香川照之

 最初の報道から3週間近くが経ち、ようやく沈静化した感のある香川照之の『銀座ホステス性加害騒動』。ネット上でも関連ニュースが少なくなってきた。しかし、非難の嵐が去っていないところがまだある。香川が出演する『六本木クラス』を現在も放送しているテレビ朝日とその系列局だ。

 情報番組『THE TIME,』(TBS系)の司会を降板、出演・解説を務めていた『香川照之の昆虫すごいぜ!』(NHK Eテレ)は放送中止。トヨタをはじめとしたCMも続々と降板が決まるなか、現在放送中で香川が出演しているドラマ『六本木クラス』に関しては、同局がそう簡単に香川を降板させることができない事情があった。

ドラマは残りわずかです。あの時点ではもう代役を立てて撮影しなおすことなんて絶対に無理。香川さんは作中最大の敵役という重要な役なので出演シーンをカットすることもできませんし、他の出演者のこともありますから、放送打ち切りにもできません。静かに嵐が過ぎ去るのを待つしかなかったのですが……」(テレビ朝日関係者)

東出昌大の不倫でも被害を被ったテレ朝は

 放送継続の姿勢を崩していない『六本木クラス』には視聴者から非難の声が上がっており、前出のテレ朝関係者いわく、「問い合わせが相次いでいる」ようだ。

『六本木クラス』の出演者たち

 そして、その余波は系列テレビ局にも及んでいるという。

テレ朝の系列局の中には、独自に情報番組を放送している局が割と多く、番組では芸能のコーナーが一番数字が取れるのでどの番組もそこに力を入れていました。しかし、系列局の番組である『六本木クラス』に出演している香川さんのスキャンダルはなかなか扱うわけにはいかない。テレ朝側から特に何かを言われたわけではないですが……。テレ朝で放送されているドラマの“番宣映像”を流すときは、香川さんが映っていないシーンばかりで不自然なことになっていますね」(テレビ朝日系列局情報番組プロデューサー)

 出演者の不祥事で降板や打ち切りを求められたドラマといえば、思い出されるのが、2020年1月クールに放送された東出昌大主演の『ケイジとケンジ~所轄と検事の24時~』。奇しくも同じテレビ朝日系で放送されていたドラマだったが、第1話放送後に東出の不倫騒動が勃発。3か月間、針のムシロ状態になってしまうのだから、これにはテレビ朝日、および系列局も頭を抱えてしまったのは言うまでもない。

「東出さんのときはドラマがスタートした直後でしたが、東出さんは主演でしたし、代役を探す時間もなく、即降板は難しい状況でした。空いた時間を埋める番組も用意されていないのですから、打ち切りもできない。結局放送を続けましたね」(同・系列局プロデューサー)

スポンサーが撤退できないウラ事情

 当時、東出が出演していたドラマは1話ごとの後半は『ACジャパン』のCMが流れるようになった。その理由はなぜか。それはスポンサーにも非難の矛先が向けられるからだ。出演者が不祥事を起こすと、ドラマのスポンサーをしている企業に直接クレームを入れる人が多くなるのだ。大手広告代理店の社員によれば、「なかなか撤退しずらい」裏事情があるのだという。

各局のドラマには高視聴率を獲る枠があり、たとえばTBSの日曜9時から放送される『日曜劇場』の枠などは、固定のメインスポンサーが名を連ねている場合が多い。『六本木クラス』も『ドクターX』などが放送された人気枠です。出演者に不祥事が起きたからといってスポンサーを撤退してしまうと、その空いた枠にほかの有名企業がすぐに入ってしまう。ゆえに簡単に抜けられないといった事情があるんです

 しかし、高視聴率を叩き出す枠は手放したくない。そういった事情からとられる策が『AC』のCMなのだという。

スポンサー企業としては『CM枠はキープしておきたい』ですが、『不祥事タレントが出演している番組に自社のCMは流したくない』という思いがある。ということで、スポンサーフィー、つまり広告費を返してもらうことはないですが、自社のCMを自粛して『AC』の広告が入れるようにするんです。『六本木クラス』の放送は残り僅かですからそうなることはないと思いますが、CMが『AC』になったら、スポンサーにも相当非難の声が寄せられていると考えていいと思います」(同・大手広告代理店社員)

 過去の事であり、すでに解決しているというが、これだけ多くの人を巻き込むことになってしまった香川の“狼藉”。決して許されるものではない。

 

2010年4月、元CA妻と息子・市川團子の小学校入学式に出席した香川照之

 

2010年4月、元CA妻と息子・市川團子の小学校入学式に出席した香川照之

 

TBS系ドラマ『小さな巨人』の打ち上げ会場前で迷う香川照之(2017年6月)

 

'11年9月、襲名会見で歌舞伎への思いを語った中車こと香川、長男の團子、父の猿翁