芸能人シンママたちの稼ぎ力は…(左から杏、MALIA、紗栄子、宇多田ヒカル)

 今も昔も「母は強し」。子を育て守る、人生を謳歌する芸能人シンママたち。女優の杏やモデルのMALIA、日本が誇る歌姫・浜崎あゆみ、宇多田ヒカルなど、そのアクティブさには「生きるためにはお金が大事」という明確な意思を感じる。夫という足かせを外し、自分のやりたいことを“稼ぎ”に変える彼女たちの強さを探った。

パワフル・シンママ部門

東京にとどまる理由なし、住む場所さえも稼ぎに変える!

 離婚したんだから、自分の好きな場所に住めばいい。そこで、自分らしく稼げればなおいい。

 日本を飛び出して稼いでいるシンママがいる。

女優の杏、パリに移住しYouTubeで総収益1000万円を超え

 ベリーショートにして、すっかりパリの風景に溶け込んでいるのは、女優の杏(36歳)。俳優で元夫の東出昌大の不倫で5年間の夫婦生活にピリオドを打ったが、現在その笑顔には一点の曇りも見られない。

 今年8月、6歳の双子の女の子と4歳の男の子を連れて、パリに移住。ユーチューブではパリでの現地の様子を伝える動画も配信しており、その収益は、10月の1か月だけでも推定200万円にもなる。話題のユーチューブを開設したのは昨年11月。これまでに総再生回数が8800万回を超え、その総収益は、軽く1000万円を超える。ユーチューブで稼ぐママタレが数多くいるが、杏はその中でも抜きんでている。

 シンママの自立を応援しているファイナンシャルプランナーの森本由紀さんは「夫がいることで思いどおりにならないこともありますが、離婚したからこそ、やりたい場所で、やりたいことができるようになったわけです。離婚をステップにして、新しい自分を発信したら、多くの共感を得た。フォロワーが増えるのも当然でしょう」と語る。

 女優としても順風。主演ドラマのギャラは1話300万円ともいわれ、さらに映画やCMもあり年収は3億~4億円ほどになる年も。リモート出演でも需要がある杏なら、パリの物価高にも余裕で耐えられる稼ぎ力があるはずだ。

モデル・MALIAの実業家としての顔

MALIA(39)

 モデルのMALIA.(39歳)は、今年8月、ドバイに引っ越した。その結婚歴は華やかで、4度の離婚で、3男、1女をもうけている。

「末っ子の進路、この先どんな教育を受けさせたいかを考えた」とドバイに引っ越した理由を語っているが、豪華な新居をインスタグラムで紹介するなど、世界の富裕層が集う街で暮らすとはすごい経済力。その経済的基盤は、モデル業だけでなく、ファッションやコスメを取り扱うAnela Ink.(アネラインク)の代表取締役でもあること。自身の美ボディを遺憾なく発揮し、広告塔としての稼ぎ力も抜群だ。さらに原宿にあるブラジリアンワックスのサロンを経営するなど、実業家としての顔を持っている。

 現在は日本とドバイを行ったり来たりしつつ、新たな事業展開を考えているもよう。ドバイでは「毎日のように物件巡り。不動産買いたい方はご連絡ください」とストーリーズで新展開を匂わせている。

紗栄子は牧場経営者

 イギリス、東京、宮崎を拠点に活動している紗栄子(35)は、2年前に栃木県大田原市に移住。『那須ファームヴィレッジ』の牧場経営者になっている。

 きっかけは、牧場の経営難で引き取り手が見つからずに殺処分されそうな馬がいることを知ったことから。タレント活動に、自身のプロデュースするコスメの売り上げで年商は10億円近いといわれている実業家だ。被災地や養護施設支援、コロナ禍ではマスク2万枚を寄贈するなど社会支援活動を続けているが、そこに牧場経営まで加わり、そのHPからは“おしゃれなファーム感”がぷんぷん匂う。

彼女たちのポジティブオーラに引き寄せられるかのように別のチャンスも次々生まれる。住まいも事業も、ひとところにとどまらない、いい意味での貪欲さを感じます」(森本さん、以下同)

