間宮祥太朗(『ナンバMG5』公式HPより)

 間宮祥太朗が主演を務める連続ドラマ『ナンバMG5』(フジテレビ系)が、5月11日に第4話を迎え、平均世帯視聴率4.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)を記録。12日には、ニュースサイト「東スポWEB」が同ドラマの視聴率が振るっていない状況を取り上げ、期待されていたという「映画化の2次収益」も見込めない、などと伝えたが……。

『ナンバMG5』は漫画家・小沢としお氏による同題作品およびその続編『ナンバデッドエンド』(ともに秋田書店)が原作。不良ファミリー・難破家の次男である剛(間宮)が“普通の青春”を夢見て白百合高校に入学し、“脱・ヤンキー”を目指す様子をコミカルに、時にシリアスに描いたドラマだ。

視聴率不振の原因は宣伝不足か

 難破家の父・勝を演じるのは宇梶剛士、母・ナオミ役は鈴木紗理奈、長男・猛役は満島真之介、長女・吟子役は原菜乃華というキャスティング。また、市松高校の一匹狼・伍代直樹役には神尾楓珠、千鳥商業高校に通う硬派な大丸大助役にはSixTONES・森本慎太郎が起用されている。

「同ドラマは、フジがこの春から水曜夜10時台に新設した連ドラ枠の、記念すべき第1作目としてスタートしましたが、第1話から6.6%と躓き、第2話で4.9%までダウン。第3話はやや回復して5.3%をマークしたものの、第4話で自己ワーストを更新してしまいました」(テレビ誌ライター)

 しかし、実は同ドラマ、ネット上の評判はかなり良くて、「それぞれのキャラクターとキャストのイメージがぴったり!」「格好良くて可愛いところもあるヤンキーたちに夢中」「ストーリーも面白くて、原作が気になった!」「原作ファンからしても、このドラマは納得の出来だよ」「今期のドラマで一番楽しみにしているドラマなんだけど、なんで視聴率悪いんだろう?」といった声が寄せられている。

「続編や映画化を希望する書き込みも少なくありません。ヤンキーものだと、2018年10月期に賀来賢人主演で放送されていた連ドラ『今日から俺は!!』(日本テレビ系)が人気を博し、20年7月に公開された劇場版も大ヒットしました。『ナンバMG5』も同じくらいのポテンシャルはあるはずで、だからこそ『東スポ』が伝えたように映画化も想定されていたのでしょうが、現状、ドラマはコケてしまっている。

 そもそも、水曜夜10時台にフジでドラマを放送しているということがまだ広く認知されていない可能性が高く、つまりは局側の宣伝不足が視聴率不振を招いているとみられます。新設枠だからって“様子見”しすぎたのではないでしょうか」(同・前)

フジテレビが迷走中?

 そんなフジは、このところ好調だった「月9」枠においても、今期は『元彼の遺言状』(綾瀬はるか主演)がネット上で不評を買い、視聴率低迷に陥ってしまっている。同ドラマは小説家・新川帆立氏の同題ミステリー(宝島社)を実写化。主人公の敏腕弁護士・剣持麗子を演じる綾瀬は、近年“視聴率女王”と呼ぶにふさわしい女優となっていた。

「もしかするとフジは、綾瀬を起用して安心しきっていたのかもしれませんが、ネット上では初回から“原作の良さが台無し!”とブーイングが続出。第3話までは2ケタ視聴率を獲得していたものの、第4話は9.0%、第5話も8.6%と下落してしまいました。

 綾瀬が『月9』枠で主演するのはこれが初めてだったので、そういう意味でも、フジ側は“マズい”と焦っているはず。まずは『元彼の遺言状』を立て直す必要があるということで、『ナンバMG5』の評判に気づいていたとしても、新たなPRを企画する余裕がない状態なのかもしれません」(芸能プロ関係者)

 一方でフジは、平日昼の情報バラエティ『ポップUP!』内で今月20日から4週連続で「ひるドラ!『昼上がりのオンナたち』」を放送することを発表。『ポップUP!』も今年4月4日から始まったばかりの番組だが、最近は基本的に視聴率1%台を推移。そんな『ポップUP!』について、4月26日発売の「週刊女性」は、番組内で“昼ドラ”を復活させようという動きがある……などと報じていた。

『ナンバMG5』公式HPより

 そして今月13日、実際に「ひるドラ!『昼上がりのオンナたち』」の企画が正式発表された。フジが『ポップUP!』のテコ入れを図っていることは伝わってくるが、局内ではますます『ナンバMG5』への対応が後回しにされていそうだ。なお、ネットユーザーからは「昼ドラを放送するからって、『ポップUP!』を見ようとは思わないのに」と呆れ声が出ている。

「フジが今、力を注ぐべきなのは『ナンバMG5』だと思うのですが、どうも迷走してしまっているようですね……。もちろん他の番組も大事なのはわかりますけど、せっかくヒットの可能性を秘めている『ナンバMG5』をないがしろにしてまでやるような企画は生まれていませんし、結局、どの番組も救われないまま終わりそう。

 ただ、映画化自体は実現するかもしれません。過去にフジで深田恭子が主演した『ルパンの娘』シリーズは、連ドラは爆死したものの、しっかり映画までやりましたから」(テレビプロデューサー)

 それでも、フジが『ナンバMG5』を映画化して興行成績を上げたいと思うなら、早い段階で戦略を考え直してほしいものだ。