南野陽子

 女の人生で避けては通れないの更年期症状。それは芸能界の美女たちも同じ。更年期をカミングアウトした南野陽子は、この苦しみをどうやって乗り越えようとしているのか?

夫に泣きながら訴える日も

 アイドル黄金期“花の85年組”のひとり、“ナンノ”こと南野陽子。昭和の中高生を夢中にさせた永遠のアイドルが新聞紙上で更年期について告白し、話題を呼んでいる。

 45歳ぐらいから指のこわばり、五十肩、頭痛や吐き気、不整脈などの症状が始まったというナンノ。

《更年期のまっただ中にいるのだと思います。体調管理どころか、毎日、調子が悪くて当たり前。頭は痛いし、吐き気もするし、めまいがして変な汗をかくし、むくみが出て気持ちもどんよりとして、いいところがひとつもない》

 と、インタビューに答えている。40歳、45歳と5年単位で身体が変わってきたように感じたと語るナンノ。50歳の手前あたりで、それまでとは明らかに違う大きな変化が一気にやってきたそう。

「もともと私は生理不順など婦人科系のトラブルが多く、アイドル時代も心と身体のバランスが取れずにイライラすることがありました。(中略)更年期は、先輩方や母から、大なり小なり誰でも来るものだと聞かされていたので、とうとう私も一段、階段を上ったなーって。来るものに関しては落ち込んでも仕方がない」

 と、語っていた。

「はい、今日はしんどい日って、割り切るようにしています。“今日は最悪。何にもできないからよろしくね”と女性のマネージャーさんにお願いすることも」

 永遠のアイドルが更年期を告白した理由については、

「ナンノもそうなんだ~、私もそうだよって、思ってもらえれば」

 と、語っている。

めまいが起きたらベッドで安静が一番

 週に3日ほどはベッドから起き上がれないほどめまいに苦しみ、夫に向かって「助けて」と泣きながら訴えることもあるというナンノ。そんなにはげしいめまいが更年期で起きるものなのだろうか。

「更年期には、血管を広げる働きのある女性ホルモンが急激に減少します。それにより血流障害が起き、めまい、ほてり、頭痛といった不調が引き起こされる可能性があります」(婦人科クリニック医師)

 その他の原因としては自律神経の影響や、それによる血圧の変動が関係しているともいわれる。

「めまいが起きた場合には、南野さんのようにベッドで安静にするのが一番。頭竅陰(両耳の後ろにあるくぼみ)、翳風(両耳の下にあるくぼみ)といったツボを押すのも効果的。また、女性ホルモンのエストロゲンに似た働きの成分、イソフラボンを摂取すると不調を緩和するともいわれています。日常的に大豆製品をとることを心がけるのもオススメですよ」(同・前)

 声が出なかったり、表情に締まりがなかったり、セリフに感情が乗りすぎたりする日もあると語るナンノだが、

「しんどさも含めてこの年齢の味だと思って、そうじゃない日に加点しています」

 と、前向きだ。更年期も人生の荒波も“ナンノこれしきっ!”と力強く乗り切ってほしい。

取材・文/ガンガーラ田津美