橋本環奈

 10月10日、今年の『NHK紅白歌合戦』の司会者に橋本環奈が抜擢されたことが波紋を呼んでいる。当の本人も司会決定の報を受けてにツイッターで 《もしかしたら夢なのかな?ってまだ思ってます。お話を伺った時にまず、え?司会?私が?そもそも何で私なんだろう。と耳を疑いました》 と綴っている。

 どういう経緯で彼女が選ばれたのか、意外な人選に何か裏があるのではないかと勘繰る業界関係者は多く、マスコミは彼女が選ばれた理由をそれこそ“血眼”になって探していた。

NHKとの縁は深くないが…

 NHKの関係者はこう語る。

「どこのテレビ局も同じだと思いますが、部署が違えば、よその部署の内部事情は伝わりにくいものです。NHKは民放に比べてそれが顕著で、特に『紅白』に関しては厳しく箝口令が敷かれていて情報が外に漏れることは全くと言っていいほどありません。司会に関しても発表の2、3か月くらい前には決まっているようで、オファーを受けた人は、一切口外してはいけない。

 知人、友人はもちろん家族、親兄弟、親戚にもです。以前、上沼恵美子さんが司会をされたとき、決まったことを夫にも、子どもにも言えずとても苦しかったと言っていました。選ばれた理由に関して何か情報が洩れてくるなんてことは絶対ないでしょうね

 ここ10年以上で紅組の司会(現在は紅組・白組の垣根は取り払われているが)は、NHKのドラマ、特に大河ドラマや朝ドラに出演していた俳優が選ばれることが多かった。直近でいえば、広瀬すず、有村架純、二階堂ふみ、川口春奈らだ。ところが、橋本はドラマどころかNHKの番組に出演した回数は数えるほどしかなく、NHKへの貢献度が高い、あるいは縁が深いとは思えない。

 朝ドラ『ちむどんどん』の評判が芳しくなかったことから、ヒロインの黒島結菜が選ばれなかったという説もあるが、それならば朝ドラ出演者でなくとも大河ドラマ『鎌倉殿の13人』から、新垣結衣や小池栄子が選ばれてもいいはずだ。4月まで放送されていた朝ドラ『カムカムエブリィバディ』のヒロイン・川栄李奈も候補になっていいはず。

基本的に老若男女すべての層に見られてかつ、キャリアに“箔がつく”『紅白』の司会を断る事務所はまずありません。なので今年はドラマ女優ではなく、橋本環奈さんひとりを“狙い撃ち”したことになりますね」(芸能プロ関係者)

橋本環奈がもつポテンシャル

 NHKのホームページを見ると、橋本のプロフィールが出ているが、そこには興味深い記述がある。

《俳優業だけでなくバラエティー・情報番組でも活躍中。Twitterフォロワー数は、現在426.6万人(10/9現在)。NHK紅白歌合戦で司会を務めるのは、初めてとなる》

 驚くべき、いや恐るべき数字だ。NHKがこの数字を載せたのは多分にSNS世代を意識しているからだろうし、あえて記載したこの数字が司会を選ぶ上で大きな指標となったとみていいだろう。

 それだけではない。橋本の持つポテンシャルはもっと高いというのは民放でバラエティー番組を制作しているプロデューサー。

「実は彼女は若者だけでなく、中高年も人気があるというデータが出ているんです。年配のテレビ局員もみんな彼女のことを好きですね。まさに老若男女に愛されています。今年の紅白は原点回帰で、歌番組というよりは、かつての大晦日の国民的行事として捉えられていた番組に戻すのではないかと言われています。

 ですから演歌の比重が増えるようですし、さらに今年は“花の82年組”と言われたアイドル達の40周年になりますので、小泉今日子さんや早見優さんなど当時のアイドルたちが出場する可能性も大です。そうなれば往年のファンは大喜びでしょう。橋本さんには若年層の視聴者を掴んでもらいたいはず」(スポーツ紙記者)

 出場者の発表前に司会者だけでもこれだけ大騒ぎになったのだから、“番宣”は大成功ではないか。

 大晦日が待ち遠しくなった人が増えたことだろう。
 

<芸能ジャーナリスト・佐々木博之> ◎元フライデー記者。現在も週刊誌等で取材活動を続けており、テレビ・ラジオ番組などでコメンテーターとしても活躍中。

 

打ち上げに参加した橋本環奈

 

アイドルグループ『Rev.fromDVL』に所属していた橋本環奈(2014年6月)

 

アイドルグループ『Rev.fromDVL』に所属していた橋本環奈(2014年6月)

 

アイドルグループ『Rev.fromDVL』に所属していた橋本環奈(2014年6月)