小説家デビューした原田龍二を直撃!

「ヤノマミたちと暮らした日々が、裸になることをいとわない僕の原点です。僕の人生を変え、生きる意味を教えてもらった貴重な経験を、なんとかして形にしたかった」

 俳優の原田龍二(51)がこのたび、自身初となる小説『精霊たちのブルース』(万代宝書房)を上梓した。

 内容は、文化人類学を学ぶ男子大学生が、アメリカ人の担当教授とともにフィールドワークでベネズエラのジャングルに行き、少数先住民のヤノマミ族と交流するというもの。紀行小説でもあり、若者の成長譚でもある。

 原田といえば、以前から裸の仕事を朗らかにこなすことでおなじみだったが、2019年に複数のファン女性との不倫が発覚。粛々と仕事をこなしほとぼりが冷めたころ、今度は妻の原田愛(48)がタレントとして芸能界に復帰。CMで共演するなど、生きざまを隠さない姿から、現在では“全裸俳優”とも呼ばれている。

男も女もほぼ全裸の土地で

 そんな原田に、小説家デビューの意気込みを直撃した。

「20年ほど前、テレビ番組の企画で、ベネズエラの奥地に住んでいるヤノマミ族に会いに行ったんです。ヤノマミとは、彼らの言葉で“人間”という意味なのですが、そこで彼らは人間の根源ともいえる生活を送っていました。

 草木や土の強い匂いがする土地で、狩りや採集をし、子どもを育てている。そして、自分たちを守ってくれる存在である目に見えない精霊を敬う。男性も女性も、ほぼ裸です。そんな彼らを見て、自分はこれまで『どれだけうわべをつくろった生き方をしてきたんだ』と衝撃を受けました

読書感想文の課題図書になれば

 だが、“すぐに裸になれる男”原田は、ほどなくヤノマミ族と親しくなったという。

ヤノマミ族の首長に、『おまえは精霊に認められた伝説の戦士の生まれ変わりだ。帰国したら、私たちのことをおまえたちの仲間に伝えてほしい』と言われました

テレビ番組のロケでヤノマミ族と交流する原田龍二

 その約束を、今回やっと果たした。

もともとものを書くことは好きで、今回の小説はブログに少しずつ書いていたものがもとになっています。あるYouTubeのインタビュー番組に出た際、『書きためていた物語を本にしたい』と話したら、それを見た出版社の方からご連絡があり、出版の運びとなったんです。

 僕が苦手なので(笑)難しい言い回しや、セクシュアルな表現は特にないですし、小学校の高学年くらいから読めると思います。読書感想文の課題図書とかになるとうれしいですね

 本の発売日にも、思いを込めた。

「妻の誕生日に合わせてもらったんです。ヤノマミ族と妻。僕を支えてくれた人たちの記念日にしたかった。

 次回作の構想もありますが、次は詩集も作りたいんです。僕の今の肩書はヤノマミと同じく“人間”なので、役者業や文章に限らず、いろんなことをやりたいですね。日本の精霊ともいえる座敷わらしにも会いたいですし!」

 現代社会を裸で生きるヤノマミ・原田龍二から、今後も目が離せない!

『精霊たちのブルース』(万代宝書房刊 税込み1320円) 書影をクリックでAmazonの購入ページへ

原田龍二(はらだ・りゅうじ)●1970年、東京都生まれ。第3回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストで準グランプリを受賞後、さまざまな作品に出演。司会者として『バラいろダンディ』(TOKYO MX)金曜日を担当。芸能界きっての温泉通、座敷わらしなどのUMA探索好きとしても知られている。現在、YouTubeチャンネル「原田龍二のニンゲンTV」を配信中!

取材・文/木原みぎわ 撮影/山田智絵