北川景子と浜辺美波

 北川景子と浜辺美波……、もう十数年日本のトップを走る美人女優と、若手代表の美人女優。

 そんな二人の対談動画が10月中旬、ツイッターで波紋を広げている。約2年前に撮られたものにも関わらず。

 きっかけは美容・整形、女性タレントなどについてつぶやいているあるアカウントが不意に北川と浜辺の対談動画を引用して「北川景子様ずっと綺麗で可愛い。いくつになってもなりたい顔。」とツイートしたことだ。

 対談は二人が共演した映画『約束のネバーランド』の宣伝用で、2020年12月8日にフジテレビ系『めざましテレビ』で流されたものと見られる。

 この動画が思わぬさざなみを広げてしまった。以下twitterの声を要約。

《浜辺美波は言葉選びがおかしい。皮肉で北川景子を貶しているみたい。それに比べて北川景子は謙虚で大人の対応》

《浜辺美波のお世辞が強すぎて人を見下しているみたい》

《浜辺美波の発言には含みがあってイラつく》

 要するに対談中の浜辺美波の言動が“dis”られているわけだが、何が問題だったのだろうか。対談を文字起こししてみる。

(司会)(◯×札を使ってのYesNo質問で)お二人でもこの人の顔になりたいという人がいる?

 北川は×、浜辺は◯を出す。

(浜辺)かっこいい。かっこいいですよ!×はかっこいい。

(司会)いやだって(なりたい顔)1位ですもん。

問題となった2020年12月8日の対談動画の画像(twitterより)

(浜辺)そりゃそうですよ、上なんていないですよ。本当に。

 否定するように手を振る北川。

(浜辺)純粋にパッと考えて。(上を指差しながら)「だっていなくない?」

(北川)でも若い頃はありました。鼻がもうちょっと大きくなくてちっちゃくて、かわいかったらいいなとか、ナタリー・ポートマンみたいになりたいって本当にずっと言ってましたもん本気で。だんだんこの仕事が長くなってくると、この顔でみなさんに覚えていただいているっていうこともあるし、いろいろ個性的な部分も含めて自分の顔でいいかなみたいな境地に30歳ぐらいからなってきてそこからは人と比べてどうのというのがなくなりました。

(司会)浜辺さんはどなたの顔になりたいんですか。

(浜辺)私は北川さんとか。「明日からなっていいですよ」って言われたら「え!?いいんですか?」って。

(北川)表に出るまでに1時間以上かかるよ?いっぱいやって出てくることになるけど大丈夫?

(浜辺)(小さい声で)「ならないですって」「お化粧が似合う顔かと」

(北川)「どんどん足せる顔かも。便利かもそういう意味では」

(浜辺)「今すぐにでもそういう技術があるなら、なります!」「なります!全然なりたいです!」

(現場、スタジオも笑い)

あの北川景子も「メイクに時間がかかる」というが……

 確かに北川景子の言葉に対して若干オーバーリアクション気味であったり、褒め称える言葉が大げさで“嫌味”っぽく聞こえなくもないが、悪意のかけらもなくこのようなリアクションをする人は多く問題はないのではとも思える。要は受け取り様ということか。

 また、下記のような感想も見られた。

《「×はかっこいい」「そりゃそうですよ!上なんていないですよ」の言い方に悪意がある。メイクに時間かかるよを真に受けすぎ。》

《「表に出るまでに1時間以上かかるよ」という北川景子が謙遜に化粧映えしそうというのは失礼。顔が薄いということか。》

《「今すぐメイク技術もあるなら明日からでもなりたい顔です」ってどういう顔のこと?》


北川景子が参加してきた豪華すぎる「セーラームーン同窓会」の一枚(2022年9月、女優小松彩夏のインスタグラムより)

 こちらは北川が選んだ「この顔良さそうに見えるけど化粧が必要よ」という美人が時折とる謙遜のフォーマットについて乗っかりすぎ、あるいは化粧映えを褒めるのは真の美形褒めにあらず、ということか。
 
 しかし、当然浜辺については批判ばかりでなく下記のような擁護の声も多数寄せられていた。

《先輩女性が自虐したら後輩はそれを否定するしかない。かわいそう》

《浜辺さんは北川さんへの尊敬の念を言い表したかっただけなのに、空回りしちゃって批判されてるのが辛い》

《北川さんのお顔になれる技術があるなら今すぐにでもなりたいってめちゃめちゃ褒め言葉。お化粧似合う顔はお綺麗って意味だったはず。》

《浜辺美波ちゃん、コミュ症というかド陰キャだったから、北川景子さんが自虐された時の対応に困ったんだろうな。》

 そうなのだ。最初になりたい顔はいないとしておきながら、後から化粧が大変とぼやく“変幻自在”な北川の言葉に合わせて浜辺は両方に合わせた精一杯の褒め言葉を述べているにすぎないのだ(北川も裏表なく思ったことを語っているにすぎないのだが)。このシフトチェンジに対応するのはある意味ツワモノの営業マンでも難しい技術であろう。

 またただでさえ、浜辺はトーク番組では「極度の人見知り」「コミュ障」「友達の作り方がわからない」と自己紹介しているくらいの人物。

 そもそも超絶美人2人を捕まえて「なりたい顔」を語らせること自体がおかしいのではあるまいか。否定や自虐をしても微妙な空気になってしまうし、逆に「はい、私は美人です」とは口が裂けても言えない。制作側の質問のチョイスミスといえるのでは。

 それはいいとして次回のセーラームーン同窓会(実写版『美少女戦士セーラームーン』に出演した北川、泉里香、安座間美優、小松彩夏、沢井美優ら豪華メンバーの食事会でこれまで何回か集合ショットがSNSにアップされている)はいつになるのだろうか。