鈴鹿央士(撮影/齋藤周造)

「興味があると探求心が働くので意外と探偵に向いているかも」

 連続ドラマ『クロステイル ~探偵教室~』(フジテレビ系土曜夜11時40分~)に主演する鈴鹿央士。

 鈴鹿扮する匡は、父の失踪をきっかけに探偵学校に入学。年齢も人生経験も違う同級生や個性的な講師の中で探偵の卵として実習を積みながら成長していくオリジナルドラマ。

「台本はスピーディーな展開と会話が面白い。1回読んだだけではわからないメッセージや人間が深く描かれているので、そういうところを見逃さないように心がけています」

鈴鹿央士(撮影/齋藤周造)

 クランクイン前には実在の探偵業者に会った。

「探偵といえば虫眼鏡を持って痕跡を探しているイメージでした。でも実際は調査のため(対象者の)足取りをつかむために24時間、目を離すことができず、いろんなことを我慢する。その根気強さや泥臭さは思っていた以上に過酷だと思いました。依頼者が一歩を踏み出すための手助けをする心のやさしさや温かさは役作りにも反映したいと思います。

ほかにも証拠を押さえるためのカメラの持ち方や時間と場所がわかるように周囲に目を配るなど演じるうえでも意識しています」

ワン・ダイレクションで芽生えた探究心

鈴鹿央士(撮影/齋藤周造)

 探求心が芽生えたのは中学生のとき。

「ワン・ダイレクション(英国のボーイ・バンド)にハマり、グループについて詳しく調べるようになりました。好きなものは突き詰めていくと面白いです。俳優になって役との向き合い方や作品について考えることは正解がなく無限だけど、それが楽しさのひとつであり役立っていると信じたいです」

 演じる匡は気になると眠れなくなるが、そういった経験はある?

「去年は愛をテーマにした作品の影響で、愛について考え関連本を読んだりしているうちに朝の3時、4時になってしまい始発で現場に向かうこともありました。今回はそういうことがないようにしたいと思います」

 匡は推理作家の父の影響で探偵を目指すが、自身は小学校4年生ごろまで“こんにゃく”になりたかったという。

「味が好きというのではなく、プルプルした感じや板状や丸形、結ぶこともできていろいろな形になるこんにゃくに興味があったと思います。中高生になってからは特になくて将来の夢も具体的になかったです。とりあえず学校は楽しい。友達とコンビニに行って100円スイーツを食べるのが好きでした」

 そんなときにスカウトがきっかけで芸能界入り。映画『蜜蜂と遠雷』で注目され、『MIU404』や『ドラゴン桜』など人気ドラマに出演。今回、連続ドラマ単独初主演を果たした。

責任感やプレッシャーを感じますが毎回、作品に入るときと変わらず自分の持てる力を込めていきたいです。

(デビュー後は同世代と)比べられたりしたけどライバルを意識せずにやってきました。少しずつ経験をして精神的に落ち着いて作品に取り組めるようになりました。うちに秘めたメラメラした熱さや渇望感は持ち続けていきたいです」

 探求心が尽きることはない。

追っかけたいほど好きなBTS

 クロステイルとは“接近、尾行”の意味で、そんな対象者に挙げたのは大ファンのBTSだ。

「曲だけでなく、ファッションもカッコいい。メンバーの服装は参考にして私服に取り入れています。追っかけをしたいくらい好き。会うことができたら“毎日元気をもらっています。ありがとうございます”と伝えたいです」

やる気満々のワケ

 共演者は探偵社代表役の檀れい(特別出演)、父親役の板尾創路らが脇を固める。

「檀さんの美しさに頭が働かなかったです。緊張してソワソワしていたら撮影後に“頑張ってね”と肩をポンポンとしてもらってやる気満々になりました。板尾さんは若いころ僕と体形が似ていたそうで食べても筋肉がつかないと相談したら、30歳になったらつくようになるよって。気軽に話せる方です」