コロナ感染者数は減り始めたけども(写真はイメージです)

 コロナの感染者数が減り始め、政府がマスク着用を緩和し、私たちの暮らしは非日常から日常に移行しつつある。ところが、良いことばかりではないようで……。「子どもの学校行事が再開されて忙しくなる」「リモートワークだったのが出勤になった」など困り事が噴出中!そこで、全国の女性に聞きました、「コロナを言い訳にできなくなって、困っていることは何ですか?」

 人との接触を極力避けるための“新しい生活様式”は、良くも悪くも私たちの暮らしに大きな変化をもたらした。感染状況が多少落ち着きを見せはじめ、普通の毎日を取り戻せる兆しがようやく見え始めたときに、なんと意外なところから悲鳴が……!

「コロナ禍を理由に夫の実家への帰省をやめていたのですが、最近また“そろそろ顔を出したら?”と姑からの誘いがくるようになってしまいました。親戚付き合いも含めて、頻繁に顔を合わせなくてはいけないのかと思うと憂鬱です」(山口県・38歳)

 たしかに日常のさまざまなシーンで、コロナ禍は“便利な言い訳”として機能していた側面もある。そこで今回、「コロナ禍が明けたときの困り事」をテーマにアンケートを実施。中でも最も多くの人が挙げたのが、飲み会の復活だった。

「コロナ禍を理由に断り続けていた職場の“飲みニケーション”が最近ポツポツ復活し始めた。宴会部長も“やっと歓送迎会や忘年会ができる”と張り切っていて、また出費がかさみそう」(青森県・42歳 ほか)

気乗りしていなかった旅行計画が再開

コロナ感染者数は減り始めたけども(写真はイメージです)

 煩雑な人付き合いにおいて、コロナ禍はテイのいい断り文句になっていたようで、ほかにもこんな意見がズラリ。

「友人に旅行に誘われていたものの、メンバーにも行き先にもあまり気乗りしていなかった。コロナ禍でどうにか計画が延期になっていたが、そろそろそれも限界がきそう」(東京都・33歳)

「食事会や飲み会は、仲間内だけなら楽しくていいのですが、完全にお付き合いのようなときは正直しんどい。断る理由を探すのも面倒だったので、その点はコロナでの自粛ムードのいいところだった」(大阪府・40歳)

 コロナ禍が明け、さまざまな場所で人流が戻ってしまうことも懸念点のひとつのようだ。

「映画館や飲食店、スーパーなど、これまでは人が少なく快適だったのに……また混雑し始めるのだと思うと、利用者としては残念です」(富山県・52歳)

「近所の飲食店の人気が再燃して、なかなか予約がとれなくなってしまった。コロナのときはガラガラで、頻繁に行けていたのに、残念です」(東京都・34歳)

 これについて、飲食店で働く人からはこんな恨み節も。

コロナを言い訳にできずに困ったこと1位「職場の同僚や友人との飲み会」(写真はイメージです)

「コロナ禍でお客さんが減って困っていたときにはちっとも来なかったのに、最近になってまた常連っぽく来店するようになった人がチラホラ。顔には出さないものの、やはり少しそっけない接客をしてしまう自分がいます」(東京都・26歳)

コロナを理由に店のトイレを開放するのを中止しています。商品を買わないのにトイレだけ利用する人も多く、今後はまた開放しないといけないのかなとスタッフ一同苦渋の決断を迫られています」(京都府・50歳)

 ソーシャルディスタンスが定着したいま、もう“密”な暮らしには戻れそうにない。

夫の出社でワンオペ生活に逆戻り

 コロナ禍で働き方が大きく変わった中、「これまでのような働き方はもうしんどい」という声も目立った。

リモートワークで十分働けることがわかったので、いまさら出社しろと言われてもやる気が起きない。朝早くに満員電車に乗る生活や、意味のない対面の会議など、なぜあえて復活させるのかわからない」(埼玉県・42歳)

「そろそろ転職を考えています。身体が弱いこともあり、できれば今のような在宅勤務を選びたいと思っていますが、コロナ禍が明けるとこれまでより在宅ワークを選べる職種が減るのではないかと心配です」(神奈川県・47歳)

