三浦春馬さん

 10月の週末、あるハッシュタグがツイッターのトレンドに浮上した。

《#春馬くんの事件は終わっていない》

 2020年7月18日、俳優の三浦春馬さんが亡くなった。享年30。報道によれば、みずから命を絶ったという。

 18日に春馬さんのマネージャーは、春馬さんがドラマ『おカネの切れ目が恋のはじまり』(TBS系)の撮影現場に現れず、連絡が取れないことを不審に思い、東京・港区の自宅マンションを訪れ、春馬さんを発見。しかし、搬送先の病院で亡くなった。

 18日、上記の内容で“報じた”メディアは複数あった。しかし 所属事務所であるアミューズは以下の発表を春馬さんの四十九日当日に行った。

《【当日の経緯について】 午後から予定されていた仕事に向かうため、約束の時間に担当マネージャーが自宅へ迎えに行きましたが、メール・電話等に返事がなかったので、部屋へ向かいました。インターフォンを鳴らしましたが応答がなかったため、管理会社の方に連絡し、部屋の鍵を開けていただき入室したところ、すでに意識のない状態でした。応急手当をするとともに、すぐに警察と救急に連絡を入れ、病院に搬送されましたが、懸命な救命処置も及ばず14時10分に永眠いたしました。 その後、警察による現場及び時間経過の検証の結果、事件性は確認されず、検視の結果から死因は自死であるとの報告を受けました。 一部報道で「撮影現場に本人が現れないため、マネージャーが不審に思い自宅に確認に行った」と報じられておりますが、仕事の際にはマネージャーが送迎しておりますので、そのような事実はございません。》

“本当にみずから命を絶ったのか” 今も疑うファン

「春馬さんの死について、それを“疑う”まとめサイトは多数存在しています。それは初期段階の報道と事務所の発表に齟齬(そご)があったこと、遺書の有無、事務所と春馬さんの仕事の進め方に考えすれ違いがあり、それが死を決断させた……などなど、事実は不明ながらもそういった報道が多数あったことが理由でしょう。

 亡くなられて以降、春馬さんの死の状況・理由についてはさまざまな報道がなされ、それぞれで食い違うような内容もあったことで、“真実はなんなのか”、“本当にみずから命を絶ったのか”と、疑心暗鬼になってしまうファンの方の気持ちは理解できます」(芸能プロ関係者)

 ファンであれば愛していたタレントが亡くなってしまったことは「信じたくない」ことであり「信じられない」ことである。しかし、“一部のファン”は、その強い気持ちが「信じない」に変わり、さらには「疑い」に変わり、そしてそれが“行動”に変わっていった。

《#春馬くんの事件は終わっていない》のハッシュタグは、自分たちが訴えたい問題・課題にハッシュタグを付けて拡散を狙う“ツイッターデモ(ハッシュタグデモ)”であった。このタイミングでツイッターで反応を見せたのが、イラン出身のタレント・女優のサヘル・ローズだ。彼女は春馬さんと『世界はほしいモノにあふれてる』(NHK)で共演していた。サヘル・ローズのツイッターの弁を以下に引用する。

1年以上、“嘘つき”扱いをされている

映画『コンフィデンスマンJP』ワールドプレミアでの竹内結子さんと三浦春馬さん('19年5月)

《わたしごときが三浦春馬さんとツーショットとれるとおもいますか?》

《気持ち悪かったらみないでくださいね。三浦春馬さんと2度しかお会いしていのに。なによりも、素晴らしい方なのに、あなた方の言動により、三浦春馬さんが本当に悲しんでいるとはおもいませんか?》

《三浦春馬さんの名前をださないように今まで私なりに配慮してきました。三浦春馬さんが亡くなられてから、『せかほし』で共演させていただけただけで、彼の一部のファンの方々から収録日をめぐり、『嘘つき』、『悪魔』扱い、人格否定を、一年以上うけています。私が嘘つく理由はなんでしょうか?》

《マネージャーとのLINE、Studioで撮った写真を提示さえしてきました。皆様は無視したらいい、気にしないで、有名税。と書いてくださいますが『嘘つき』扱いをされつづけ、『嘘に加担したから、仕事をもらっている』ようにいわれる。わたし人間です。生きています。》

《三浦春馬さんと『せかほし』で共演させていただけた時に『本当に素晴らしい方』だと尊敬の気持ちが増しました。だからこそ、ながく三浦春馬さんを応援されている皆様の痛みは計り知れないです。でも、なにもしてない人をずっと傷つけていく神経を疑います。法的措置をとるしかないのでしょうか。》

'16年江端塁の試合を見守る三浦春馬さん。「よっしゃあ!」とエキサイトする一幕も

共演者に喰ってかかる暴走ファン

「状況を整理しますと、春馬さんが亡くなられた7月18日の2日前、『世界はほしいモノにあふれてる』の収録があり、そこでサヘルさんは春馬さんと共演している。春馬さんの“一部のファン”は、彼の死について強い疑いを持っています。それは“亡くなった日は18日ではない”という人もいれば、“みずから命を絶ったのではない”という人もいれば、“死んでいない”という人までさまざまです。

 共通しているのは、それら一部のファンはそれぞれのレベルで春馬さんの死に“疑い”を持っている。ゆえにサヘルさんのような共演者、しかも死の直前に収録をともにしているとあって、“収録はいつだったのか”ということを責め立てるように確認していたのです。サヘルさんは『せかほし』の収録についてのLINEでのマネージャーとのやり取りまで公開して事実を提示したにも関わらず、一部のファンは“嘘つき”などの言葉をサヘルさんに投げかけていたのです」(前出・芸能プロ関係者)

ファン同士で反発し合っている

 当然ながら、このような行動にまで移すのは“一部のファン”だ。“一部ではない、それ以外のファン”にとっても困った存在で、

《生前からのファンが迷惑してる》

《私も三浦さん好きだったので悲しい気持ちは分かりますがここまで来ると異常です。名誉毀損》

 というような苦言が多数。これらは《#春馬くんの事件は終わっていない》のタグを使ってのツイッターでの投稿で確認できるが、それに対しても“一部のファン”は意に介していないように見える。

 非常に残念すぎることだが、事実として春馬さんはもういない。ファンは悲しいがそれを受け止めなくてはいけないだろう。そして春馬さんに向けた愛が、サヘル・ローズに向けた“攻撃”に変わってしまっている一部のファンは、「春馬さんはそれを見てどう思うか」を考えるべきではなかろうか……。

 きっとその答えは、ファンがいちばんよくわかっているはずだ。

 
インスタにアップされた三浦春馬と菅原小春のツーショット

 

インスタにアップされた三浦春馬と菅原小春のツーショット

 

インスタにアップされた三浦春馬と菅原小春のツーショット

 

 

インスタにアップされた三浦春馬と菅原小春のツーショット(その1)