アントニー・テイラー主審のジャッジに怒った韓国サポーターは彼のインスタにコメントをして……(テイラー主審のインスタグラムより)

 4年に1度の大祭典であるFIFAワールドカップ(W杯)。日本では類を見ない盛り上がりを見せているが、どうやらお隣の国、韓国も同じようだ。

 現地時間11月28日に行われたグループステージ(H組)第2節で韓国はガーナ代表と対戦。悔しくも2-3でガーナに敗れ、韓国の3大会ぶり決勝トーナメント進出への望みが遠のいたのだが、韓国サポーターにとってこの試合が「アンフェア」であると物議を醸し、SNSが大炎上している。

 試合前半ガーナに2点奪われた韓国は、後半チョ・ギュソンの2ゴールで巻き返す。一時は同点にまで持ち越したが、試合後半68分に3失点目を許す結果に。そして残り時間僅かとなった後半ロスタイム10分台、韓国にとっての最後のチャンスと思われる韓国サイドのコーナーキック。しかしプレーが始まる直前のタイミングでホイッスルが鳴らされ、試合終了となったのだ。

疑惑の判定に寄せられたコメント“25万件”

 ラストチャンスを無情にも奪われた、韓国のパウロ・ベント監督はアントニー・テイラー主審に対し、試合終了のタイミングについて猛抗議。結果、テイラー主審からベント監督にレッドカードが提示された。

 実はベント監督がレッドカードを提示されるほど抗議したことには理由がある。前半戦の試合途中、ガーナサイドに「ハンド」があったとし、ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)によるハンドのチェックが行われた。結果、ゴールが認められてガーナが先制したが、このことによりアディショナルタイムの間に試合の遅延が生じた。

 アディショナルタイム内に遅れが生じた場合、その時間分がさらに追加されるのがW杯では当たり前とされている。そのため本試合もさらに延長時間が設けられるかとみられていたのだが、テイラー主審はアディショナルタイムを延長せず、ほぼ時間どおりに試合終了としたのだ。

 試合時間に対する疑惑の判定について、審判を務めていたアントニー・テイラー主審の公式Instagramアカウントには韓国人サッカーサポーターによる“荒らし”コメントが殺到。コメント数は25万件にも及び、丸1日たった今でも投稿は鳴り止んでいない。

「同じ韓国人として恥ずかしい」コメントも

《お前がレッドカードだ!》

《私がみたInstagramの歴史上、一番誹謗中傷が多いのがお前のインスタグラムだ。お前はそれだけのことをやったんだ!》

《サッカーのルールわかってる? 審判辞めて、山の中で暮らしながらイノシシにカードでも出せばいい》

 といった激しい意見で埋め尽くされている。ほかにも坊主頭の容姿をいじってか、“タコ”の絵文字を連投するユーザーもいたりと、そのほとんどはサッカーとは関係のないところに及んでいる。

アントニー・テイラー主審のインスタには4.6万人のフォロワーがいるが、投稿はたったの1つ。そこにコメントが集中した

 テイラー主審は3年前のプレミアリーグでも韓国サッカー界のスター選手、ソン・フンミンを退場させた経験がある。積年の恨みの再来と言うこともあり、ファンは激怒しているようだ。

 しかし、なかには、

《同じ韓国人として恥ずかしい。これ以上、非難のコメントするのは本当にやめて!》

《審判も自分で反省してるみたいだった。だからもう彼を責めるのはやめよう》

《これじゃ、私たち韓国人の方がレッドカードだよ》

「審判が間違ってるのはあってるけど、事実を話そうよ。外国人が、韓国人のコメントみたら、論理的じゃない意見しかいえない人種に見えるじゃないか。恥ずかしいよ」

 と韓国人が韓国人を抑制する意見も多数みられた。

 韓国では、近年SNS上による「叩き」が激しく、社会問題にまでなっている。悪質なリプライが原因で自ら命を絶ったアイドルがいたのも、まだ記憶に新しい。今回のテイラー主審の荒らしコメントの数をみても、ことが深刻であるのは明らかではないだろうか。

 
2002年6月、日韓大会でのロシア戦を見守った木村拓哉と工藤静香。ともに中田英寿のレプリカユニフォームを着用

 

2002年6月、日韓大会でのロシア戦にてガッツポーズを見せた木村拓哉

 

2002年6月、日韓大会でのロシア戦にて日本の勝利を祈る工藤静香

 

“岡ちゃん”こと岡田武史元監督