 もともとお金を稼げるモデルやタレントはいいが、特別な才能もないと感じる一般人はどうしたらいいのか。

パートでもいいから、安定した収入を得て、社会保険にも加入して、そして好きなことを副業にしてやってみること。副業だから失敗を恐れずに『私にもできそうだ』と思って、まずは進むこと。うまくいったらそっちに進めばいいのですから

ベテラン・シンママ部門

手塩にかけて育てた子どもも業界入りで今後も楽しみ

 お金を稼ぐよりも自分らしく生きることを優先していたら、結果的に稼げるようになっていたというベテランシンママ。離婚してもカッコよく生きているのがこのふたり。

シンママの真骨頂・RIKACO

RIKACO(56)

 1人目は、RIKACO(56歳)。若者のファッションリーダーとして大人気だったときに、2歳年下のまだ売れる前の渡部篤郎と結婚。格差婚といわれながらも2人の男児をもうけたが、結婚12年目に離婚。理由は、たび重なる渡部の浮気だったともいわれている。

 このときのことを後に雑誌のインタビューで、「重大な物事を決断するときでも、誰にも相談せずに自身で決断することが多く、離婚の決断に関しても自ら決意した」と語っている。この潔さが、“自分らしく”を貫いているベテランシンママの真骨頂。

 5年ほど前には、テレビ番組中で資産の話題になったとき、芸人の後藤輝基からの「パーほど(5億円)ではないってことか」という問いかけに「それぐらい」と肯定している。これには、現金だけでなく、家なども含まれているそうだが、億万長者なのは間違いないだろう。

 現在は、テレビの出演料、自身のブランドの売り上げ、チャンネル登録者数が18万人以上のユーチューブ、フォロワー数28万人以上のインスタグラムでの広告収入、ほか書籍の販売などが主たる収入源。概算で年収2000万~3000万円になるだろう。インスタでは長男が舞台の脚本に取り組んでいることにもふれており、子育てが一段落した今、次なる一手を考案中か。

モデル・冨永愛は親子共演

冨永愛(40)

 もう1人のベテランシンママが、世界的モデルの冨永愛(40歳)。17歳のひとり息子は、身長188センチと母親譲りのスタイルで、今年の9月にモデルデビューを果たし、某有名ブランドでは親子共演も果たしている。

 実は冨永は、離婚した後、子どものためにと、スケジュール帳に書き込めないほど仕事をしていた時期がある。しかし頑張れば頑張るほど、子どもに寂しい思いをさせていることに気がつき、3年間仕事を休んだのだ。仕事を休めば、次のチャンスはなくなるし、収入も激減する。それでも何がいちばん大事かを見失わずにいたことで、結果として仕事と子育てのどちらかだけを頑張るというシンママにありがちなバランスの悪さを防ぐことができたよう。現在、息子のコメントは母への敬愛にあふれている。

 冨永は、ファッションショーの1ステージが100万円くらいといわれている。2023年にはNHKのドラマ10『大奥』に、将軍吉宗役で出演する。モデルだけでなく女優しての活躍も期待でき、収入は今以上に上昇していくに違いない。

なりたてシンママ部門

慰謝料なんて頼らない自立する女で新境地

 誰もが羨むような大金持ちのパートナーを得て、子どもにも恵まれ、幸せな結婚生活を送っていたはずなのに、セレブ妻の座を捨てて離婚した3人のシンママたち。離婚しても、優雅に暮らせるわけは、たっぷり慰謝料をもらったからなのか。

シンママの筆頭・吉瀬美智子

 セレブ感が漂うシンママの筆頭は吉瀬美智子(47歳)。結婚生活11年目の2021年に離婚。元夫は表参道などで美容室やネイルサロンを展開するグループの代表取締役社長で、年商は30億円ともいわれる実業家。

