上島竜兵と有吉弘行ら“竜兵会”の面々(2009年)

 あまりにも唐突で、信じられないニュースが飛び込んできた。5月11日未明、人気お笑いトリオ『ダチョウ倶楽部』の上島竜兵さんが自宅で倒れているところを家族に発見され、救急搬送されるも病院で亡くなったというのだ。

 4月27日には、NHKのラジオ番組『タカアンドトシのお時間いただきます』に出演したばかりの上島さん。メンバーの肥後克広、寺門ジモンと一緒に番組を盛り上げたのだが、中でも話に花が咲いたのが“竜兵会”。

《今はみんな売れていますけど当時はみんなヒマだったから。有吉だってもう地獄の時だったから……。猿岩石でヒットした後、仕事が全くない時だったから》

 上島さんを中心に結成された竜兵会は、今や人気芸人の有吉弘行や土田裕之、劇団ひとりら、ダチョウ倶楽部も所属する『太田プロダクション』の後輩メンバーからなる。

思い詰めている有吉に上島は

「発足したのは2000年前後くらいで、とある番組に出演してた上島さんが反省会を兼ねて、後輩コンビ『デンジャラス』を連れ出したのが始まりだといいます。それから、徐々に集まりだして10人から15人の芸人がメンバーになりました。

 そして毎回のように呼ばれていたのが有吉さん。当時は『猿岩石』で大ブレイクを果たすも、解散後は何をやってもうまくいかずに腐っていた時期。数千万円あった貯金を使い果たし、それでも元猿岩石のプライドが邪魔してバイトもできずに悶々。一時期は“死んだほうが楽かな”と思ったこともあったとか」(芸能プロマネージャー)

 後輩が思い詰めている様を見抜いていたのか、上島さんは無理にでも大勢が集まる場に呼び寄せ、“地獄”から引っ張り上げていたのかもしれない。

 時に有吉を含めた数人でキャバクラに繰り出しては、ハメを外すこともあったという一行。そんな“竜平会”は当時の有吉にとっての拠り所となり、再ブレイク後も多忙なスケジュールの合間を縫って顔を出していたようだ。

「有吉さんにとって大袈裟ではなく“命の恩人”ですよ」とはベテラン放送作家。

交際をひた隠しにした夏目三久さんと結婚した時も、直接報告した数少ない関係者の1人が竜兵さん。芸能界における、彼が尊敬する師匠なんですよ。

 たまにバラエティー番組で共演した際には、有吉さんから先輩後輩とは思えないほどにイジり倒されていましたが、あれが竜兵会のノリ(笑)。ただご本人、カメラが回ると緊張しちゃうみたいで、飲みの席でまたイジられるまでがお決まりでしたね」

竜兵会は実質上の解散状態に

 それは上島さんにとっても楽しい時間になっていた。

有吉弘行が2017年に投稿した上島竜兵さんとのツーショット(公式ツイッターより)

「お酒が入ると“みんな俺よりも売れっ子になっちゃてさぁ”と自虐しながらも、後輩の活躍ぶりに目を細めていたのが印象的。ただ、この5、6年は大所帯になることも少なくなり、実質上の解散状態になっていたといいます。

 追い打ちをかけるようにコロナ禍で師匠・志村けんさんが亡くなり、芸能界でも自粛の風潮が広まると真面目な竜兵さんも遵守していたそう。我が子のように後輩を助けていた竜兵さんですが、実は彼もまた竜兵会に助けられていたのかもしれませんね」

 5月11日16時時点で、上島さんの死因について所属事務所は「連絡を受けておりません」としている。有吉のツイッターやインスタグラムも更新されず、上島さんとの共演時に投稿した画像にはファンからお悔やみのコメントが寄せられている。

 そんな投稿画像の中には、上半身裸で映った上島さんとのツーショットもあり、こんなコメントを寄せていた有吉。

《たいした理由もないけど尊敬してる。理屈こね回して理由探すもんじゃない。。。》

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