紀子さま

 3年ぶりに、コロナ禍による行動制限がない夏休みがやってくる─。全国の小中高生が期待に胸を膨らませる中、東京・文京区にある筑波大学附属高校の1年生が心待ちにするのが、7月下旬から8月上旬にかけて行われる『蓼科生活』。

「長野県の蓼科高原で、クラスごとに集団生活を送る“一大行事”です。コロナ禍により'20年と'21年は中止でしたが、今年から再開されます。感染対策のため、例年よりも日程を縮めた2泊3日での実施となります」(在校生)

保護者会や説明会にも率先してご参加

 感染対策を講じつつ、『蓼科山』への登山やレクリエーション、小遠足などが予定されている。

「筑附では3年間、クラス替えがありません。蓼科生活で中学からの内部進学生と高校からの入学組とのギャップを埋められるかどうかが、その後の高校生活を左右するといわれています」(同・前)

 今年4月に同校へ入学した悠仁さまも、この行事に参加される見通しだ。

「昨年まで通われていた『お茶の水女子大学附属中学校』では、修学旅行がコロナの影響で中止に。悠仁さまに限ったことではありませんが、多くの学校行事が思うように開催できず“消化不良”に終わったことは、お気の毒でした。ぜひとも高校生活は不自由なく過ごしていただきたいです」(皇室担当記者)

 皇位継承者では戦後初、学習院以外への高校へ進学された悠仁さま。『提携校進学制度』を利用された“特別ルート”での高校入学や、作文の盗用騒動によって、一時は冷ややかな視線が向けられた。

「母としての強い自負をお持ちの紀子さまは、悠仁さまが周囲の生徒になじめるか、人一倍案じられているようにお見受けします」(宮内庁関係者)

 妃殿下としての活動に加えて、子育てにも熱心に取り組まれてきた紀子さま。

「保護者会や説明会に率先して参加されるのはもちろんのこと、学年委員として行事の企画や運営に尽力されることもありました」(同・前)

 これまでの夏休みには母子旅行を計画し、工夫を重ねて“帝王教育”を実践された。

「悠仁さまが小学5年生だった'17年の夏には、小笠原諸島の父島や母島をおふたりでご訪問。小笠原の自然や食文化に触れたり、塹壕や軍道など戦争の痕跡を巡られたりも。悠仁さまにとって、かけがえのない体験になったようです」(秋篠宮家関係者)

 旅行中には、父島で6時間半にも及ぶ登山にも挑戦。トレッキング中にすれ違ったという山のガイド・矢田部克也さんは、こう回顧する。

「男女ペア」で真っ暗な山道を…

「島の南端に位置する『ハートロック』という岩の上で、パノラマの絶景をおふたりで楽しそうにご覧になっていました。お土産店でもお見かけしまして“普通の仲よし親子”という印象でした」

'18年の夏休みには、広島県を私的に訪問された。

「おふたりで『原爆死没者慰霊碑』や『広島平和記念資料館』を回られました。戦争の悲惨さを肌で感じた悠仁さまは、上皇さまから引き継がれてきた“戦争体験の継承”の大切さに気づかれたのでは」(前出・記者、以下同)

'19年には夏休みを利用してご両親と、初めての海外となるブータンへ。

「国王夫妻を表敬訪問するなど、悠仁さまも国際親善を果たされました。海外に興味を広げられるきっかけとなったことは言うまでもありません。秋篠宮さまの教育方針は、“各地を訪れて、地元の文化や自然の素晴らしさを体感させる”ということ。紀子さまは、その思いを酌み、綿密な計画を練られていたのです」

 コロナ禍に見舞われた“空白の2年”を経て迎える今年の夏─。

制服がない筑附高の入学式に、濃紺のスーツ姿で出席された悠仁さま(4月9日)

「高校1年生になられた悠仁さまとの過ごし方は、がらりと変わると思います。思春期真っただ中の悠仁さまにとって、重要なのは同世代とのひととき。母子旅行は、しばらくお預けになるでしょう」(前出・秋篠宮家関係者)

 冒頭の『蓼科生活』は、悠仁さまにとって高校初めての夏休みに待ち受ける“山場”ともいえる。

「“ほぼ登山”といっても過言ではない合宿です(笑)。とても疲れますが、そのぶん絆は深まりました」(20代の筑附OB、以下同)

 飯ごう炊さんやキャンプファイアなど、数ある思い出の中で、特に忘れられないのが“肝試し”だという。

「男女ペアになり、真っ暗な山道を歩きます。僕のときは当日のくじ引きで相手を決めましたが、好きな子とペアになるために、友達と交換して……。最近は女子から男子を指名することもあるとか」

 この“夏キャンプ”をきっかけに、カップルが成立するケースが多いといい、

「学内では昔から『蓼科マジック』と呼ばれています。筑附は学内のカップルが多いのも特徴。僕の代でも結婚したカップルは何組もいます」

悠仁さまの“恋模様”にヤキモキ

 同じ経験をされる悠仁さまにも、いずれ“大切な存在”ができるかもしれないーー。

「秋篠宮さまは、かねて“学生時代に相手を見つけないと結婚は難しい”というお考えです。皇族というお立場で自由に恋愛をするハードルの高さは、悠仁さまも十分理解されていると思います」(前出・秋篠宮家関係者)

 女性の生き方やジェンダー問題に詳しいジャーナリストの浜田敬子さんは、民間から皇室へ“入る”プレッシャーについてこう解説する。

「伝統的なしきたりに倣うだけでも相当な努力が必要です。それだけでなく、国民の目に晒され続けるストレスは計り知れません。今の時代は、メディアだけでなく、SNS上で誰もが自由に意見を発信できるため、いっそう苦しい環境ともいえるでしょう」

 これまでも女性皇族が批判を浴びることは少なくなかった。

ブータンでは父子でおそろいのチェックシャツをお召しに('19年8月)

「日本にある根深い性別役割分業の考え方は、時代とともに変化してきましたが、皇室に対しては昭和の価値観のままで見てしまう人が多いと思います。よき妻や母としての役割を求める国民の過度な期待があるのではないでしょうか」(浜田さん)

 悠仁さまのお妃選びにそびえ立つ壁は高く、秋篠宮さまのご見解のとおり、早いうちから準備が必要になりそうだ。

「紀子さまは、眞子さんと小室圭さんの結婚問題を受けて、ナーバスになっておられると聞きます。悠仁さまの“恋模様”に敏感になってしまうのも無理はありません。新たな世界に1人で飛び込み、多くの出会いを経験する悠仁さまを頼もしく感じつつも、“手放しにはできない”というヤキモキした感情を抱かれているのではないでしょうか……」(前出・宮内庁関係者)

 この夏、紀子さまの胸騒ぎは収まりそうにない─。


浜田敬子 ジャーナリスト。前『Business Insider Japan』統括編集長。『AERA』元編集長。『羽鳥慎一モーニングショー』や『サンデーモーニング』のコメンテーターや、ダイバーシティについての講演なども行う。著書に『働く女子と罪悪感』(集英社)