植草克秀

『ボキャブラ天国』(フジテレビ系)で人気を博した歌うピン芸人・金谷ヒデユキが「少年隊のソロ活動」をネタにしたことがある。『ブルドッグ』(フォーリーブス)のサビを「いつでもヒガシが 話題になる ニッキとカッちゃん どうにも気の毒」と替え歌にしたのだ。

 そのカッちゃんこと植草克秀(55)が話題になった。ただし、不倫だ。

植草、低価格ホテルで不倫疑惑も……

 写真誌によると、相手は30代後半のモデル風美女で、会社経営者。とはいえ、今回注目されているのは2度の密会現場だ。どちらも庶民的価格のホテルで、2時間あるいは2時間半で3千円台から使えるという。それゆえ、渡部建の「多目的トイレ不倫」や袴田吉彦の「アパ不倫」と並べる声も出ている。

 また、本人は写真誌の直撃に対し「付き合ってないですよ」と答え、ホテルについても「行ってないよ。いや、行っていないです!」と否定。その煮え切らなさを嘆く声もある。

 そんな植草は1980年にジャニーズ入り。東山紀之、錦織一清とともに『少年隊』として人気を集め、'85年にCDデビューを果たすと『仮面舞踏会』『君だけに』などを大ヒットさせた。

 しかし、2008年を最後に少年隊としての活動は休止状態となり、'20年にはジャニーズからも退所。その後はユーチューブを始めたり、舞台の演出に挑戦したりしているものの、好調とはいえない。

 一方、私生活は意外と盛況(?)で、'10年に離婚、16年間連れ添った元モデルの妻が子ども2人を引き取り、彼は'13年に会社経営者と再婚して、子どもも生まれた。

 しかし、'14年に『週刊女性』で元妻の友人が彼を告発。離婚原因は、再婚相手との不倫とDVだったという内容だ。DVについては、家でゲームばかりしていることに元妻が苦言を呈したことから植草がキレたのだという。

 仕事が忙しければ、ゲーム漬けにもならなかっただろうが、若さが武器のアイドルにとって中年以降も第一線で居続けるのは難しい。そこで、バラエティーや時代劇のレギュラーのような地味だが安定した居場所を探したり、芸能人同士の結婚などでつながりをつくったりする。

 植草の場合、ドラマで刑事役をやったり、橋田壽賀子ファミリーに入ったりした。特に、30年近くも続いた『渡る世間は鬼ばかり』(TBS系)への出演は有効で、このおかげで生き延びたともいえる。

 その役柄は、大病院の跡取りでマザコンの医師。これがなかなかのハマり役だったのは、本人の素に近かったからだろう。

甘え上手な植草はまさにアイドル

 というのも、彼は昔から甘えん坊キャラで有名だった。不倫相手が2人とも会社社長というのは、今も甘え上手なのではという気がしてくる。また、こういうタイプの男性はえてして、子どもができると、妻以外に甘えられる女性を求めるようになりがちだ。

 もちろん、甘え上手なのはアイドル的にチャームポイント。そこが橋田にも可愛がられ、今も根強いファンから愛されるゆえんだ。

 ただ、55歳の男性としてはちょっときついものが。その点、東山は報道ワイドの司会などで大人の芸風もこなしているし、錦織もファンに向かって「老いさらばえていく」姿を「楽しんで」と発言したりしている。

 そんななか、若者が初体験に利用するようなホテルで不倫。植草だけは「少年」のままのようだ。ある意味、彼だけがグループ名『少年隊』を、今も体現し続けているのかもしれない。

宝泉薫(ほうせん・かおる)●アイドル、二次元、流行歌、ダイエットなど、さまざまなジャンルをテーマに執筆。近著に『平成「一発屋」見聞録』(言視舎)『平成の死 追悼は生きる糧』(KKベストセラーズ)