木村拓哉

 11月5日、6日に岐阜市で開催される『ぎふ信長まつり』が、注目を集めている。

「昭和28年から開催されている祭りです。金華山の山頂に立つ岐阜城を拠点に、天下統一を目指した織田信長役の男性が先頭に立ち、岐阜市内の街を練り歩く騎馬武者行列が目玉の1つ。信長役はおおむね一般公募されてきましたが、今年はあの木村拓哉さんが務めることになったんですよ」(スポーツ紙記者)

 来年1月公開の主演映画『THE LEGEND & BUTTERFLY』で、信長役を演じたことが縁で参加が決まったそうだが、木村自身が熱望したものだという。

映画で共演した伊藤英明さんは岐阜出身で、過去に信長役で祭りに参加したことがあるんです。撮影中に木村さんに祭りの話をしたところ、“信長役を演じさせていただいたし、自分も参加してみたい”と、映画会社を通じて参加を打診。晴れて参加できることになりました」(映画配給会社関係者)

 木村は事務所を通じて、

《信長が天下統一を志した地で伝統的なお祭りに参加させていただくことを心より光栄に思っています》

 とコメントを寄せるなど、映画のPRにとどまらない熱さが伝わってくる。

 9月28日に木村の参加が発表されると、祭りの事務局には連日問い合わせが殺到することに。例年は騎馬武者行列を見るための観覧エリアを設けていないが、今年は混乱を避けるために事前抽選で選ばれた1万5000人程度のみが観覧できるという。

事務所から撮影NGのお達しはナシ

「現在の段階では応募総数はわかっていませんが、多くの問い合わせをいただいています」(『ぎふ信長まつり』事務局担当者)

 観覧人数こそ制限されるが、

木村拓哉らが参加する騎馬武者行列は、信長像が立つ岐阜駅前から延びる金華橋通りで行われる

撮影に関しては例年どおり、特に制限はしていません。俳優の所属事務所からも、撮影に関してNGとは言われておりません」(同・担当者)

 トップ俳優の木村を撮影できる“神イベント”だけに、観覧を申し込むサイトはアクセスの集中からか、一時つながりにくい状況に。今までにないサービスを木村が行う背景には、あのドラマが少なからず影響しているようだ。

4月期にテレ朝系で放送された『未来への10カウント』が、平均視聴率10・9%で終わり、“視聴率男”の木村さんにとっては満足できる結果ではなかった。今回の映画は『るろうに剣心』シリーズの大友啓史監督、『コンフィデンスマンJP』シリーズの古沢良太さんが脚本を担当するなど、ヒットメーカーをそろえた意欲作です。東映70周年記念作品でもあるので、“絶対にコケられない”と、いつも以上に気合が入っています」(芸能プロ関係者)

 1998年にTBS系で放送されたスペシャルドラマ『織田信長 天下を取ったバカ』以来、2度目となる織田信長役だが、時代劇研究家として知られるコラムニストのペリー荻野さんは、当時の木村の信長役をこう絶賛する。

「25歳の木村拓哉さんがリアルなワイルドさで、若い時代の破天荒な信長を演じきっていました。脚本を担当した井上由美子さんは、『GOOD LUCK!!』『BG~身辺警護人~』でも木村さんと後にタッグを組んでドラマをヒットさせているだけあり、木村さんをよく分析し、魅力を引き出すのがうまかったですね」

直前で撮影禁止を言い出した栗山千明

和傘に加え日傘をさして移動車に乗る栗山千明の周りには、撮影自粛を呼びかけるスタッフが

 愛知出身で信長を身近に感じているというペリーさんは、木村の『ぎふ信長まつり』参加の意義について、

歴史を知らない子どもたちに、地元にこんなヒーローがいたというのを知ってもらう意味で、有名人が祭りに参加することはとても意味があります。作品のプロモーションに非協力的な俳優もいる中、こうしたイベントにまで参加するのは、作品や演じたキャラクターを愛していなければできません。自ら名乗り出たということからも、作品への熱い思いが伝わってきますね。すでにこれだけ話題になっているということは、作品のPRとしても大成功でしょう」

 一方で、こんな不安も。

「今年6月に石川県で行われた『金沢百万石まつり』の百万石行列に栗山千明さんが参加したのですが、例年は撮影OKだったにもかかわらず直前で撮影禁止がアナウンスされたんです。また“SNSで画像がアップされた場合、24時間以内に削除要請をする。削除されなかった場合、1件につき100万円を要求する”と運営側に提示したと報じられ、大炎上しました。木村さんの所属事務所や祭りの運営サイドが、木村さんを気遣うあまり直前で撮影禁止などむちゃな要請を行わなければいいのですが……」(前出・スポーツ紙記者)

 映画のヒットという“天下統一”につながるか。

ペリー荻野 時代劇研究家、コラムニスト、ラジオパーソナリティー、放送作家。愛知教育大学在学中に中部日本放送でラジオパーソナリティー兼放送作家として活動を開始
 
和傘に加え日傘をさして移動車に乗る栗山千明の周りには、撮影自粛を呼びかけるスタッフが

 

和傘に加え日傘をさして移動車に乗る栗山千明の周りには、撮影自粛を呼びかけるスタッフが
和傘に加え日傘をさして移動車に乗る栗山千明の周りには、撮影自粛を呼びかけるスタッフが

 

イベントに登壇する竹中直人と栗山千明