朝から不安定な天気が続く中、筑附高へ続く坂道を早足で上られる悠仁さま(9月1日)

 日本列島に台風11号が接近していた9月1日、秋篠宮家の長男・悠仁さまはいつもどおり朝8時過ぎに筑波大学附属高校へ通学された。

 青と紺のバイカラーの『ナイキ』のウインドブレーカーに、ネイビーの『ノースフェイス』のストレッチパンツ、荷物がパンパンに詰まった黒い『デサント』のリュックを背負った悠仁さまの表情と身体つきは、以前より精悍になられたように感じる。

早くも大学受験の足音が

 9月6日は16歳の誕生日、またひとつ“大人”に近づかれた─。悠仁さまの高校最初の夏休みを、ある皇室担当記者が振り返る。

「7月下旬には、長野県の蓼科高原で行われた2泊3日の学内行事にご参加。登山などを通して、クラスメートとの親睦を深められました。8月上旬には秋篠宮ご夫妻とともに『全国高等学校総合文化祭』へ出席し、同世代の高校生による展示をご覧に。8月下旬には、長野県へのひとり旅や『八ヶ岳』周辺での家族旅行を満喫し、公私共に充実した夏休みを過ごされたようです」

 夏休みの終わりとともに、筑附高はイベントシーズンに突入。9月10日から11日にかけて開かれる『桐陰祭』は、クラス単位の出し物や、文化部の展示、バンドやダンスなどのパフォーマンスなどが繰り広げられる一大行事だ。

「来場者を集めて行われるのは、実に3年ぶり。悠仁さまのクラスは、お化け屋敷を企画しています」(在校生)

 夏休み中にも、出し物の準備のため何度も登校されたという悠仁さま。本番を待ち遠しく思っておられるだろう。

「10月にはクラス対抗で臨むスポーツ大会もあります。バレーボールやサッカーなどから出場種目を選ぶのですが、当日へ向けて、始業前や放課後にもチームメンバーと猛練習をします」(同・在校生)

 盛りだくさんの行事をこなされる一方、大学受験の足音も聞こえてくるように……。

「一般的な高校生が進路について考え、受験に向けた計画を立て始めるのは高校2年生の夏ごろだと思います。ただ、志望する大学や学部によって対策が異なるため、1年生のうちから準備を始める人もいます」(東京・日本橋にある個別指導塾『三井塾』の三井慎太郎塾長)

 現役の東大合格者を毎年25人前後、輩出している筑附高では、早くから受験勉強に取り組む人も少なくない。

「都内でも有数の進学校である筑附高に悠仁さまが入学された背景には、“東大へ進学させたい”という紀子さまのご意向があるのではないかと、かねて噂されてきました」(皇室ジャーナリスト)

悠仁さまのお考えを尊重する方針

 しきりに取り沙汰されているのが、'16年度から東大が導入した『学校推薦型選抜』─いわゆる推薦入試だ。

「学校の成績だけでなく、面接や課外活動での活躍などを踏まえて総合的に人物を評価する制度で、学力重視のペーパーテストではありません。各校、男女合わせて4人まで推薦できます。筑附高は、この入試でコンスタントに合格者を出していますね」(受験情報誌ライター)

 悠仁さまは、筑波大附属とお茶の水女子大附属の間で結ばれた『提携校進学制度』を利用して筑附高へ進学された。

「トンボの観察や野菜の栽培などへの関心がお強いという、持ち前の研究者肌を活かして、悠仁さまが“特別ルート”で東大に入学する線もあるのでは、と囁かれているのです」(前出・皇室ジャーナリスト)

 東大推薦入試について、前出の三井塾長に聞いた。

「近年は多くの大学で推薦入試の合格枠が増えましたが、東大の推薦入試は別格。一般受験でも十分に合格できる学力に加え、数学オリンピックや『科学の甲子園』での実績などプラスアルファが求められます。志望者が募集人数を上回っても“定員割れ”するケースすらある」

7月31日、秋篠宮ご夫妻と悠仁さまは『全国高等学校総合文化祭』のパレードをご覧に

 象徴天皇制に詳しい名古屋大学大学院の河西秀哉准教授は、このように話す。

「大前提として、悠仁さまの進みたい大学や学びたい分野は尊重されるべきです。とはいえ、仮に将来の天皇が“日本のトップ”である東大に進学されれば、学歴社会を追認されることにもなりかねません。進学の理由と経緯を、国民が納得できる形で丁寧に説明する必要があるでしょう」

 東大入学に暗雲が立ち込める中、ある宮内庁関係者はこう一蹴する。

「そもそも紀子さまに“東大へのこだわり”はなく、あくまでも悠仁さまのお考えを尊重される方針だと思います」

 確かに、長女の眞子さんや次女の佳子さまは、『国際基督教大学(ICU)』を卒業され、悠仁さまは幼稚園から高校まで学習院以外で学ばれている。

「国民に近しい皇室を重視する象徴天皇制において、皇族方の学習環境が多様化していくのは自然なことです。“皇族のための学校”と言われてきた学習院以外の大学に通えば、さまざまな背景を持つ人と出会い、異なる価値観に触れる機会も増えるのではないでしょうか」(河西准教授)

初代総長は「昆虫学者」

 皇族方のご進学によって与える社会的な影響は大きい。

「筑附高のように、初めて皇族を迎える学校であれば、受け入れ側の警備体制を整えたり、在校生や保護者の理解を得たりする必要があります」(河西准教授)

 悠仁さまのご入学前、筑附高の外壁には不審者の侵入を防ぐ『忍び返し』と有刺鉄線が設置されたほか、24時間体制の警備員も配置された。

「保護者に対しても、入校時に身分証明書の提示が求められるようになりました。アットホームな雰囲気が魅力だった筑附高の在校生や保護者の間では、最近の窮屈さを口にする人も少なからずいます」(前出・在校生)

 そんな状況の中、悠仁さまは……。

「ICUに進学するのが無難、というお気持ちが強まっているようにお見受けします。警備面の心配がなく、周囲からの理解も得やすいのは大きなメリット。何より、今も同じ屋根の下で暮らされる佳子さまの影響は大きいでしょう」(前出・宮内庁関係者)

 佳子さまは、1度は学習院大学に入学されたが、2年生の夏に中途退学。その翌年からICUで4年間学ばれた。

佳子さまは大学卒業時、「充実した学生生活を送ることができ、感謝」とコメント('19年3月)

「グローバル色が強く、皇族が特別扱いされにくいという、眞子さんのキャンパスライフを聞くたびに、佳子さまは憧れを募らせておられたとか。その魅力は当然、悠仁さまにも伝えていらっしゃると思います」(同・前)

 充実した英語教育のほか、人文科学や社会科学などを幅広く学ぶことのできるリベラルアーツ教育を実施しているのがICUの特徴だ。さらに、

「初代総長の湯浅八郎氏は、実は昆虫学者。東京郊外の三鷹市に位置するキャンパスには、たくさんの昆虫や鳥類がすんでいるのも、悠仁さまにピッタリかもしれませんね」(ICU卒業生)

“未来の天皇”の目の前には無限の可能性が広がっている。


三井慎太郎 東京・日本橋にある『三井塾』塾長。大手集団塾講師、個別指導塾講師を経て2012年に独立。幼児から高校生まで指導している

河西秀哉 名古屋大学大学院人文学研究科准教授。象徴天皇制を専門とし、『近代天皇制から象徴天皇制へ―「象徴」への道程』など著書多数