くりえみ

事務所を辞めたらもう芸能活動できないよ、成功できないよ、とかよく言われたんですよ。でも私それ誰が決めたん? そう思うんですよね

 かつて大手芸能事務所に所属しアイドル活動や女優としても活躍した「SNSのフェチ天使」こと、くりえみ。Instagramフォロワー数109万人、Twitter52万人、YouTube33万人(8月現在)。数多くのコミック雑誌の表紙を飾るなどグラビアを中心に活躍、SNSでの動向がネットニュースで多く取り上げられるほか、『ABEMA PRIME』などの討論番組にも出演。また、タレントのみならず起業家としての一面も持つ。

 いかにして彼女は事務所の看板なしでのし上がってきたのか。何者でもなかった人が、ある日突然有名に。そんな無限の可能性を秘めたSNS時代の最前線が見えてくる──。くりえみに“人生を180度変える方法”を聞いた。

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 高校1年生のときに渋谷でスカウトされて芸能界デビュー。アイドルグループの初期メンバーとしても活動していたが2018年に卒業。大手芸能事務所を辞めてフリーに。今まで全く運用してこなかったSNSをその前後から始めた。

「(事務所を)辞める前から自分の気持ちを発信したい気持ちが高まり、ネガティブな感情も含め、SNSで好き放題、自分が思うことを投稿していたんです。当時の事務所からは怒られましたね(笑)。『タレントが内面を赤裸々にし過ぎるのは良くない』と。でも私は長い目で見た時に、最も必要なのは“人間力”だと思ったんです。今となっては、あまり“自分は幸せじゃない”みたいな発言をしてもファンも幸せにならないなと気づきましたけど……とにかく、SNSを“ガチり始めた”のはその頃からでした」

 

コミケにやってくるカメラマンたちの“心理”

 彼女が人気を得たのはコスプレイヤーとしてだ。コミケで撮影された画像がSNSでバズり、たちまち認知されるように。しかし、昨今はコスプレイヤー人気が凄まじく、激戦区でもあるため普通にしていたのでは埋もれてしまう。そこで取った手法は、その場に集まったカメラマンがツイッターに投稿した写真全てを“リツイート”することだった。

「コスプレイヤーさんってこだわりが強い方が多いんです。顔はこの角度じゃないと嫌だとか、この表情じゃないと好きじゃないですとか。だから彼女たちは自分が本当に写りがいいものしかリツイートしてないし、それ以外は拡散されたくないと思っている。そこで、私はすべての投稿に反応するようにしたんです。わざわざ来てくれたカメラマンさんの心理を考えると、被写体本人に認知されて喜びを得る方も多いのかなって

 

 その効果は凄まじかった。ある夏の炎天下に行なわれたたった数10分程度の撮影会で1000人以上が彼女の写真をSNSに投稿。フォロワーが1日に3000人増えることもあった。そんな彼女だけに、自らツイートをする際にも独自の戦略を持っていたという。

「2019年ごろのTwitterは長めの文章を書くのが主流でした。ですが、アイドルをしていた経験から感じていたのは、ライブの感想を発信しても、そこに来てくれた人しか分からない情報だとファン以外のユーザーに拡散されないということ。だから私は内輪の投稿にならないよう、具体的な情報を入れずにツイートしていました。 グラビア画像をアップして、写真にマッチしたひとことだけ、といったように。今ではすっかり普通のことになりましたが、当時、実践している人は少なかったですね」

人が否定する“あざとい”ジャンルはブルーオーシャンだった

 くりえみのキャッチコピー「SNSのフェチ天使」も自ら作り出し発信した。彼氏目線の“距離の近い”画角など、フェチ心をくすぐるような写真を多く投稿するようになったわけだが、なぜ“フェチ”にこだわったのか。

「当時は“フェチ”や“あざとさ”は反発する声が多かったと思います。そのなかで成功したのが、わかりやすい例でいくと田中みな実さん。反発される中でも自分を貫かれた結果、現在は女性の支持を獲得していますよね。つまり、批判されている場所はチャンスなんです。肯定されている場所は逆にレッドオーシャン。“あざとさ”が批判されていた4年前だったからこそ、私はそこへ身を投じました。

 

