい意味で男性的。東京パフォーマンスドールとしてデビューしてからちょい役ばかりの時代を過ごしたからかスタッフへの気遣いもでき、スキャンダルも絶対に起こさないという安心感があります。NHKに重宝されるのも納得です」

 と、太鼓判を押す。

満島ひかり

 ど根性女優として満島ひかり(36)の名をあげるのは、テレビウォッチャーの神無月ららさん。

「沖縄アクターズスクール出身で『Folder』のメンバーとして1997年に12歳で歌手デビュー。リードボーカルの三浦大知が変声期を迎えて活動休止してからは,歌手としての活動は次第に目にしなくなりました。園子温監督の映画『愛のむきだし』('09年)で再びその名を聞いたときの彼女は24歳。番宣で白い下着を見せながら大立ち回りする彼女を目にしたときは、女優としての覚悟が伝わってきて、そうか、こっち(女優)で復活か! という衝撃がすごかった。

 今はドラマや映画でその名を目にしただけで“ひかりちゃんが出るからには面白いに違いない”と思える、そういう“格”すら生まれていると思います。二階堂ふみさん(27)も見逃せないですね。『ヒミズ』('12年)という難しい題材を爽やかな演技で魅せました。近年では朝ドラ『エール』('20年)での好演に加えて紅白歌合戦での落ち着いた司会ぶり。まだ20代ですよ。すごいですよね」

 今吹き荒れている園子温監督による“風評被害”もど根性で吹き飛ばせるか。

島袋寛子をはじめとする恋多き女優

(左から)SPEEDメンバー今井絵理子、上原多香子

 色恋で世間を騒がせたのはSPEEDの面々。最初に話題にのぼった、島袋寛子(37)

「SPEED解散の原因のひとつとなったのが、リードボーカルで1番人気だった寛子(当時15)と当時16歳だった男性との熱愛です。寛子は男性に夢中になってグループをやめて沖縄に帰ると言い出したんです」(神無月ららさん、以下同)

 人気絶頂の'99年、SPEEDは解散。そのまま結婚するかと思いきや、

「すぐに破局したそうです。その後も別の男性と交際が報じられるなどありましたが'16年に12歳年下の早乙女友貴と結婚し世間を驚かせました」

 熱愛報道で世間を驚かせ続けたのは、島袋だけではなく同グループの上原多香子(39)も。

「16歳で熱愛初スキャンダルを報じられてから、数々のモテ伝説を残してきました。極めつきは'12年に結婚した相手男性が自殺し、遺書で上原さんの不貞を暴露したことでしょう。以来、ネガティブな印象がついてしまいましたが、そこはやはりモテ女。守ってくれる現在のご主人に出会い、お子さんにも恵まれて幸せそうです」

 上原とは対照的に自ら男を守るのが今井絵理子(38)

「'04年に175RのSHOGOと授かり婚を発表し、3年後に離婚。長男の病気を告白し、子どもを守るシングルマザーとして'09年にはベストマザー賞を受賞するなど支持を集めていました。そのまま'16年に参議院選挙に立候補し、参議院議員に。'17年に市議男性との不倫疑惑が出て、その後市議男性は離婚。略奪した形になり、支持は急落。次の参院選での当選は危ぶまれています」

 再びSPEED旋風は吹き荒れない!?

良妻賢母な女優

(左から)黒木メイサ、山田優

「芸能界の新しいゴッドマザーとの呼び声高いのが山田優さん(37)。小栗旬さんは大河ドラマ主演にハリウッド挑戦など、飛ぶ鳥を落とす勢いで活躍できているのも山田さんの内助の功あってこそ、といわれています」

 山田は'95年に沖縄アクターズスクールに合格し、そのまま安室さんが起こした沖縄ブームに乗ってデビューするが、

「そのときはブレイクしませんでした。'00年にファッション誌『CanCam』の専属モデルになって知名度をあげ、'08年に出演したドラマ『ボンビーメン』(日本テレビ系)で小栗旬と共演し、'12年に結婚。一歩下がって小栗を立てるよき妻、よき母を体現しているようです。夜中に小栗が友人を連れてきても一緒に盛り上がってくれるなんて男性の理想ですよね」

 “アゲマン”の評価が高い沖縄女性は多い、と番組プロデューサー。

「どんと構えてくれるからか男性がのびのびと活動できるんでしょうね。'14年に国仲涼子さんと結婚してからの向井理さんはとげが取れて接しやすくなって、役の幅も広がっています。元KAT-TUNの赤西仁さんも黒木メイサさん(33)と結婚してからすっかり落ち着いたといいます」

 男性をリードすることが多い沖縄女性。その手綱で男性芸能人を引っ張ってほしい。

波瀾万丈な女優

安室奈美恵

「沖縄の歌姫には波瀾万丈がつきまとう」とは前出の神無月さん。Coccoと安室奈美恵さんの名前をあげる。

「Coccoはデビュー当時こそ東京で活動していたものの、沖縄言葉でしゃべり、沖縄の原風景を歌って、ほかの沖縄出身タレントの中でもいちばん故郷を体現している存在な気がします。一人称で“あっちゃん”と呼び、周囲をざわつかせ、'01年に活動休止を発表。そのときの『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)で『焼け野が原』をはだしで歌い、鬼気迫る感じだったと司会者・タモリさんが伝説の回としてあげるほどでした。

 '06年に“歌が好きになった”という謎の理由で再びカムバックしましたが、いままで歌が好きじゃなかったの? とツッコまざるをえないところも含めてCoccoなんです」(同前・以下同)

 私生活も謎に満ちているが、デビューのときから子どもがいたことを発表。既婚か未婚かは明かされていない。

「いつの間にか故郷に戻っていたり、激やせした身体で誌面を飾る彼女に長年ハラハラしていましたが、先日(4月1日)Mステに出演した際“テレビに出るときは顔を隠して歌う”と宣言し、そのとおりにしていました」

 顔は見られなくても歌声が聴ければそれで十分? 一方、歌声さえも封印してしまったのは安室奈美恵さん。

「沖縄アクターズスクール出身の安室さんですが、家が貧乏で交通費がなく、スクールまで歩いて通ったのは有名な話です。シングルマザーで育ててくれたお母さんは身内に殺害されるという痛ましい事件も。引退後も彼女の噂はさっぱり流れてきません、それはひとえに彼女の幸せを願って守っている地元の人たちの力だと思います、彼女が今も地元の尊敬を集める存在だからこそ。安室ちゃんがこれからも彼女らしく、大事にしてもらえる場所で幸せにしているといいなと思います

 明るい話題が少ない昨今、沖縄の女性たちの強さを分けてもらいたいものだ。

沖縄ブームの歴史