『「知らなきゃヤバい」女性の活躍を支援するためのヘルスケアセミナー』に登壇した堀江貴文さん

 6月10日、産婦人科医・三輪綾子さんとの共著で『女性の「ヘルスケア」を変えれば日本の経済が変わる』(青志社刊)を上梓した、ホリエモンこと堀江貴文さん。そんな堀江さんが7月7日に都内で、三輪さんとの対談セミナー『「知らなきゃヤバい」女性の活躍を支援するためのヘルスケアセミナー』に登壇した。一見、“女性のヘルスケア”とは全く関係なさそうな彼が、そうした活動に携わる真意とは?

女性のヘルスケア向上が企業の業績アップにつながる

『女性の「ヘルスケア」を変えれば日本の経済が変わる』の中で堀江さんは、女性の社会進出が遅れているのは「“女性の健康問題”への男性の理解のなさ」が大きく関わっているからだと言っている。

 さらに、「“女性の健康問題”は女性個人だけの問題ではなく、“社会的課題”であり、その“社会的課題”が解決すれば、社会全体に大きな影響が及ぶ」とも。

 例えば、“女性の健康問題”の一つに「生理痛」がある。その「生理に伴う症状による日本社会の労働損失(欠勤や労働料・労働の質の低下)」は、なんと年間4911億円! そんな問題を放置すれば企業にとっては大きな損失につながる。逆にきちんと取り組めば女性の就業環境はよくなり企業の業績も上がるというわけだ。

ホリエモン流“女性のヘルスケア問題”解決術!

堀江貴文さんと産婦人科医・三輪綾子さん

 では、“課題”を解決するために何をすべきか? セミナーでは主にその方法論が語られた。いくつかピックアップして紹介すると……。

 まず、世の中に“女性のヘルスケア向上”を浸透させるには? という話題になったときのこと。

「菅政権になって、HPVワクチンへの取り組み方が変わったり、不妊治療も保険適用になったり、女性のヘルスケア周りがガラリと変化。トップで一気に変わると実感しました」(三輪さん)

 産婦人科医となって以来、女性のヘルスケア向上に取り組んできた三輪さんの言葉に、うなずく堀江さん。

「政治家に、“ここに問題がある”と声を届けるのは大事なこと。まずは地元の区議会議員や市議会議員に陳情して、そこから国会議員へ伝えてもらうといいです」(堀江さん)

 また、「テレビに出る人の話は、みんな信じるものだから」(堀江さん)と、冗談めかして三輪さんにテレビ出演を強く勧めると同時に、動画を作成するようアドバイス。

「真面目な話を面白く伝える動画を作れば、みんな自然に引き込まれるから。いずれは中学校などで、動画を教材として見せたらいいと思う。中3なら15歳。3年後には選挙権を持つ、まっさらな彼らを教育することはとても大切です」(堀江さん)

“女性の健康問題”に、ホリエモンがアツく取り組む2つの理由

 さらに、子宮頸がん検診の促進に努める三輪さんが、思うように検査数が増えず頭を痛めていると話すと……。

「保険制度から切り込むのも、クレバーなやり方。定期的に検査を受けないと、がんになったときの治療費は全額自己負担、などの制度にしては? アメリカとかはそうやって、大腸がんの罹患率を下げています。そうすれば高額医療費をカバーする必要もなくなり、健保組合にとっても財政改善につながるはず」(堀江さん)

『女性の「ヘルスケア」を変えれば日本の経済が変わる』(青志社刊)を上梓した、ホリエモンこと堀江貴文さんと産婦人科医・三輪綾子さん

 

 ほかにも検査への不安を払拭できるよう検査の様子をフルCG動画にする、VRで体験できるようにするといったアイデアも、伝えていた。このように、思わず膝を打つアイデアを次々と繰り出す姿が印象的だ。

 堀江さんがこれほど熱心に活動に取り組む理由は何だろうか?

 ひとつは先にも述べたように、それが企業にとって利益、ひいては日本経済の活性化につながるからだろう。けれど、それだけではなさそうだ。堀江さんは著書でこんなことを言っている。

「いま社会で活躍する女性のなかには、女性特有の症状に苦しんできたにもかかわらず、そうしたハンデを物ともせず、それをおくびにも出さずに頑張ってきた人が多くいる。それは素晴らしいことであると同時に、一方ではやはり気の毒なことでもある。しかし『気の毒ですね』で終わりにしてはいけないのだ」

 その言葉には、共に社会で戦う同志の女性たちに対するリスペクト。そして辛い想いを抱える同志に手を差し伸べる、そんなやさしさが潜んでいるに違いない――。

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