連続テレビ小説『舞いあがれ!』主人公の岩倉舞(福原遥)(NHK朝ドラ『舞いあがれ!』より)

 連続テレビ小説『舞いあがれ!』(NHK総合月~土曜午前8時~)がスタート。人の気持ちや考えていることに敏感で自分を抑えていたヒロインが空を飛ぶことに憧れて成長していく姿を描くオリジナル作だ。

ドラマの見どころをプロデューサーが解説!

 107作目の朝ドラがどんな新風を吹かせるのか。見どころの推しポイントを制作統括の熊野律時チーフ・プロデューサーに直撃!

☆推しポイント〈1〉企画のきっかけはコロナ禍

2年前に脚本の桑原亮子さんと企画を進めるなかで、コロナ禍に前向きで希望のあるメッセージを届けたいと思ったのがきっかけです。

 ヒロインの岩倉舞は、自分の気持ちを主張できずに真ん中に立つ人ではない。そういう生きづらさを抱えている人にも目を向けながら、ゆるやかに人をつなげて一歩一歩進んでいく。

 いろんな人がいろいろな事情や気持ちを抱えている現代に、幸せになるためにどうしたらいいのか。日々つらいことや大変なことが起きている逆風を受け止めて力に変えていく生き方を、空を見あげて進んでいくヒロインの姿を通して伝えたいと思いました」(熊野CP、以下同)

舞の成長とともに気になる恋模様にも注目(NHK朝ドラ『舞いあがれ!』より)

☆推しポイント〈2〉ほっこり柔らかなヒロイン像

舞は先頭を切っていくタイプではなくて、周りにいる人を感じながら幸せになることを一緒に見つけて、難局をどう乗り越えていくか一緒に考えていくヒロイン。福原さんご自身がそういうタイプで共演者とも柔らかく打ち解けてリスペクトし、ドラマを一緒に楽しく作っていきましょうという温かさを常に持って現場に入ってくれています。

 そういう空気感はキャスト、スタッフにも伝わり、福原さんが醸し出す日だまりにみんなが集まってきて、ニコニコお茶を飲んでいる雰囲気。気づくと本番になっているような撮影現場で、それは映像にも出ていて、目指すヒロイン像を体現してくれていると思います」

☆推しポイント〈3〉舞の成長とともに気なる恋模様

舞の幼なじみの梅津貴司(赤楚衛二)(NHK朝ドラ『舞いあがれ!』より)

 幼なじみの貴司(赤楚衛二)、大学の人力飛行機サークルの先輩・刈谷(高杉真宙)、航空学校で出会う柏木(目黒蓮)らは舞と恋愛関係になっていくのか気になるところだ。

舞とのかかわり方は三者三様。夢に向かっていく舞にとってかけがえのない存在であり、大切な仲間です。恋があるかどうかは、みなさんのご想像にお任せして楽しみにしていただければと思います

心地よい長崎の五島ことばにも注目!

☆推しポイント〈4〉ものづくりの街とばらもん凧

「飛行機はものすごい数多くの部品でできていて、たくさんの技術の結晶であるというイメージからヒロインが暮らす場所をものづくりの街の東大阪にしました。ドラマの大切な要素のひとつが五島列島の“ばらもん凧”です。子どもの健やかな成長を願ってあげる凧があることを知りドラマのテーマと一致すると思いました。

 凧は向かい風を受けないとあがらない。そしてひとりで頑張ってあげるのではなく、いろんな人の手助けによって空高くあがっていく。引っ込み思案の舞が変わるきっかけの象徴で、成長を見守るシンボルとして登場します

ドラマの大切な要素のひとつが五島列島の“ばらもん凧”(NHK朝ドラ『舞いあがれ!』より)

☆推しポイント〈5〉脚本家3人体制で精度の高い内容に

 メインとなる桑原亮子のほかに嶋田うれ葉、佃良太の3人が脚本を担当する。

五島列島の雄大な自然を丁寧に描き出す(NHK朝ドラ『舞いあがれ!』より)

「今回は人力飛行機や航空学校など朝ドラではこれまで扱っていないような専門的なジャンルを描いています。そこを理解してドラマとして作り込むためにはチームとして取り組んだほうがより豊かで精度の高い物語にしていけるという判断です。