 夫の働き方の変化で家庭にも深刻な実害が出そうだ。

「夫がテレワークから出社勤務に戻ってしまった。コロナ禍での出産以降、ずっと家事育児を夫と一緒にやってきたのに、いまさらワンオペ生活になってしまうのが不安」(栃木県・31歳)

「製造業のパートをしていて、コロナ期間はわりと暇で早上がりできることも多かったです。最近はまた忙しくなってきて、定時に帰れなくなるのがつらいですし、残業が続くと家のこともおろそかになってしまいそうです」(京都府・49歳)

 これまで自粛されてきたイベントの復活が地味な痛手になるという人も多いようだ。

「子どもの学校関連が面倒くさい。これまでは行事もPTAも必要最低限だった。運動会も人数が制限されていたり、学年ごとの時間制になっていたりして楽だったので、これからもそのままにしてほしい」(栃木県・41歳)

町内会の行事がなくなっていたのに、また再開しそうな雰囲気です。準備のお手伝いや、参加しなくてはならない会合が増えてしまうのでいろいろと面倒なのですが、田舎なので断りづらい」(広島県・51歳)

マスクを外して素顔をさらすのに抵抗

 ようやくマスクをはずせる生活になるかと思いきや、そこにはさまざまな弊害も……。

コロナを言い訳にできずに困ったこと2位「マスクでメイクが必要に」(写真はイメージです)

「どうせマスクで隠れると思って、これまでは日焼け止めとアイメイク程度でよかったのに、またフルメイクをしなくてはならないのはつらい。化粧品一式をまたそろえないといけないので出費も増えそう」(岩手県・42歳)

マスクをはずすのが嫌です。もともと顔を合わせて話すのが苦手で、マスクがあるからあまり気にせず話すことができていたのに。また、マスクを着用するようになってから出会った人も多いので、いまさら素顔をさらけ出さないといけないのも少し気が引けます」(愛知県・30歳)

 自粛ムード解禁の影響は、実生活だけでなくインターネット上にも忍び寄る。

「SNS上で友達のお出かけ報告やイベント参加などの投稿が増えてきました。キラキラ感を取り戻したようなリア充投稿ばかりで、自分も何かアップしないといけないのかとムダに焦ります……」(石川県・43歳)

 なんとなく許されてきたような自堕落な生活に、改めて向き合う必要も出てきた。

買い物には極力行かないようにしており、食事のデリバリーを頼む習慣がついてしまった。夫に“いいかげん料理しろよ”とツッコまれそうで怖い」(新潟県・48歳)

「コロナ禍で外出機会が減って、体重が増加してしまった。最近は外に出ることも多くなってきたが、体重は相変わらず。実はコロナ太りではなく、ただの中年太りだった」(東京都・43歳)

 待ち望んでいたはずの平穏な生活に忍び寄る、さまざまな問題点。「コロナ禍だから」はもう免罪符にはならない。

コロナを言い訳にできずに困ったこと3位「子どもの学校行事が再開」(写真はイメージです)

1000人アンケート!コロナを言い訳にできず困っていることは?

1位「職場の同僚や友人との飲み会」ーー195人
 最も多かったのは、飲み会にまつわる悩み。相手が誰であれ、「いちいち断る理由を探すのが面倒です」と苦労している人が続々!

2位「脱マスクでメイクが必要に」ーー191人
「マスクで隠れるから」と、簡易メイクで済ませていた人も多い。マスクは肌荒れや歯並びが気になる人の救いにもなっていたよう。

3位「子どもの学校行事が再開」ーー131人
「PTAの会合や運動会などのイベント準備が煩わしい」との悲鳴も。必然的にママ友との付き合いも増えてしまっているという声も多数。

4位「夫の実家に帰省すること」ーー102人
 コロナで控えていた親戚付き合いも徐々に再開。「お出かけ好きの姑を車で送り迎えしなければならなくなった」という悩ましい声も。

5位「冠婚葬祭の再開」ーー51人
 家族内だけで行われていた葬儀やお通夜への参列のほか、「延期されていた結婚式に立て続けに招待され、ご祝儀貧乏に」という人も。

※アンケートは6月2日~3日に20~60代を対象にFreeasyにて実施。

取材・文/吉信 武