映画『クリーピー 偽りの隣人』公開直前イベントでのアンガールズの2人('16年6月)

 かもめんたる・岩崎う大が注目のお笑い芸人の今後を予想する連載企画。今回の芸人はアンガールズ。

アンガールズ田中は相当な策士で、狂気の持ち主

 11月19日21時よりフジテレビ系列で放送される『ドラフトコント2022』にアンガールズの田中さんが出演されます。

 この番組は、5人のキャプテン芸人が番組の選出した20人の芸人をドラフト形式で選択していき、1か月後に各チームでユニットコントを披露して優勝を争うというものです。お祭りのようで、その内容はかなりガチといった番組です。田中さんは、チームを率いるキャプテン芸人として出演しており、ちなみに僕、岩崎う大も選ばれる側の芸人として出演予定であります。

 アンガールズさんは、もうかれこれ売れ続けること20年の人気芸人なので印象も世代によってさまざまかと思います。

 デビューした当初はキモカワ芸人と騒がれ、アイドル芸人的な人気を誇っていた時期もあります。同じころデビューした僕からすると、おふたりはあっという間にお茶の間の人気者になったという印象があって、同時にそれも当然だと激しく思うのです。

 最初におふたりを見たのは、とあるオーディション会場でした。長身でガリガリのそっくりな背格好のふたりがナヨナヨした頼りない発声で演じるコントに、とても嫉妬したのを覚えています。

 当時は、お笑いのネタというと、ネタの発想が重視されていました。どれだけすごい発想で、他の芸人を圧倒できるか?という勝負でした。ところが、アンガールズさんのネタを見たときに、ネタの発想以外のところにも、たくさんのアイデアを感じたのです。ヒョロヒョロのふたりが、ナヨナヨの声で、フワフワしたことをやるのが面白いという、自分たちをとことんまで俯瞰したうえで練られた戦略が感じられました。

 そして、何より悔しかったのは、やっているネタがとてもマニアックだったんです。ちゃんとハイセンスで面白い。でも、そういうものを無名の若手がやると「伝わりづらいよ」と言われて拒絶されてしまう。それが表現の世界の習わしだと思い知らされていた僕は、それを自分たちの身体、声、動きを使って華麗に覆したおふたりがうらやましくて仕方がありませんでした。

「あの人たちは自分たちが面白いと頭の中で思っていることを、ちゃんとふたりで表現できているんだろうな」と。

 まだ、アンガールズさんが「ジャンガジャンガ」のブリッジをやる前のころの話です。

イベントで「ジャンガジャンガ」を披露するアンガールズの2人('16年6月)

 今では当たり前のことですが、当時、自分の見た目や、雰囲気を客観視して、それをネタに反映させていた芸人ってなかなかいなかったと思うんですよね。アンガールズっていうコンビ名もまさにそのセンスの表れです。アンガールズさんって、どう考えてもアンガールズっていうコンビ名がベストじゃないですか。その辺の当て勘みたいなものが素晴らしいです。

 コンビのブレーンは田中さんですが、あの人は相当な策士です。今では、審査員の仕事をするなどその才能をさらに広げていますし、常にあのギョロ目で、ものごとを分析しています。

 ここで、僕が知っている田中さん情報をお伝えします。よくポスターとかで人が顔だけ本当の写真で身体がイラストになっている2頭身の表現あるじゃないですか。田中さんはあれを見ると虫唾が走るそうです。全然共感できません。ものすごい狂気です。

 やはり田中さんは、とてつもない狂気の持ち主なのです。それを隠しに隠し、キモカワ芸人として世に出ているのです。それを隠すのをやめる日がいつ来るのか、わかりませんが。そのタイミングを田中さんが間違えるわけはないので、ファンの僕は楽しみに待ちたいと思います。

岩崎う大 1978年東京都生まれ。早稲田大学卒。かもめんたるとして槙尾ユウスケとコンビを結成。キングオブコント2013年優勝。お笑い芸人だけでなく、脚本家、放送作家、漫画家として多彩に活躍中
菊地亜美を掴んで離さないアンガールズ・田中卓志('16年6月)

 

映画『クリーピー 偽りの隣人』公開直前イベントでのアンガールズの2人('16年6月)

 

映画『クリーピー 偽りの隣人』公開直前イベントでのアンガールズの2人('16年6月)

 

大学時代に旅行系のサークルで知り合った山根良顕とコンビを結成し、'02年に『アンガールズ』でデビューした田中卓志