 基本的なコンセプトを手がけた桑原さんを中心に物語の核心を共有して手分けして担当しています。朝ドラで複数人の脚本家が担当するのは決して珍しいことではないです」

☆推しポイント〈6〉“あっぱよー”五島ことばにも注目

 長崎県出身で子どものころに五島列島で育った長濱ねるが、祥子(高畑淳子)が作るジャムを販売している土産物店の店員、山中さくら役で出演する。

長崎県出身の長濱ねるが収録現場で五島ことばを教授することもあったという(NHK朝ドラ『舞いあがれ!』より)

「長濱さんは五島列島の方が持っているおおらかさをストレートにお芝居に反映してくれています。さくらはおもしろいキャラクターでドラマのいい味つけにもなっています」と熊野CP。収録現場では長濱が五島ことばを教授することも。

 驚いたり、喜んだりするときの“あっぱよー”“ばえー”のほか、祥子がよく口にする“およ”(そうだの意味)など心地いい響きの五島ことばにも注目!

登場人物と主人公は今後どう絡んでいく……?

☆推しポイント〈7〉幼少期の舞役は219人から選出

 オーディションで選ばれた舞の幼少期を演じる浅田芭路(9)は、映画『約束のネバーランド』や多くのCMにも出演している。

主人公の幼少期を演じる浅田芭路(NHK朝ドラ『舞いあがれ!』より)

「幼少期の舞は元気で明るいだけの女の子ではなく、人の気持ちに敏感なために自分を抑えて行動できない。だけど五島列島での生活や人々によって変わっていきます。うまくいかない不安を抱える陰のある部分とチャーミングさの両方を演じられる方が浅田さんでした」

登場人物をおさらい

連続テレビ小説『舞いあがれ!』の人物相関図(写真はNHK朝ドラ『舞いあがれ!』より)

■岩倉 舞(福原遥)

 東大阪の町工場に生まれ育つ。引っ込み思案で繊細。たびたび熱を出してしまう。祖母の住む五島列島での生活がきっかけで変わっていく。空に憧れ大学で人力飛行機作りに熱中する

■岩倉 浩太(高橋克典)

 舞の父親。東大阪でネジ工場を経営する二代目社長。まじめでやさしい。飛行機好きで舞とは同志のような間柄

■岩倉 めぐみ(永作博美)

 舞の母親。五島列島出身。大学時代に浩太と出会い駆け落ち同然で結婚し祥子とわだかまりも。働き者で愛情深い

■才津 祥子(高畑淳子)

 舞の祖母、めぐみの母親。五島列島に住む。漁師の夫亡きあと女手ひとつでめぐみを育てた。舞に影響を与えるよき理解者

■岩倉 悠人(横山 裕/関ジャニ∞)

 舞の3歳上の兄。優秀だがプライドが高く野心家。両親にはクールな態度だが妹の舞にはやさしさをみせる

■梅津 貴司(赤楚衛二)

 岩倉家の隣にあるお好み焼き屋「うめづ」の息子で、舞の幼なじみ。気がやさしい文学青年。舞の心のオアシスのような存在に

■柏木 弘明(目黒 蓮/Snow Man)

 航空一家で育ったエリート。完璧を目指す努力家でプライドが高く弱みを見せない。航空学校で舞と出会い次第に変化していく

■刈谷 博文(高杉真宙)

 舞の大学の先輩。浪速大学3回生で人力飛行機サークル「なにわバードマン」で設計を担当する。“なにわの天才”と呼ばれている

■望月 久留美(山下美月/乃木坂46)

 舞の同級生。幼いころに両親が離婚して父子家庭で育つ。しっかり者で堅実な看護師の道を目指す

連続テレビ小説『舞いあがれ!』(NHK総合 月曜〜土曜)朝8時〜ほかにて放送中
※土曜は1週間の振り返り
 

 

連続テレビ小説『舞いあがれ!』の人物相関図(写真はNHK朝ドラ『舞いあがれ!』より)

 

主人公の岩倉舞(福原遥)(NHK朝ドラ『舞いあがれ!』より)

 

舞の父親の岩倉浩太(高橋克典)(NHK朝ドラ『舞いあがれ!』より)

 

舞の母親の岩倉めぐみ(永作博美)(NHK朝ドラ『舞いあがれ!』より)

 

舞の3歳上の兄、岩倉悠人(横山裕/関ジャニ∞)(NHK朝ドラ『舞いあがれ!』より)