堀江貴文氏

《電車タクシーコンビニずっとしてないですけど注意されないですね。されるのは飛行機系だけですね。あとたまに変な飲食店とかに当たると困るので一応持ち歩いてはいます。》

 5月23日、“ホリエモン”こと堀江貴文氏が自身のツイッターを更新。毎日新聞世論調査の【「屋外、マスク外してよい」は69%】との記事を引用して、《と、いいつつ私以外で外してる人ほぼいないっすね。怖いんだろうね皆んな》とツイートすると、続けて冒頭のような、屋内外で“ほぼノーマスク”生活を送っていることを明かした。

 政府は同日、屋外で2メートル以上の距離を保てていればマスクは不要、とする基本的対処方針を新型コロナ対策本部にて正式決定。つい、10日ほど前には「今の段階で緩和するのは現実的ではない」と話していた岸田文雄首相だったが、熱中症リスクも高まる夏季に向けた対策なのだろう。同様に学校でも、距離の確保を前提とした上で体育授業での「マスク着用は必要ない」と緩和を講じた。

「海外では、既に“withコロナ”として社会経済活動の優先に舵取りが切られ、アメリカでは公共交通機関とその構内でのマスク着用義務も撤廃。そもそもマスクをする文化がない国では“脱マスク”が加速しています。

 さらには来日中のバイデン大統領、そして出迎えて会話と握手を交わした岸田首相がノーマスクな訳ですから、“国のトップだから例外”という批判を交わすためにも徐々に緩和の動きを見せているのでしょう」(全国紙社会部記者)

 とはいえ、政府発表後の街中を見ても“ノーマスク”で出歩く人は少数派だ。感染リスクが高まることや“周囲から向けられる目”を省みると、やはりホリエモンが指摘した通りに、まだマスクを外すことを“怖い”と思う人が多いことが窺える。

ノーマスク注意するリスクの方が高い

 一方で電車やタクシーなどの公共交通機関、そしてコンビニを含めた施設内では依然として着用を推奨、要請されているだけに遵守している人がほとんど。5月17日には、2020年にマスク着用をめぐるトラブルから暴行を働いた25歳の男性が、懲役3年、執行猶予5年の判決を言い渡されている。

 コロナに感染することよりも、ルールを守らない“ノーマスク”の人物に対して注意することの方がリスクが高い、という風潮もあるだけに、堀江氏が《注意されないですね》と話すのもある意味当然と言えよう。やはりというかーー、

 彼のツイートに対してフォロワーからは、“ノーマスク”に同調するリプライも寄せられてはいるものの、SNSをはじめとしたネット上では、

《マスクしていない人を注意すると無駄に絡まれそうで怖い》
《堀江さんは注意すると後が面倒になりそうで》
《下手に注意すると、待ってましたとばかりに屁理屈こねくり回してウザ絡みしてくるのが分かっておるから、みんなに避けられてるだけ》

 トラブルに発展する方が“怖い”という理由で注意しない、というユーザーも。また《ホリエモンさんが注意されないのは餃子屋さんの一件のせいだろ》と、2020年9月の“餃子店マスク拒否騒動”を蒸し返すような意見も散見された。

 ネットトラブルに詳しいITジャーナリストが騒動を振り返る。

「堀江さんを含む3人が訪れた広島県内の餃子専門店が、一行にマスクをしていない人物がいたために着用を求めるも、押し問答になって入店を拒否。すると堀江さんが事の経緯をツイッターに書き込んだために、同店への嫌がらせや批判が集中して店舗を閉鎖せざるを得ない事態に陥ったのです。

 店主の奥さんは対人恐怖症から人前に立てなくなってしまい、現在も店舗でのレストラン営業を再開できずに、店内や通販での冷凍餃子を販売するのみみたいですね」

ひとゆきとも水をあけられた

堀江貴文氏とのトラブルに見舞われた広島県内の餃子店。レストラン営業は再開できず、現在は冷凍餃子の販売のみ営業(公式ブログより、一部編集部加工)

 その餃子専門店の店主は3月30日、同店のツイッターを通じて再度、マスク着用による感染リスクへの持論を展開しつつ、

《マスク着用によって飛沫や飛沫核を飛散させないようなご配慮を、引き続き店内ではお願いする所存です。ご不便おかけいたしますが、お付き合い願えましたら幸いです。》

 あらためて来店者に対してマスク着用をお願い。投稿の3日前には冷凍餃子の販売所をもう1店オープンさせるなど、経営を持ち直しているようだ。

「今回の堀江さんのツイートでは、マスクを持ち歩く理由として《あとたまに変な飲食店とかに当たると困るので》と、まるで餃子店騒動を挑発するような文面も見受けられました。店舗閉鎖に追い込んだ張本人として自身も叩かれ、さらには同店に経営アドバイスを送って手助けしたひろゆき氏とも水をあけられた格好に。それがよほど悔しかったのか、いまだに根に持っているように見えますね(苦笑)。

 彼の主張はどうあれ、海外とは違って日本におけるマスク着用はもちろん義務ではなく、身体的理由で着けられない人もいるのは確か。ただ、マスクをしていないことを“注意されない”、イコール“正しい”と思っているのなら、それは“ノー”ということでしょう」(前出・ITジャーナリスト)

 マスク着用でトラブル、炎上が起きない日常が戻ることを願うばかりだ。