全日本テニス選手権を観戦するため、有明コロシアムに到着された佳子さま(10月29日・江東区)

「小室圭氏が試験に合格していることを、お喜びのご様子であるとお見受けしております」

 10月27日、秋篠宮家の側近トップである皇嗣職大夫は、定例会見でそうコメントした。

「今回のニューヨーク州司法試験では、再受験者の合格率が23%にとどまりました。“2度あることは3度ある”と、圭さんの“再々不合格”を覚悟されていたこともあり、秋篠宮ご夫妻の喜びもひとしおだったのでは」(皇室ジャーナリスト)

話題を呼んだ“いちごカラー”の装い

 この前日の26日は、小室さん夫妻の結婚1周年記念日。来たる11月14日には、ふたりがニューヨークでの生活を始めてから丸1年を迎える。

「圭さんが正式に弁護士となれば生活基盤が整い、ようやく自立した生活が始まります。とはいえ、禍福は糾える縄のごとし。“すべて思いどおりになる”と天狗になることなく、周囲への感謝と配慮を忘れずに暮らしていただきたいです」(宮内庁OB)

 海の向こうから届いた圭さんの慶事を、秋篠宮ご夫妻以上に喜ばれたのが佳子さまだ。

「結婚会見に臨む朝、自宅を出発する眞子さんを佳子さまが抱きしめたシーンに、心打たれた人は多かったでしょう。結婚騒動を機に、眞子さんと秋篠宮ご夫妻の距離が遠のいてしまった反面、常に応援し続けた佳子さまとの仲は、いっそう深まりました。

 眞子さんが皇族時代に担っていた総裁職や公務を、佳子さまが引き継がれたこともあり、“遠く離れていても、心はつながっている”という思いを抱かれていると拝察します」(同・宮内庁OB)

 ここ最近、佳子さまに関する報道を目にする機会は多い。ある皇室担当記者は、10月のお出ましについて、振り返る。

「10月1日は、聴覚障害のある選手が出場する日本デフ陸上競技選手権大会に初めて出席されました。この公務は“かねてろう者に寄り添われてきた佳子さまに”という日本デフ陸上競技協会側からのオファーにより実現したそう」

 10月9日には、眞子さんから引き継いだ日本テニス協会の名誉総裁として初めてテニスの試合を観戦された。

「翌10日からは1泊2日で栃木県へ。国民体育大会の閉会式に、大会名にちなんだ“いちごカラー”の装いで臨まれたことが話題になりました」(同・記者、以下同)

 16日は、ガールスカウト日本連盟が主催する国際ガールズメッセにてスピーチを披露。月末は“公務ラッシュ”に追い込みをかけられた。

「28日には、奈良県の春日大社を初めて参拝されました。20年に1度、本殿の修復に伴って神様が“引っ越し”する若宮神社を参拝されるなど、予定が詰まっていましたが、疲れを見せずに、うなずきながら関係者の説明に耳を傾けられる佳子さまの姿勢には脱帽でした」

“自分はやってきた”という証拠づくり

 奈良に1泊した佳子さまは、宮邸に戻ることなく、翌29日は都内でテニスの試合をご観戦。30日には、全国障害者スポーツ大会へ足を運ばれた。

 長距離移動を伴う過密スケジュールをこなされる佳子さまの体力には、たしかに目を見張るものがある。だが、これまではむしろ逆のイメージがつきまとっていた。

「'19年3月に大学を卒業された佳子さまは、大学院進学や海外留学などの進路はもちろん、就職先すらも定めておられないようでした。その年の夏、皇嗣職の定例会見が行われた際には記者から“普段いったい何をされているのか?”“大卒の女性が社会に出ていちばん忙しい時期なのに、ご本人はどのように過ごされているのか?”といった質問が上がったほどです」(宮内庁関係者)

 '21年5月、全日本ろうあ連盟に非常勤嘱託職員として就職された佳子さま。リモート中心だという勤務の全容は明かされなかった。新型コロナウイルスの感染者数が減少傾向となった今年の春ごろから、秋篠宮ご夫妻をはじめとする皇族方は地方公務を再開された。

渡米1周年を迎える小室さん夫妻。異例の結婚は皇室全体を巻き込んだ

「今年7月、佳子さまは全国都市緑化祭に出席するため、北海道へ。首都圏以外へ足を運ばれたのは約3年ぶりでした。以来、お出ましの機会を日ごとに増やされています。
ただ、いくらコロナが収束しつつあるとはいえ、この急激な変化には、違和感を抱かずにはいられません」
(前出・皇室ジャーナリスト)

 皇室制度に詳しい静岡福祉大学の小田部雄次名誉教授は、佳子さまの積極的な姿勢について、こう見解を示す。

「近い将来、皇室を離れるにあたり“これだけ自分はやってきた”という証拠づくりをされているかのようにも見えます。熱心なご活動が、“公務さえやっておけば結婚は自由”といった解釈の延長にあるとすれば非常に残念です」

 眞子さんは、約1億4千万円の一時金を受け取らず、いっさいの儀式を行わずに“類例を見ない”結婚を果たした。

 国民の理解と納得を得られたとは言い難く、昨年11月に行われた秋篠宮さまの誕生日会見では「皇族としての『公』と一個人としての『私』など皇族のあるべき姿が議論されましたが、殿下はどのようにお考えですか?」と、質問されるひと幕も。

私生活を充実させるために公務を?

 これに対し、秋篠宮さまは「一連の娘の結婚のことが、うまく公と私に当てはまるのか」と反論し、こう続けられた。

「彼女は結婚するまでの間、皇族でいる間、公的なものと私的なものとの場合には、常に公的なものを優先してきていると私は思います。これは海外の訪問も含めてですね」 

それまで公務に励まれた眞子さんが仮に『私』を優先させているということになれば、「20年たっても結婚はできない」とも付け加えられた。

「殿下は、記者が尋ねていないにもかかわらず、女性皇族が男性皇族と異なり皇室会議を経ずに結婚できることに触れ、“その点でも公と私は格が違ってくる”とも述べられました。女性皇族は『私』が優先されてしかるべきだと念押しされたかったのでしょう。

『皇嗣』としてよりも1人の父親としての思いが前面に出た“迷言”だと受け止めた人は少なくなかった……。ただ、皇籍離脱を夢見る佳子さまが、このご発言にすがりたくなるお気持ちも理解できます」(前出・宮内庁関係者)

予定の時間を大幅にオーバーした、秋篠宮さま56歳の誕生日会見('21年11月)

 “公と私”に対する秋篠宮さまのご発言が、佳子さまが公務をこなされる意欲の源なのかもしれない。しかし、前出の小田部教授は疑問を呈する。

「皇室の『公』とは、国民の象徴としてふさわしい“公的な存在”という意味で、欧州貴族の『ノブレス・オブリージュ』に似ています。皇室の権威の源泉は、私生活でも国民の象徴としてふさわしい振る舞いが求められること。公務さえやっていれば、私生活が自由になるというわけではありません。ましてや公務の目的が、私生活を充実させるためなのであれば、国民から皇室への崇敬は損なわれていくと思います」

 父の言葉と国民の願いを胸に、佳子さまは今日も公務に邁進される─。


小田部雄次 静岡福祉大学名誉教授。日本近現代史皇室史を専門とし、『皇室と学問 昭和天皇の粘菌学から秋篠宮の鳥学まで』(星海社新書)など著書多数