中村優志容疑者(SNSより)

「ええっ、そんな事件を起こした人が、このマンションに住んでいたんですか? 怖すぎる……」

 長野県松本市にある容疑者と同じマンションに住む女性は、顔をこわばらせた。

 長野県警小諸署は16日、同県松本市の学生・中村優志容疑者(22)を強制性交等致傷の疑いで逮捕した。10月3日、中村容疑者は同県小諸市の宿泊施設で10代女性に対し、性的暴行を加えてさらに傷害を負わせたというもの。

「容疑者は国立信州大学医学部の学生。小諸市の病院でひと月ほど、医療実習を行っていたときの犯行だった」(全国紙社会部記者)

 捜査関係者は、ゆきずりの犯行ではないと明言する。

「容疑者と被害者は初対面ではなく、面識があった。事件直後、被害者の関係者によって被害届が出されたため、捜査をして逮捕に至ったわけです。強制性交等致傷とは性交時に被害女性に外傷等を負わせたというもので、凶悪な犯行と言えます」

 容疑者は18日にすでに送検されたが、容疑についての認否は明らかにされていない。

 容疑者はどんな人物だったのか。信州大学から1.5キロメートル離れた、徒歩20分ほどのところに容疑者の自宅マンションはあった。築6年の5階建て、1Kで家賃が月6万5000円程度。同大学の学生や若い単身の社会人に聞き込みをするも容疑者を知るものはいなかった。

信大の残念なイケメン代表

 中村容疑者は医学を学ぶだけではなく、信州大学の野球部にも所属していた。現在は閉鎖されている同部ホームページでは、

《信大の残念なイケメン代表。細い体からは想像できない速球を投げるエース候補。試合での活躍が楽しみな選手の1人》

 と容疑者が評されていた。国立大学医学部に在籍し、スポーツ万能で、しかもイケメン。三拍子揃っていた容疑者がなぜーー。

 同大からバスと電車を乗り継いで約2時間、同県長野市にある容疑者の実家を訪ねた。容疑者が小学校へ入学した頃に購入したという一戸建てだった。

 帰宅してきた容疑者の母親に声をかけると、

「……いま、ちょっと忙しいので、申し訳ありません。すいません……」

 と丁寧に対応してくれるも、取材拒否だった。

勉強もできたし、野球もうまかった

 近所の住民はこう話す。

「父親は小児科専門医で、近隣の大きな総合病院の小児科統括部長さん。母親は元看護師で、職場結婚だと聞いています。

 3人きょうだいの真ん中だった優志くん(容疑者)は幼少期から勉強もできたし、野球もうまかった。活発な子だったけど、そんなひどいことをするような子じゃない。どうして……」

 実家の裏庭には練習用のネットが今でも残っている。

中村優志容疑者の実家には今も野球の練習用ネットが

「優志くんが中学、高校のころは、夜になるとボールを打ったり、投げ込んだりする音が響いていました。すごく頑張っていましたよ」(同・住民)

 母親は当時、容疑者の部活動の送り迎えに奮闘していたという。

「子育てにはとても熱心でしたね。それだけではなく、町内会の清掃イベントにも毎回、参加していた。きちんとしているし、人柄も良かった」(別の住民)

 中村容疑者は地元の中学校を卒業後、東大、京大へ合格する学生もいるほどの県内随一の県立高校へ進学。そして父親の背中を追うように信州大学医学部へ入学したのだった。

「大学も退学でしょうし、医者への道も閉ざされてしまうでしょうね。お母さまがかわいそうですよ」(同・別の住民)

 容疑者はどのような処分になるのか、信州大学に問い合わせてみると、

「警察の捜査の進展を待って、今後どのようにしていくのか検討していきたいと思っております。いまの段階ではなんとも……」(同大広報担当)

 処分は未定とのことだが、被害女性の気持ちも察することさえできない人間であれば、もともと医者になる資格などあるはずがない。

 
中村優志容疑者(SNSより)

 

信州大学

 

中村優志容疑者が研修を行なっていたと思われる医療施設

 

中村優志容疑者が住んでいたマンション