明石家さんまと宮迫博之

 3月1日、東京・渋谷に高級焼き肉店「牛宮城」をオープンした元雨上がり決死隊・宮迫博之。これまで、芸人の江頭2:50やキングコング・西野亮廣、実業家のホリエモンこと堀江貴文、歌手の美川憲一、元AKB48の島崎遥香ら、数々の著名人が同店を訪れているが、このほど、宮迫が“師匠”と慕う大物芸人・明石家さんまが来店した。

 その際、宮迫はさんまに、お笑い界への未練をこぼしたといい、YouTubeと「牛宮城」が中心となっている現在の活動に、少なからず不満を抱いていることがわかった。

「焼き肉店」以外の活動も

 さんまが、5月21日放送の『さんまのお笑い向上委員会』(フジテレビ系)で明かしたところによると、「牛宮城」では開店祝いに高級シャンパンを注文。一緒に酒を飲んだ宮迫は、へべれけに酔っ払い、最後には「お笑いやりたいっす」と、本音をこぼしていたという。

「『牛宮城』にアルバイト体験を行ったというFUJIWARA・藤本敏史は、同番組で宮迫について、『もう芸人ではないですね。ただの店長でしたね』と語っていました。確かに最近の宮迫は、昨年7月に始動した『牛宮城』プロジェクトにかかりっきりの状態になっています。

 特に当初のオープン予定だった10月直前、共同経営者の人気YouTuber・ヒカルから、肉の品質をボロクソに言われて以降は、ネットユーザーの目が光っていることもあってか、宮迫はガネーシャの本田大輝社長とコンサルタント・本間儀彦氏の協力の元、商品開発と店づくりに奔走。その努力が実を結び、『牛宮城』は今のところ評判は上々で、経営者としてもそれなりの評価を得たようですが、一方で、本業の“お笑い”からは遠ざかってしまった印象です」(芸能ライター)

 やはり宮迫は腐っても“芸人”。「牛宮城」で、“店長”仕事に明け暮れていることに、ストレスを感じているのかもしれない。しかし、お笑いから遠ざかっているとはいえ、宮迫は3月に、自身のYouTubeチャンネルで、芸人仲間と“グループ”を結成するなど、一応芸人として新しい活動に乗り出しているという事実もある。

「バッファロー吾郎・バッファロー吾郎AとTKO・木下隆行とおじさんグループ『おっ3』を結成し、レトロ自販機の聖地を訪れたり、ラジオ番組風のトーク企画を行ったり、桑田佳祐&Mr.Childrenの名曲『奇跡の地球』をカバーしたりなど、さまざまな動画を配信しています。

 しかし、いずれも『牛宮城』を取り上げた動画より再生回数は伸び悩み、10万を切るものも散見される。世間がいま宮迫に求めているものは、芸人としての活動ではなく、『牛宮城』をめぐるドタバタ劇なのでしょう」(同・前)

 ほかにも宮迫は、テレビ界への復帰が難しい現状を受け入れ、YouTube上でテレビ番組とそん色ないバラエティコンテンツを配信する試みを行っている。その一つが、オリエンタルラジオ・中田敦彦、極楽とんぼ・山本圭壱とともにレギュラーを務めるトーク番組『Win Win Wiiin』だ。

頼れるのはさんまだけ?

 2020年11月にスタートし、現在までに8回分配信している同番組は、YouTube急上昇ランクの常連で、これもまた“芸人・宮迫”の実力が発揮できる場とも言えるが……。

「確かに、番組セットや構成などは、テレビに負けず劣らずの高クオリティですし、宮迫のトーク力も好評を博しています。ただ、ネット上でよく指摘されているのは、ゲストの面々がYouTuberかYouTubeに力を入れているタレントばかりという点。具体的には、手越祐也、キングコング・西野亮廣、ヒカル、朝倉未来、てんちむ、コムドット・やまとというメンツで、西野だけやや毛色は違うものの、正直“YouTube界隈の内輪感”が目立つと言えるでしょう。

 有力事務所である吉本興業に楯をついた宮迫の番組に、自社のタレントを出すのは気が引けるという芸能プロダクションは多いだけに、ゲストが何のしがらみもないYouTuberに偏ってしまうのは致し方ない。

 しかし、かつて『アメトーーク!』(テレビ朝日系)をはじめ、MCとして、さまざまな芸人やタレントのトークをさばいてきた宮迫にとっては、物足りない気持ちがあるのでは。それが『お笑いやりたいっす』という発言につながったのかもしれません」(ウェブメディア関係者)

 そんな、お笑いへの未練をくすぶらせる宮迫だが、5月23日にYouTubeで公開された千原兄弟・千原せいじとの対談動画の中では、“テレビ業界”への復帰について後ろ向きの発言をしている。

≪“テレビに戻りたい”とか、そういう考えではないのよ。お話をいただいたら、出させていただきますっていうのはあるんだけど。コンビ解散しちゃったからさ“相方の横に戻りたい”っていう大明言でやってたことがなくなって。今は(テレビ業界は)戻りたいという場所ではなくなりつつある≫

『WinWinWiiin』のオープンニング映像

「宮迫の言葉を額面通り受け取れば、YouTubeや舞台など、テレビ以外の場所でお笑いをやりたい……ということなのか。しかし、吉本の重鎮で、テレビ業界で絶大な影響力を持つさんまに、酔っぱらいながら『お笑いやりたいっす』と訴えたところを見るに、やはり心の奥底では、以前のように、テレビで芸人として活動したいと思っているのでは……と勘繰ってしまいます」(同・前)

 そもそもさんまは、宮迫が2019年に闇営業騒動を起こし、吉本と契約解消になった際、真っ先に救いの手を差し伸べてくれた人物だった。

「個人事務所に所属させると宣言し、自身主演の舞台に起用する計画を練るなど、宮迫の芸人としての再起を、誰よりもバックアップしてくれていました。しかし宮迫は、それをふいにして、YouTubeの世界に飛び込んだ。今さらさんまに『お笑いやりたいっす』と言うのは、筋違いでしょう。ただ、いまの宮迫が本気でお笑いに打ち込みたいというのであれば、さんまを頼るほかないのかもしれませんが」(スポーツ紙記者)

「牛宮城」オープンから約3カ月、「芸人ではなく店長」と言われた宮迫は、いまどのような将来を思い描いているのか――。