 私にとってフェチ画像は“上品”であることが大事。ですから女性視点から見て“綺麗”に見えるものを意識しました。日本のグラビアは海外のアート的魅せ方とは違い、ダイレクトに男性視点のエロに寄りがちなものが多い。ですから、女性が“自分も試してみたい”“こうなりたい”と思えるような見せ方には徹底的にこだわりましたね

大手を辞めたら芸能活動できない「それ、誰が決めたん?」

  SNSの今の傾向、アルゴリズム……そのSNSで何が推されているか、変化するトレンドを日々研究しているという。「効率的に頑張ったほうがいい」と話す。たとえば、“インスタ映え”の言葉に代表されるインスタグラムについては、ユーザーが“キラキラ”した雰囲気にユーザーが飽き始めていると感じていて、

「私は逆に“キラキラ”じゃないものもあわせて載せるようにしています。例えば、自宅の部屋に風船をいっぱい飾った写真をアップしたことがあるのですが、実際はひとりで風船を膨らませたり、終わった後はそれを割るなど、背景には地味な作業がある。そこで投稿の1枚目を“キラキラ”に。2枚目に風船を割りまくってぐちゃぐちゃな部屋を見せるなどしていました。

 全体的に見渡しても、今はリアルな生活を発信できる方が愛されるような気がしますね。また、最近のインスタといえば動画コンテンツが推される傾向にあります。ユーザーは興味があるものなのかどうかを3秒で判断するといいますから、最初の3秒間、そしてサムネイルに一番時間をかけて投稿を作っています

 

 わからないことがすぐにスマホや本で調べる。そして、分析し、実践する。日々、試行錯誤する彼女の原動力は一体どこにあるのか。

前の事務所にいた時から、周囲の人たちに『これは無理』『これは出来ない』と言われることが多かったんですよ。例えば『大手の事務所を辞めたらもう芸能活動出来ないよ』とか。でも私、“それ、誰が決めたん?”って思うんですよね。私そんな契約していないし、約束もしてないしって。

 大人たちが言う『無理だ』という決めつけにはずっと疑問を抱いていました。例えば4年前だと、タレントがYouTubeをすることも少なかったと思うんですが、今は誰もが参入する時代になっていますよね。私がインスタを始めたのも4年前なのですが、それについても『もう遅い』と言われ続けてきましたが、今では200万人のフォロワーさんがいる。大人たちの経験から来る考え方では出来ないかもしれないけど、新しい方法だったら“できる”に変わるんじゃないの? と

 

フォロワーは興味を持ってもらうための“名刺”にすぎない

 こうした芸能活動を経て、セカンドビジネスも開始している。医療美容の『HADA LOUNGE』を監修、またブランド『AIMERTE』でシャンプーのプロデュースなどを手がけている。だがここでも彼女は自身を客観視する。

 

「フォロワー数が何十万人と言ってもコアなファン層はその1割以下。実際イベントを行っても、来て下さる人数はせいぜい1万人でしょう。また、私のように水着の写真ばかりアップしているのもビジネスにはマイナスに働きます。だって私も嫌ですもん。たとえ良質なシャンプーを作っている人でもグラビアばかりアップしていると大丈夫か? ってなりますし。

 なので、商品開発や展開をする時は、くりえみという個人から切り離しても価値があるものを目指しています。インフルエンサーだとしても、それにあぐらをかいていてはダメ。フォロワー数は私にとって興味を持ってもらうための“名刺”に過ぎません。ビジネスは“私”抜きで需要があるものないといけない

 

 元々は女優志望だった。原宿の竹下通りを何度も往復してスカウトに声をかけられたのがはじまりだったが、現在は当時思い描いていたものとは全く違う人生になっている。「第三者視点で自分を俯瞰して、才能がないな、と思ったことはすぐに見切りをつけて次にいく」と語る彼女の生き方は、SNSが当たり前になった“これからの世代”にも通用することだろう。

「芸能界に限らず、可能性を秘めた若い子たちに無理だって言い切ってしまうのは、ほんとにまずいなと思います。私なんかは“この人、めっちゃ目が節穴じゃん”と考えられるタイプでしたけど、真に受ける子たちもいるでしょう。

『これはこうだから向いてないんじゃない?』といった意見ならわかるんですよ。そういった指摘と決めつけは違う。私は無理って言われたことも“無理じゃない”に変え続けた。だからこれからもやり続けられると思う。自分がこう行きたいなって方向に

 

  SNS時代の今を象徴する彼女の“これから”に目が離せない。 (文・衣輪晋一)

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