黒島結菜

 NHK朝ドラ『ちむどんどん』が、9月末で半年間にわたる放送を終えた。主演の黒島結菜は、見事“完走”したのだが……。

「ドラマは沖縄出身の女性と、その家族の物語。4人きょうだいの次女である主人公は、沖縄返還後に上京し、料理人を目指します。タイトルの『ちむどんどん』は“胸がドキドキする”という沖縄の方言ですが、視聴者は“胸がモヤモヤ”しっぱなしだったようですね」(スポーツ紙記者)

視聴者からの“リアル批判”

 ツイッターでは放送開始からほどなくして《#ちむどんどん反省会》というハッシュタグが毎日のようにトレンド入り。その日の放送を見て、違和感のあった物語の展開や設定を批判する声が相次いだ。

 最後までドラマを見届けたという30代の女性は、

「もう、本当にイライラして……。特に黒島さん演じる主人公と宮沢氷魚さん演じる男性の結婚です。何の前触れもなく、急にふたりは惹かれ合う。さらには氷魚さん演じる男性は、長年交際していた婚約者の女性をフッて、黒島さんに乗り換えるんです。突然始まった略奪愛に、まったく感情移入ができなくて……」

 また、『ちむどんどん』は本土復帰してから50年の節目を迎える沖縄が舞台の物語ということだったが、

「本土復帰する前の沖縄県民は“外国人”として扱われ、さまざまな差別を受けていた。なのに、ドラマでは、その苦悩はまったく描かれない。物語の都合もあるから、仕方ないのかもしれませんが、どうしても納得いかない部分もあって……」(沖縄のテレビ局員)

 新聞記者役の氷魚が、戦没者の遺骨収集を続ける沖縄の老人に取材をするシーンでは、

「老人はかつて米軍が侵攻するさなか、親とはぐれた少女と出会った話をします。その少女の手をとり一緒に逃げるが、米軍の艦砲射撃がすさまじく、気づけば手を離してしまったことをずっと後悔している、と。

 その後、氷魚さんは海辺で黒島さんの手を握り“この手を絶対に離したくない”とプロポーズ。沖縄戦の悲惨さを伝える話に、なぜ恋愛を結びつけるのか理解に苦しみます」(同・テレビ局員)

朝ドラが始まる前に内定していた連ドラ

 沖縄戦による同県民の死者は12万人にのぼり、多くの尊い命が奪われた。中途半端な描き方に、不満が噴出するのは当然だ。そのモヤモヤは、主演の黒島にも向く。

「黒島さん演じる主人公の自分勝手さが、すごく目につきました。妊娠が判明し、心配して“料理店のオープンを延期しなさい”と話す恩人の助言を聞き入れないし、病弱な妹を自分の都合で朝まで働かせる。危篤状態の妹を病院に置いたまま海辺で“おとうちゃ~ん”と叫ぶ行動も理解できない。そういう役だとはわかっているつもりでしたが……」(50代の主婦)

 知名度は向上したが、予想外の評価も染みついた。その黒島は10月からTBS系ドラマ『クロサギ』に出演。同作は'06年に山下智久主演で放送された。平均視聴率は約15%という人気ドラマだ。

「朝ドラ主演後に、休まず連ドラに出るのは異例のこと。ただ、『クロサギ』への出演は、朝ドラがスタートした4月より前には内定していました」(芸能ライター)

10月21日にスタートする『クロサギ』(公式HPより)

 なぜ、出演を決めたのか。

「ステップアップのためだと思います。主演はキンプリの平野紫耀さんですから、話題作になることは間違いない。ただ、今は朝ドラでついた“マイナスイメージ”を、少しでも早く払拭したいと思っているかも。演じる役柄も朝ドラとはまったく違いますから、事務所はオファーを受けてよかったと胸を撫でおろしているんじゃないかな(笑)」

 次こそは視聴者を“ちむどんどん”させられるか!?

 

『花のち晴れ』撮影の合間に監督と一緒にモニターをのぞく平野紫耀

 

引き取った可愛らしい2匹の愛犬と戯れている黒島結菜(本人インスタグラムより)

 

この日は、作中のC5の制服ジャケットを着て撮影に臨んでいた(2018年『花のち晴れ』)

 

杏の自宅で料理をしたあと、庭でくつろぐ黒島結菜(本人YouTubeより)