加トちゃんも、愛犬と一緒にしっかり読んでくれました

 45歳もの年の差婚で話題となったおふたりも、今年で結婚11年目。今も変わらずラブラブで、日々、加トちゃんへの愛情は増すばかりとか。私の趣味は「加藤茶です」と言い切る綾菜さんが、なんとエッセイを上梓。完成までの秘話を教えてくれました。

 今年の4月にコミックエッセイ『加トちゃんといっしょ』を出版させていただきました。結婚してからの楽しかったこと、つらかったこと、10年つけてきた日記を1冊にまとめたものです。文字だけではなく、加トちゃんの可愛い表情などをもっと表現したいという思いから書籍の半分を漫画にしました。

加トちゃんから「正直に書きなさい」

 漫画にしたいと思ったものの、初めは愛犬の絵を描いても「カンガルー?」と言われてしまうレベル……。猛練習をするために加トちゃんの衣装部屋を改造して、ひとりで集中できるように漫画部屋を作りました。

 もともとは半年で出版する予定がなかなか納得するものにならず、結局1年間、絵の練習をして、その後半年で書き上げました。

 初めは加トちゃんもハゲヅラではなく髪がありましたが「これじゃ、俺とはわからない。俺を表現するならハゲヅラだ!」「オチがオチてない」など厳しい喝をもらい、書き直すことも。でも、出版社の方たちより厳しい加トちゃんにも喜んでもらえるような1冊にしようと、途中からは見せるのをやめ、黙々と書き続けました。

 その中で書こうか書くまいかをすごく悩んだテーマがありました。それは子どものこと。夫婦の大切な話だし、これは本には書けないなと思っていた矢先、加トちゃんに「子どものことは書かないの?」と。思わず「そんな……かなりプライベートなことだし、いいの?」と聞くと「正直に書きなさい」と言ってくれたのです。

「世界でいちばん大好きじゃけ」

 しかし、書き始めるとペンが進まない。自分の心の葛藤や、お互いの年齢のことで子どもができないのはかわいそうだと思われていたことなど、やるせなさが込み上げてきました。でも、書き進めながら数年前の加トちゃんの大病のことを思い出し、その時に“加トちゃんが生きているだけで幸せだ”と、心の底から感謝した気持ちが蘇りました。そして、子どもの章をすべて書き終わるころには、本当に今が幸せだと思えるように。

 完成後、加トちゃんに見せたらまたまた「ここのオチが弱い」とダメ出しされたところもありましたが、子どもについて書いたページを読んでいる加トちゃんが、なんと……涙を浮かべていたのです。

まるでわが子のような本が完成。たくさんの方に楽しんでもらえますように!

 そんな加トちゃんに「いろいろあったけどウチと結婚してくれてありがとう! 世界でいちばん大好きじゃけ。次はうちが守っていくけぇ」と言うと照れくさそうに「ありがとう」と笑っていました。

 いまだ不安定な世の中ですが、日々の生活の中でこの本を読んでクスッと笑ってもらえたり、当たり前の毎日がどんなに素晴らしいのか感じていただけたらうれしいです。そして、これからも目の前の人を変わらずに大切にしていきたいですね。


かとう・あやな
●2011年に加藤茶と結婚。夫を支えるため「介護職員初任者研修」(旧ホームヘルパー2級)、「介護福祉士実務者研修」(旧ホームヘルパー1級)を取得。