古今東西、さまざまな食材でダイエットが行われてきた(写真はイメージです)

 食欲の秋到来。となると、真っ先に思い浮かぶのがダイエット。

置き換え、米だけ……この秋流行の“やせテク”

以前は“冬は太って夏に痩せる”というサイクルで女性誌などの特集が組まれていたのですが、今は“冬痩せ”が推奨されているんです。ふわっとしたコートを脱いだら、きれいなボディライン……これは女性の憧れですから」(ファッション誌編集者)

 まさにこれからの時期がダイエットの季節なのだという。今流行りのダイエット方法は、

「オートミール置き換えダイエットですね。米の代わりにオートミールを食べるというのが流行しています。あとはプロテイン。今、美容ジャンルで発信力があるのはユーチューバーなんです。フィットネストレーナーの竹脇まりなさんがプロデュースしているプロテインは爆売れしていますね」

 と、美容ライターの三輪順子さん。続けてこれまで流行したダイエットを振り返る。

「糖質オフがつい最近まで流行っていましたけれど、日本人から米を取り上げるのはきつい。3週間米抜きをして耐えられなくなり3合炊いて1日で全部食べた、なんて話も聞きますし、リバウンドのおそれがあります」

 田中みな実(35)はスタイル維持のためにあえて米を食べていることをテレビ番組などで公言。糖質抜きのあとは米ダイエットがくる?

米食を公表している田中みな実

「米だけダイエットはすでに女性誌で特集が組まれていますね。これまでも極端なダイエットが流行っては消え、を繰り返していました。今後もその傾向はなくなりそうにないですよね」(三輪さん)

 そこで、これまで流行ったダイエット経験談を100人の“ダイエッター”に聞いた。

昔からの“やせ食材”も成功するかは人による!?

 果物だけを食べる、糖質をタンパク質に置き換える……効果ありと言われてきた食材や方法も、自分の体調に合うかは人それぞれ。

りんご【×】

 りんごだけダイエットは'80年代に流行し、今もその人気は健在。

ダイエットのイメージがあるりんご(写真はイメージです)

結婚式前にりんごだけで3日間過ごしました。1日目は全然平気だったんですが、2日目から塩気と白米が恋しくてたまらなくなりました。それでも美しいラインのドレス姿を実現するために頑張ったのですが、りんごだけ食べていたせいか2次会でシャンパンを飲んだら一気に酔いがまわって、一生に一度の日の記憶が飛びました……。後悔しかない」(56歳)

「若乃花(当時)と婚約した栗尾美恵子さん(53、現Mieko)がりんごダイエットをしているという記事を読んで、高校生だった私もまねしてお昼のお弁当代わりにりんごを食べていました。朝と夜は普通にごはんを食べていたんですが、やっぱり栄養が足りなかったのか肌がカサカサになってやめました。合わなかったみたい」(48歳)

ゆで卵【△】

 高タンパクで低糖質であることからダイエットに適した食材といわれているゆで卵。筋トレ女子にも大人気だが……。

高タンパク低糖質で注目を集めるゆで卵(写真はイメージです)

「コロナ禍で宅トレに目覚めました。食事も白米をゆで卵に置き換えていたんです。最初のころはぐんぐん体重が落ちて筋肉もついて成功かと思いましたが、コレステロール値が爆上がりしていたんです。卵は1日1個にとどめようと決めました」(31歳)

 万能食材だけど、食べすぎると痛い目をみる!?

ナッツやオイルなどの“ブーム食材”のやせ効果は?

 糖質制限ダイエットが流行り出してから、糖質が少なく、タンパク質や脂質を多く含む食材が注目されている。その効果は?

納豆【○】

メディアで定期的に取り上げられる納豆(写真はイメージです)

 納豆に含まれるナットウキナーゼは血流を改善し美肌につながる。さらに納豆菌や食物繊維が腸内環境を整える効果もあり、これほどの完全食はない!と各メディアでは高頻度で納豆特集が組まれているが……。

炭水化物を納豆に置き換えるというダイエット法をしていたところ、1か月で体重は56キロから51キロと5キロも落ちました! 茶碗に納豆を入れていたからか他の食材よりも白米が恋しくならなかった。刺身にも肉にも納豆は合うし、肌がやわらかくなったような気がします」(43歳)

夜納豆だけダイエットをしていたんですが、それだけじゃお腹が減るので、キムチや大根おろしを足したり、時にはハチミツを足したりと楽しんで取り組んでいます。いまだに夜は納豆1パックです。体調もいいし、困ったことはないですね」(36歳)

 やはり大豆は強し?

オイル【△】

最近流行しているオイルダイエット(写真はイメージです)

 MCT、インカインチ、アボカド、ココナツ、ごま油、亜麻仁油……。ハリウッドセレブやモデルを中心に広がったオイルブーム。“お気に入りのビューティーフード”として紹介されてから瞬く間にオイルダイエットも広まった。日本人の身体に合うのだろうか。

「何にでもココナツオイルをかけて食べていたんです。そうしたら身体からココナツ臭がするようになり、気のせいかもしれないけど、なんか気になってやめました」(26歳)

「松本まりかさんに憧れて夜、オリーブオイルをなめていたら夫に妖怪呼ばわりされました(笑)」(39歳)

 女優の松本まりか(38)は5種類のオイルを愛用。『家事ヤロウ!!!』(テレビ朝日系)でその様子が放映されると視聴者から“やりすぎ”、“かけすぎ”などの声が相次いだ。市川海老蔵(44)は飲みすぎてお腹を壊したことをブログで報告。とりすぎには注意!

ナッツ【△】

健康効果が高いことで知られるナッツ(写真はイメージです)

「吹き出物が増えた! 便通には良かったけど、いつもオナラがしたくなって大変でした(笑)。家でやるにはいいと思う」(33歳)

 ナッツは健康効果が高いことで知られる反面、高カロリーという側面があることも忘れずに!

結局は「何事もバランス」

 ここまでに紹介したダイエッターのエピソードを聞いた前出の三輪さんは、

「何事もバランス。食べる食材が1品だけになると偏ってしまって、思考も偏ります。そして必ず反動が起こってリバウンドしてしまう。それと納豆のように飽きない食べ方を見つけることはとても良いことだと思います」

何事もバランスが重要(写真はイメージです)

 今流行りのオートミールやプロテインについても、

「コロナ禍だから流行ったものも。例えば、オートミールは自粛生活の中で爆発的に流行った食品。また、宅トレする人が増えてその結果、筋トレ系ユーチューバーが美容を発信するようになってプロテインが爆売れした。

 その時々の私たちの生活に合ったものが流行るようにできているなと思います。テレビは表現の規制が厳しいですが、ユーチューバーなどの個人発信なら許される部分がありますしね」

 自分に合う食材(ダイエット)を見つけることが大事だが、何を選ぶにせよやりすぎは禁物なのだ。