『SixTONES』

《え?この番組にジャニーズ? なんて思ってたけど、見てたら、鳥肌立った!》

 デビュー3年目のSixTONESが音楽好きを唸らせたのは、4月23日放送の『題名のない音楽会』(テレビ朝日系)で披露した歌声だ。

デビュー曲は1000万回以上再生

「『題名のない音楽会』は'64年から放送されており、テレビ朝日の番組では最も長い歴史があります。“世界一長寿のクラシック音楽番組”として、'09年にギネス認定もされているほど。クラシックを中心に幅広い音楽を取り上げ、その魅力を紹介しています。長い歴史を持つ番組ですが、これまで出演したことのあるジャニーズのグループはフォーリーブスだけでした」(テレビ誌ライター)

 オーケストラの演奏とともに、4曲を披露した。

「シンプルな黒いスーツ姿で登場し、デビュー曲の『Imitation Rain』や、King Gnuの常田大希さんが手がけた『マスカラ』などを、クラシック調にアレンジして歌いました。メンバーたちはオーケストラの生演奏で歌うという慣れない状況に難しさを感じていたようですが、その歌唱力は一般層にも高く評価されていました」(同・テレビ誌ライター)

 SixTONESのライブレポートや新譜レビューなども執筆する、メディア研究家の衣輪晋一さんによると、彼らは“ジャニーズ”という枠を超えた存在だという。

「ファン層以外には“ジャニーズ”というだけで敬遠されてしまうこともあるのですが、SixTONESに関しては、“本格派”といった声があがります」

 それを強く印象づけたのは、今年の元日に公開された『THE FIRST TAKE』だろう。

「人気アーティストが“一発撮り”で演奏する人気YouTubeチャンネルで、これまでにYOASOBIやLiSAさんなども人気楽曲を披露しています。ジャニーズではSixTONESだけが出演しており、公開から4か月が経過した現在、『Imitation Rain』は1000万回以上再生されています」(スポーツ紙記者)

 
 
(左から)SixTONES・森本慎太郎、高地優吾、京本大我

所属レーベルの狙い

 これまでも、TOKIOや関ジャニ∞のバンド活動や音楽フェスへの出演はあったが、SixTONESの活動はひときわ異彩を放っているように見える。

日本だけでなく、音楽で世界を目指しているのではないでしょうか。BTSなどの動きを見ながら、まずはアジアから攻めていこうという狙いがあると思います。ジャニーズには、アジアや海外で人気の高いグループもいますが、より“今らしい”形でいこうとしている。

“K-POP”“J-POP”などの枠にとらわれず、“SixTONES”というジャンルをつくりたい意志を感じます。今年の1月にリリースされたセカンドアルバム『CITY』では、デビュー当初のギラギラしたイメージの曲だけでなく、“チルっぽい”曲調も増え、変化を恐れない彼らの無限の可能性を感じますね」(衣輪さん)

『題名のない音楽会』では美しい歌声が話題となったSixTONES

 そこには、従来のジャニーズのイメージを覆す“脱ジャニ”の戦略があるようで……。

「所属レーベルのソニーがSixTONESを“実力派アーティスト”として売り出したい思いがあるんです。だからこそ、あえて音楽色の強い場所への出演を選んでいるようですよ」(芸能プロ関係者)

 6月にはニューシングル『わたし』をリリースするSixTONES。このまま、“ありえないところまで”突き進んでほしい!


衣輪晋一 メディア研究家。雑誌『TVガイド』やニュースサイト『ORICON NEWS』など多くのメディアで執筆するほか、制作会社でのドラマ企画アドバイザーなど幅広く活動中