『CreepyNuts』R-指定、DJ松永(右、2016年)

 11月16日、大晦日に放送される『第73回NHK紅白歌合戦』出場者が発表された。昨年に続いて初出場の歌手、アーティストが10組とフレッシュな面々が揃ったのだが、一方で当確と思われながらも落選したのがーー、

「福原遥がヒロインを務める朝ドラ『舞いあがれ!』主題歌を担当するロックバンド『back number』。ここ数年で出場濃厚と見られながらも、やはり今年も漏れてしまったヒップホップ・ユニット『Creepy Nuts(クリーピーナッツ)』ですね。

 演歌や歌謡曲を減らして若返りを図っている紅白で、共に若い世代から絶大な支持を得るアーティストだけに落選は意外でした。ただ、back numberの方は“サプライズ”があるかもしれませんよ」

 スポーツ紙・芸能デスクが期待するように、近年の紅白でお決まりになっているのが朝ドラとのコラボ企画。2021年前期の『おかえりモネ』主題歌を担当した『BUMP OF CHICKEN』、同様に後期『カムカムエヴリバディ』のAIが出場を果たしている。

 そして2022年の前期『ちむどんどん』主題歌を歌った三浦大知も、無事に4回目の出場を果たすことに。この流れを汲むと当然、back numberは不可欠な存在だ。

「彼らが所属するのは、昨年の紅白に部屋着とスリッパのような衣装で出演し、岡山の実家からの中継で話題を独占した藤井風と同じ『ユニバーサルシグマ』。藤井もまた、当初の出場者発表では名前がなく、サプライズ的な立ち位置になりました。

 おそらくはback numberも朝ドラに絡めた、初登場にふさわしい演出が練られていると思いますよ」(前出・芸能デスク)

タイトルや歌詞に危ういワードが多い

 では、Creepy Nutsも望みはあるということだろうか。

 ラッパーの“R-指定”と、「世界一のDJ」の肩書きを持つ“DJ松永”からなるユニットの2人。2015年の結成後はインディーズ活動を経て、2017年に『ソニー・ミュージックエンターテイメント』グループへ移籍すると、シングル『高校デビュー、大学デビュー、全部失敗したけどメジャーデビュー。』でメジャーデビューを果たす。

 ところが、レコード会社関係者によると、名前の“R-指定”が表す通りに、2人によって作られるCreepy Nutsの楽曲はタイトル、そして歌詞の中に多分に“危うい”ワードが潜んでいるようだ。

「例えばインディーズ時代の『合法的トビ方ノススメ』はもう、タイトルの時点でNHKで歌うのは不可能でしょう(苦笑)。メジャーデビュー後は大人の事情を汲んでか、多少は落ち着きましたが、それでも年末の家族団欒の場を凍り付かせかねない、紅白にふさわしくないと判断された可能性もなきにあらず」

 それでも2人は2021年、NHKの“紅白”に出演している。7月に放送された、明石家さんまが司会を務める音楽トーク特番『第9回明石家紅白!』に、白組メンバーとして出場したのだった。

 Creepy Nutsがさんまと対面するのは同番組が初めてではなく、2021年1月の『さんタク』(フジテレビ系)には2人で出演。DJ松永に至っては、『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)に2度も呼ばれている。

テレビは都合のいいように編集する

「大阪人らしい軽快なトークをするR-指定さんと、予想外の発言をしたり、さらっと毒を吐くDJ松永さんはバラエティー番組でも重宝されています。さんまさんは2人のトーク力を買っていて、“おもしろい奴らよ”と推していたと言いますが、スタッフは収録中の他ゲストとの掛け合い、また編集作業でもかなり気を使ったと聞きます。

『あちこちオードリー』に出演(2020年1月、テレビ東京系)した際にも、松永さんは“仕事は大好き”と前置きしつつも、テレビ業界に対して“作ってる人は酔狂、イカれてる”“都合のいいように編集する”“人の人生をどう思っているのか”などと不満をぶちまけてましたからね。その時は若林(正恭)さんが“逆に、テレビに向いてるよ!”と、フォローして笑いに変えていましたが」(放送作家)

 そんな笑いを取ることにも一所懸命だというDJ松永だが、時に切れ味鋭いトーク術は“諸刃の剣”として己に返ってくることも。

 11月6日に早稲田大学学園祭でのライブに出演した際に、過去に同大学のイベントサークルが起こした大規模な輪姦事件、いわゆる“スーパーフリー事件”をネタにするようなトークを繰り広げたのだがーー。

考えるよりも先に口に出るタイプ

 これがSNSで拡散されると間も無く炎上騒ぎとなり、翌7日に自身のツイッターで、そして同日深夜の『Creepy Nutsのオールナイトニッポン』(ニッポン放送)にて、《多くの人が被害に遭った中で軽率にネタにしてしまったことを猛省しています》と正式に謝罪したのだった。

「20年以上も前とはいえ、数百人以上ともされた被害者がいる事件を揶揄するのはまずかった。擁護するつもりはありませんが、彼自身にしてみれば悪気があっての発言ではなく、天然というか、考えるよりも“おもしろいと思った言葉”が先に口から出てきてしまうタイプ。

 紅白選考に不適切発言が影響したとは思いませんが、収録番組の編集でもきびしいチェックが入るNHKで、しかも生放送での失言は許されません。“臭いものには蓋”とばかりに紅白出場を見送られたとも考えられますし、むしろCreepy Nutsの方から辞退を申し出たとしても不思議ではありません」(前出・レコード会社関係者)

 “歌合戦”だけにトークは関係ないとは思うけども。

見取り図・盛山が披露したCreepyNuts・R-指定のツーショット(公式インスタグラムより)

 

見取り図とCreepyNutsの面々(見取り図・森山公式インスタグラムより)

 

『CreepyNuts』R-指定(左)と、『見取り図』盛山晋太郎

 

『CreepyNuts』R-指定(左)、DJ松永