左から滝沢秀明、平野紫耀、神宮寺勇太、岸優太

 それは、まさに青天の霹靂(へきれき)だった。

《2023年5月22日をもちまして、岸優太、平野紫耀、神宮寺勇太の3人はKing & Princeを脱退し、5月23日よりKing & Princeは永瀬廉と高橋海人の2人で活動をさせて頂きます》

 11月4日、King & Prince(以下、キンプリ)のファンクラブサイト内で平野紫耀(しょう)、岸優太、神宮寺勇太の3人が'23年5月22日をもってグループを脱退することが発表された。

平野と岸は海外進出、神宮寺は“誰かが辞めたら辞める”

「平野さんと神宮寺さんは、同日にジャニーズ事務所も退所予定で、岸さんは、主演映画『Gメン』の公開が控えているため、'23年秋の退所予定となっています。昨年から今後の活動について話し合いを重ね、海外での活動など、それぞれの目指したい方向が異なっていたため、互いの人生を尊重するために脱退・退所の道を選んだそうです。今後、平野さん、岸さんは海外進出を目指し、神宮寺さんは“誰かが辞めたら辞める”と決めていたといいます」(スポーツ紙記者)

 キンプリは、'15年6月5日にジャニーズJr.内のユニット『Mr.King vs Mr.Prince』として結成された。

「当初は期間限定ユニットの予定でしたが、ファンからの強い要望で活動を継続。しかし、次第に岸さん、岩橋(玄樹)さん、神宮寺さんの3人と、平野さん、永瀬(廉)さん、高橋(海人)さんの3人に分かれての活動が多くなっていました。それでも平野さんを中心に、ジャニー喜多川さんに“6人でのデビュー”を直談判したことで、現在の形となり、'18年5月23日にデビューを果たしました。

 その約5か月後、岩橋さんがパニック障害の治療のため休養し、復帰がかなわず'21年3月末で脱退してしまいます。しかし、グループとしては、'22年1月から日本テレビ系の冠番組『King & Princeる。』が始まり、初の4大ドームツアーを成功させるなど、上り調子でした」(アイドル誌編集者、以下同)

岩橋玄樹(公式HPより)

 50万枚以上を売り上げたデビュー曲『シンデレラガ―ル』は、王道のアイドルソングだった。

「しかし、平野さんは“アイドル”として売り出されることに、徐々に違和感を覚えて。後続でデビューしたSnow Manのような大人っぽいテイストの楽曲が理想だったようですね。そんな平野さんの不満を抑えるため、アーティスト色の強い曲が用意されたと聞いています」

 その曲が'21年5月19日にリリース、全編英語の歌詞にチャレンジした『Magic Touch』。今、考えてみると当時話題となった平野の金髪は、アイドルへの決別という意思表示だったのかもしれない。

平野は「寄り道したくない」

 退所の報告にもある“海外での活動”は、デビュー当初からの夢でもあった。

「特に、平野さんと岸さんは海外志向が強かった。平野さんは、雑誌のインタビューで“海外での活躍に近づくために寄り道したくない”と話していたほど。岸さんも、アメリカに1週間ほど語学留学していたことがあります」

 海外進出を目指して、'19年にはグループでアメリカでの武者修行も行っていた。

「キンプリの海外進出は、彼らだけでなく、彼らを育て上げたジャニーさんの夢でもありました。そのため、世界で活躍することでその夢を実現させるべく努力してきました。しかし今年3月、Travis Japanが無期限留学のためにグループ全員で渡米し、10月28日に世界デビューを果たし、先を越されてしまいました」

 ほかにも、アイドルの王道を行く、なにわ男子の台頭などもメンバーの焦りの一因となり、今回の退所の原因につながったとみられている。

 では、平野と岸は今後、海外進出という夢に近づくことはできるか。

TravisJapan

「退所後は、主に個人での活動を予定しています。とはいえ、海外へのツテは必要でしょうから、外国人プロデューサーとのつながりを持っている元メンバーの岩橋さんを頼る可能性もあるのではないでしょうか。今でも連絡は取り合っているようですし」(テレビ局関係者)

 今回のキンプリ分裂報道を青天の霹靂と評すなら、さかのぼること3日前に、その予兆と言える出来事が起きた。11月1日にジャニーズ事務所の副社長と、Jr.の育成などをする会社『ジャニーズアイランド』の社長を務めていた滝沢秀明の退任、退社が発表されたのだ。予兆と呼ぶにはあまりにも大きすぎるニュースなのだが……。

「滝沢さんは、'95年に入所し、Jr.のリーダーとして“黄金期”をけん引すると、'02年に今井翼とタッキー&翼として華々しくデビュー。その後、'18年9月に、年内で芸能活動を引退して裏方に専念することを発表すると、その年のカウントダウンライブがタッキー&翼のラストステージに。その後はプロデュース業で手腕を発揮し、Snow ManとSixTONESの同時デビューや、Travis Japanの世界デビューに貢献しました」(前出・スポーツ紙記者、以下同)

滝沢は新たに芸能事務所を立ち上げて…

 表舞台と裏舞台の両方で華やかな活躍を続けてきた滝沢は今後、どのような活動をしていくのだろうか。

「どういう形になるかはわかりませんが、新たに芸能事務所を立ち上げると聞いてます。プレイヤーとしての実績はもちろん、人材の育成面やプロデュース業でも手腕を発揮し、人脈も多岐にわたっているので、所属を希望する人は多いでしょうね。これからの滝沢さんの一挙手一投足に注目が集まっています」

 滝沢、そして平野、岸、神宮寺、それぞれの進む道が交差するかはわからないが、♪まだサヨナラ言うには、全然早すぎるのに――というのがファンの偽らざる気持ちではないだろうか。


 

観戦スタンドに姿を現したメンバーひとつ上の階にいた岩橋も入るように6人で自撮りをしているKing&Prince(ツイッターより)

 

鈴鹿サーキット」で開催された「F1日本グランプリ」を観戦するKing&Prince(ツイッターより)

 

滝沢秀明(2015年)

 

Jr.黄金期を築いた滝沢秀明(1998年)