仲田博喜の公式サイトより

「プロ意識が欠如しているとしか思えませんよ……」

 7月上旬、舞台関係者はある1人の男に頭を悩ませていた─。

 遡ること2週間。6月26日、国立代々木競技場・第一体育館は大きな盛り上がりを見せていた。

「漫画やアニメ、ゲームなどの世界を実写キャストが演じる“2・5次元”作品として絶大な人気を誇る、ミュージカル『刀剣乱舞』、通称“刀ミュ”の大型公演『真剣乱舞祭2022』が、大千穐楽を迎えました。原作は、名だたる刀剣が戦士の姿となった“刀剣男士”を育成するシミュレーションゲーム。'18年には“刀ミュ”のキャストが『第69回NHK紅白歌合戦』に出場したことでも大きな話題となりました」(演劇雑誌ライター)

 観客を巻き込んだ“祭り”の公演は大成功に終わったが、その約1週間後、ある異変が起こっていた。

「『刀剣乱舞』で“明石国行”役を演じている俳優の仲田博喜さんが、7月4日、体調不良を理由に、出演予定だった7月9日・10日公演の朗読劇『星降る街』と7月16日から24日にかけての舞台『パレード』の降板を発表しました」(同・演劇雑誌ライター)

ミュージカル『刀剣乱舞』の公式サイトより

セリフを「覚えられません」と出演辞退

 仲田は'13年2月、第1回『美ジネスマン&美ジネスウーマンコンテスト』ファイナリスト進出をきっかけに、オスカープロモーションに所属。'17年には同事務所初となる男性エンターテインメント集団『男劇団 青山表参道X』のメンバーとなり舞台を中心に活動していたが、今年3月1日、9年間所属したオスカープロモーションを退所し、フリーとして活動を始めた。彼の身に、いったい何が起こったというのか。

実はここだけの話、体調不良とは別の降板理由があるんですよ……

 冒頭の舞台関係者が口にしたのは、驚きの事実だった。

仲田さんは『刀剣』の公演を終えた後、『パレード』の稽古に合流した際に、事前に渡されていたにもかかわらず、初めて台本を開いたようで、セリフの量が多いことに驚愕。その後、製作陣に“覚えられません”と出演辞退を申し出たんです。公演直前ということもあり話し合いの場を設けたところ、一度は辞退を撤回したそうなんですが、再び稽古に参加した後に“やっぱり無理です”と降板の意を示したと聞きます」(舞台関係者、以下同)

7月5日、仲田が《ご報告。》という言葉とともに載せた謝罪文(本人のツイッターより)

ファンにチケット払い戻しをさせないために

 降板は、仲田本人および舞台製作陣の公式ツイッターで発表された。『星降る街』は朗読劇のため、セリフを覚える必要はないはずだが……。

“『パレード』のセリフを覚えられない”とは公表できないので、体調不良ということに。『星降る街』は、スケジュール上の辻褄を合わせるために降板したことになります

降板した『星降る街』のヴィジュアルには仲田の姿も(公式サイトより)

 製作陣は、即座に代役探しに奔走。ピンチヒッターは何とか見つかったが、問題はそれだけではなく……。

直前の降板ということで、仲田さんのファンの方などのチケット払い戻しのため、返金対応が必要になります。この補填は仲田さん側が負担する方向で進められていたんですが、本人が“《賠償金を払うことになるから、払い戻ししないで》とファンに向けてツイートしてもいいか”と製作陣に相談したそう。

  最終的に却下されましたが、仲田さんクラスの俳優だと300~400枚分の売り上げが見込まれ、全員が払い戻しを求めた場合の賠償金額は約300万円以上にも上ります

 降板理由や賠償金に関する言動が事実であるなら、あまりに無責任ではないか。仲田に関して、関係者からはこんな声も。

仲田さんについては“『刀剣』への出演が決まってからかなり天狗になっていた”という話があります。ある映画で、仲田さんが2番手の位置でキャスティングされていた際、『刀剣』への出演が決まってから“W主演じゃないと降板する”と言い出し、製作側が泣く泣くそれをのんだこともあったとか」(芸能プロ関係者)

 多くの人間が仲田の言動に振り回されているようだが、ファンを裏切るような降板劇は本当なのか。事実を確認するべく、7月7日、フリーで活動する仲田へのオファーの窓口を務めているという事務所の代表に話を聞いた。

『パレード』の製作会社が語ったこと

─仲田博喜さんの舞台降板について、確認させていただきたいのですが。

「私どもは、仲田さんの所属事務所ではありません。彼がオスカーさんに所属していたころ、私がイベントの手伝いをしていた関係もあって、頼まれたときに業務をお手伝いしている形です。フリーランスの役者さんとなると、いろいろ大変な部分もあるので」

─舞台『パレード』に関して、体調不良とは別に「セリフが多くて覚えられない」という理由で降板を申し出たと聞いています。

本人からは“体調不良”ということで聞いています。『星降る街』に関しては、体調が悪い状態では当然出られませんから、うちが主催している舞台ということもあり、降板とさせていただきました。『パレード』は、仲田さんと主催側の方たちの間で話し合って、降板することになったとお伺いしています

─仲田さんの窓口としてのお手伝いは、今後も継続していくのでしょうか?

「精神的なところによる体調不良とのことなので、本人が回復するまでは、会社というより私個人としてフォローしていくつもりです」

 あくまでも“体調不良”と聞かされているとのことだった。さらに詳しい事情を尋ねるべく、一連の話について『パレード』の製作を担当する会社に問い合わせると、以下の返答だった。

降板した舞台『パレード』の公式サイトには沖田が掲載されていたが……

『パレード』の台本は、3月25日に仲田さん側に渡しております。稽古は6月21日からでしたが、仲田さんは『刀剣乱舞』の公演期間中だったため、参加していませんでした。彼が合流したのは6月27日からで、30日の稽古に来られた際に“このままの状態で本番の舞台に立てる自信がない”と、降板の申し出がありました。チケットの払い戻しに関する件は、現在協議中です

 演劇の世界には、「役者殺すのに刃物はいらぬ ものの三度も褒めりゃいい」という言葉がある。もてはやされ、驕り高ぶるものに警鐘を鳴らすこの言葉を、仲田は知っているだろうか……。