山田孝之と南沙良(本人のインスタグラムより)

 俳優の山田孝之が5月6日、短編映画プロジェクト『MIRRORLIAR FILMS Season 3』の初日舞台あいさつに登壇。自身の監督作である南沙良主演『沙良ちゃんの休日』の撮影に関して、「基本、盗撮でやっていくので」と、“冗談”を口にしたのだが、SNS上では、「最悪」などと総スカンを食らった。

「信じられない」「恐ろしすぎる」発言

『MIRRORLIAR FILMS Season 3』は、山田ほか、俳優の阿部進之介、映画プロデューサーの伊藤主税らが立ち上げたプロジェクトで、『沙良ちゃんの休日』はその中の一作品という位置づけ。同プロジェクトの『Season 2』でタッグを組んだ南と監督・紀里谷和明が俳優として起用された同作は、公式サイトで「晴れた日に道を歩く女と男の不可思議な関係を描く想像力をかき立てる作品」と紹介されている。

「監督と脚本(小寺和久と共同)を務めた山田は、初日舞台あいさつで、同作の撮影について『ドキュメンタリーで、南さんの休日に密着するということなのですが、まず撮影する時点で(南に)バレちゃいけない。基本、盗撮でやっていくので、バレちゃいけない』と明かしていました。しかし、これは山田なりのジョークだった模様。同作はドキュメンタリーではありませんし、単に『沙良ちゃんの休日』というタイトルにひっかけて、“盗撮”と冗談を言ったのでしょう」(芸能ライター)

 その後も山田は、「なんとか撮り切った後に、(南の)事務所さんに『これ、出していいですか?』とお願いしに行く、2つ高いハードルがあった」「なんとか乗り越えることによって、劇場公開まで持ってこれた。やっぱり、映画を作るのは難しいと思いますよね」「隠し撮りは気持ちよかった」と語るなど、南を盗撮したていで、話を広げていったという。

「山田がウケ狙いで冗談を言ったのは間違いないでしょうが、この発言がネットニュースに取り上げられると、嫌悪感を抱くネットユーザーも少なかったのです。言うまでもなく、盗撮は迷惑防止条例違反などにあたる可能性がある行為だけに、SNS上では『信じられない』『恐ろしすぎる』などと批判が続出する事態になりました。たとえ冗談だとしても“山田の冗談はまったく笑えない”と批判が加熱してしまったのです」(同・前)

山田の発言が南を萎縮させてしまう

 3月10日発売の「週刊文春」(文藝春秋)が、映画監督・榊英雄の性行為強要問題を取り上げて以降、セクハラやパワハラ告発が相次いでいる映画界。そんな中、山田が盗撮をネタにし、さらに「気持ちよかった」と発言したことには、多くの人が嫌悪感を抱いたようで、SNS上では、

≪今、こんなことを宣伝で言うんですか。正気ですか?≫
≪ボケでもなんでも言って良い事と悪い事の区別はつけなよ…公なんだぞ…≫
≪ネタというかそういうつもりだとしてもきしょすぎる……≫

 といったコメントが多数見受けられる。

山田孝之が監督を務めた映画『沙良ちゃんの休日』

「昨年、東京オリンピック・パラリンピックの開催に際して、女性アスリートへの性的な意図を持った盗撮や画像の拡散が、社会問題として大きな注目を浴び、あらためて盗撮自体の悪質さも問題視されるようになりました。山田は何も考えずに、盗撮という言葉を使ったのでしょうが、さすがに非常識と言わざるを得ません」(スポーツ紙記者)

 そんな山田も、南に対してセクハラやパワハラにあたる行為はしてはいけないと自戒しているようで、ウェブメディア「シネマトゥデイ」のインタビューでは、

「僕はもっと関係を深めて、一緒にゲームとかもしたいと思っていますが、まだ19歳の女優さんに、40歳手前のおじさんがあんまり近づかないほうがいいかなとも思っています」

 と、冗談めかして発言していた。

しかし、そもそもこういった発言自体が、若手である南を萎縮させてしまう可能性がある。山田は自身の発言が周囲に与える影響を、もっと真剣に考える必要があるのでは。Netflix配信ドラマ『全裸監督』の村西とおるや、ドラマ『闇金ウシジマくん』(MBS)の丑嶋馨など、数々の難役を演じ、“天才俳優”との呼び声も高い山田ですが、このままでは不用意な発言で身を滅ぼしかねません」(同・前)

 SNS上では、山田への落胆の声が噴出しているが、果たして本人は、この事態を把握しているのだろうか――。