 となると、結婚当時の生活を維持できるのかと心配になるが、吉瀬の場合、ドラマ1本の出演料が100万円と思われるので、2022年度はテレビ朝日系の金曜ナイトドラマ『NICE FLIGHT!』に出演して、800万~1000万円。さらに映画『七人の秘書THE MOVIE』に弁護士役で出演し、CMもあることから年収は1億円を超えるといわれている。夫に頼らなくても優雅に暮らせるはずだ。私生活をあまり匂わせなかった吉瀬も、最近は母としてのコメントが多く、シンママとしてしっかり稼いでいく意気込みを感じる。

TBS系『news23』のメインキャスター・小川彩佳アナ

 元セレブ妻の2人目は、TBS系『news23』のメインキャスターを務める小川彩佳アナ(37歳)。元夫は医療ベンチャーの前代表で資産は45億円とか。その夫には結婚前から関係が続いていた女性がいることが発覚し、小川は1歳間近の子どもを引き取り離婚した。

 小川のギャラは1本50万円かそれ以上だともいわれているが、週5回で250万円、ひと月にすると1000万円以上の稼ぎになる。不倫男を見限ったのは正解かも。

ハセキョーこと長谷川京子

長谷川京子

 3人目はハセキョーこと女優の長谷川京子(44歳)。吉瀬美智子とは「ママ友」であり、シンママ同士でもある。長谷川の元夫はバンド『ポルノグラフィティ』のギタリストの新藤晴一で、新藤の浮気が原因で13年の結婚生活にピリオドを打った。2人の間には男の子と女の子がいる。

 長谷川の経済力を見てみると、モデル業と女優業、自身がプロデュースするランジェリーブランドも持っていて、そこにユーチューブなども加わるので、年数千万円はいくだろう。今年になって事務所とのマネジメント契約を終了したので、仕事量は多くなくても取り分は増えるはずだ。

セレブ妻に共通しているのは、夫に対する恨みつらみが漏れ聞こえてこないこと。文句を言うより、自分の生活を早く立て直す、つまり自分で稼ぐほうに考えをシフトすることが大事だとこの3人から学べますね

シンガーシンママ部門

CD時代の印税額で巨万の富、すべての経験を作品に投影!

稼ぎ力が抜きんでている宇多田ヒカル

 強烈な才能さえあれば、しっかり稼げるというのは誰でもわかる。そのいい例が、歌手の宇多田ヒカル(39歳)ではないだろうか。1998年に15歳でデビューし、1stアルバムの累計売上枚数は765万枚を超える。CDの印税はアーティストが1%〜3%、作曲家と作詞家は1・5%が相場。宇多田の場合は、作詞作曲も自分だから、概算で10億円は超える。さらにデビューして今日までの間に、76億円以上を稼ぎ出したといわれる。

 現在7歳になる男の子がいて、父親であるイタリア人男性との離婚では慰謝料などで散財したともいわれる。しかし、一時休止していた音楽活動を6年前に本格的に再開したこともあり、稼ぎ力が抜きんでていることは間違いない。

シンママ歌姫・浜崎あゆみ

浜崎あゆみ

 シンママ歌姫といえば、浜崎あゆみ(44歳)も忘れてはいけない。浜崎は、3歳と1歳の子どもがいるが、父親が誰であるかは明かしていない。浜崎の年収は、ピーク時には10億円前後あったともいわれる。現在は全盛期に稼いだ印税だけでも2億円近くになる。

「未婚の母は生きづらいとのイメージもありましたが、今はそれも女性の選択肢のひとつとして受け入れられています。例えば結婚歴のないひとり親については税制上の優遇が受けられる寡婦控除が適用されませんでしたが、2020年からは未婚であっても税制の優遇控除が受けられるように。国の流れも変わってきています」

 カッコいいシンママスタイルを世に発信することで、離婚のイメージを変えている彼女たち。芸能界だけでなく、ビジネスやSNSの世界へと活躍の場を広げて、さらに輝きを増す姿をこれからも楽しみにしたい。

解説をしてくださったのは森本由紀さん
ファイナンシャルプランナー・行政書士・離婚カウンセラー/行政書士ゆらこ事務所代表。自らの離婚・シングルマザー経験を活かし、離婚してもお金に困らないマインドづくりや生活設計のアドバイスを行う。