滝沢秀明副社長(2015年)

《滝沢さんは、滝沢さんが作ったグループを推したい気持ちはわかります》

 とあるジャニーズJr.がステージで発した言葉がネット上で拡散され、この発言をめぐるファンの賛否の声が飛び交い、分断させる大騒動が起こっている。

 “事件”が起きたのは、テレビ朝日主催の恒例イベント『SUMMER STATION』の“目玉”として開催されている、ジャニーズJr.によるライブステージでのこと。

 7月24日(24日〜27日は中止)から8月28日まで開催される“サマステ”公演に登場するのは、Jr.グループの『少年忍者』(7月24日〜8月4日)、『7 MEN 侍』(8月6日〜18日)、そして『美 少年』(8月20日〜28日)の3組。

 8月4日にオーラスを迎えた『少年忍者』がファンに挨拶をした際に、笑顔を見せずに鬼気迫る様相で冒頭の言葉を述べたのがメンバーの内村颯太。突然の“叫び”に騒然とする会場内で、ファンは戸惑いと心配の表情を浮かべるしかなかったようだ。

 内村が言及した“滝沢さん”とは、ジャニーズ事務所副社長で、Jr.の育成やプロデュースを手がける子会社・ジャニーズアイランド社長の“タッキー”こと滝沢秀明氏のことを指しているのだろう。

 その滝沢氏を名指しした上で、さらには彼が“作ったグループを推したい気持ちはわかる”とは、どういうことかーー。

 スポーツ紙芸能デスクが声をひそめて代弁する。

「かねてよりタッキーのお気に入りという意味で、ファンの間ではたびたび“タキニ”という言葉が用いられています。この内村くんの言葉を文字通りに汲み取ると、滝沢副社長は“自分が作ったお気に入りグループばかり贔屓している”とでも言いたかったのでは?」

『少年忍者』から引き抜かれたラウール

 2012年に結成、2020年1月に8年越しのデビューを果たすと、あれよとジャニーズを代表する人気グループになりつつある『Snow Man』。滝沢氏によって名付けられた彼らもまた、ファンからは“タキニ”とされているグループだ。

「ジャニー(喜多川)さん政権下ではなかなか日の目を見ることができず、むしろ“クビ”寸前だったとも。ところが、主権を握った滝沢副社長がいち早く取り掛かったのがSnow Manのデビュー計画でした。

 人気Jr.だった向井康二や目黒蓮、そして『少年忍者』からラウールを引き入れ、さらには既に圧倒的人気を誇っていた『SixTONES』と競わせることでSnow Manを人気グループに変貌させた。その“剛腕”ぶりに驚かされたものです」(前出・芸能デスク)

 まるで自身のプロデュース力を誇示するような、ジャニーズを“タッキー色”に染め直していくような滝沢氏。そして2020年に彼が“作った”のが『IMPACTors』(インパクターズ)。滝沢氏の色をより濃く受け継ぐ7人組が、内村には“滝沢さんが推したいグループ”に映ったのだろうか。

「いえ、聞くところによると、内村くんは“タキニ批判”をしたのではなく、“ジャニーさん愛”を主張したかったのだと思います」とは、ジャニーズ事情に詳しい芸能ライター。

 2018年にジャニー喜多川さんによって結成された前身ユニットから、同年8月のサマステにて名称を変更された経緯をもつ『少年忍者』。いわば“ジャニーさんチルドレン”とも言えよう。

「内村くんは問題発言の前に、『少年忍者』を“ジャニーさんが最後に作ったグループ”と強調し、さらに原点であるサマステで“成長した姿を見せられなければ、自分たちの存在価値がなくなる”と話しているんです。その流れで、タッキーが手がける新グループにも負けてたら“一生、上には上がれない”と、あくまでも自分たちを鼓舞するような物言いだったみたいですね」(芸能ライター、以下同)

ジャニーズJr.「定年制度」への不安

 Jr.を束ねる滝沢氏が目をかけるグループに負けないほどにパフォーマンスに磨きをかけて、“デビューさせない手はない”と思わせるほどに結果を出そうと奮闘しているようだ。さらに、

“世間が驚くような新しいこと、個性を出していかなくてはいけない”と、ジャニーさんが築き上げ、先輩らが継いできた“ジャニーズイズムの継承”こそ『少年忍者』が進む道であると、内村くんは涙を流しながら訴えてみせたと。

 まだ19歳で言葉足らずなところもあり、またジャニーさんへの想いが強すぎたために誤解を生むような物言いになってしまった、というのが真実ではないでしょうか」

 では、ファンの間で囁かれる“タキニ”問題は実際に起きているのか。

ジャニーズ内におけるタッキーの発言力と影響力は日に日に増しているとも言いますから、側から見ればコンサート開催やメディア露出、さらに言えばJr.の命運さえも握る存在にも映ってしまうのかもしれません。

 ただ言ってしまうと、ジャニーさんの方がお気に入り傾向は強かった(苦笑)。それに、たとえ推されたグループだとしても、実力が伴っていなければ生き残ることはできませんからね」

 2023年3月31日には、“滝沢改革”の一環であるジャニーズJr.の「定年制度」が適用される。この日までに満22歳を迎えるJr.は、自身の進路をあらためて考えている頃か。

 ジャニーズJr.はデビューの夢を掴むために、常に不安とプレッシャーを感じながら日々の稽古に打ち込み、懸命に努力を続けるしかないのだろう。

 
『少年忍者』内村颯太

 

『マイナビ サマステライブ未来少年』に出演した『少年忍者』(テレビ朝日『SUMMERSTATION』公式HPより)
1998年、当時はジャニーズJr.を牽引していた滝沢秀明

 

Jr.黄金期を築いた滝沢秀明(1998年)