本田圭佑(JMPA代表撮影)

 12月5日、『ABEMA』登録者へ次のようなメールが届いた。

《日本代表最多得点記録保持者 本田圭佑 決勝トーナメントも解説!》
「最高の舞台をみんなで盛り上がっていきましょう」(本田のセリフとして)

ABEMA登録者へ届いた本田圭佑からのメッセージ

 この日はサッカー日本代表がワールドカップにおける初めての“ベスト8進出”がかかった運命の1戦・クロアチア戦だった(キックオフは翌6日0時)。

 “日本代表最多得点”はメキシコ五輪銅メダルの釜本邦茂氏(75点)であり、本田は歴代4位タイの37点。あくまで本田は日本代表の“ワールドカップでの”得点記録なので、少々誇大な表現であるが、今でも“現役”の本田の解説が非常に好評なのが今回のワールドカップだ。

「こいつの顔見て下さい。全然ファウルちゃうやん言うてますから」

「遅いねん!オフサイ!出せや!俺がラインズマンやろか?」

「マキ、勝ってる時にちょっと冗談やめてもらっていい?」(解説の槙野智章が挟んだ“小ネタ”に対して)

「スライディングいらんねんな、今の」

「ちょっと嫌なのが、プレス行くときが全然定まってない。単発なんですよね」

 本音で、そして熱く、時折ユーモアも混ぜ、そしてきっちり“サッカー的な”解説も忘れない。今回、初めて解説者を務めた本田に対し、日本代表戦の“居酒屋解説”が良くも悪くも評判だった松木安太郎の“後継者”の呼び声も高い。

 しかし、その一方で……。

 能力の高い者は求められる。逆にそうでない者は何かを得られない、奪われる――それはどんな仕事でもそうかもしれない。

クロアチア戦の解説は本田圭佑ではなかった

クロアチア戦の番組表・当初の解説は中山雅史と中田浩二だった

決勝トーナメント1回戦のクロアチア戦の解説は当初、本田さんではありませんでした。解説者として起用されていたのは中山雅史さんと中田浩二さんです」(芸能プロ関係者)

 ともに日本代表OBであり、ワールドカップ戦士だ。中山は'98年と'02年大会に出場。中田は'02年大会と'06年大会に出場している。

「中山さんは'98年大会で今回も相手となったクロアチア代表と戦っており、前半に翌日の英寿さんからのパスで非常に惜しいシュートを放った。観戦していた日本人の誰もが“日本代表ワールドカップ初ゴール”だと思ったでしょう。中田浩二さんが出場した'06年大会でも日本代表はクロアチア代表と同じグループとなり戦っています」(サッカーライター)

 今大会のワールドカップを全試合配信して非常に好評を得ているABEMA。サイバーエー翌日の試合の実況担当者はテレビ朝日アナウンサーが起用され、また試合後にスタジオに場所を移して配信されるハイライト番組も同様にテレ朝のアナウンサーが起用されている。 

 日本代表戦はテレビ朝日で中継されることが非常に多い。

日本代表の試合の解説やリポーターであったり、サッカー番組『やべっちFC』などでも起用されることが多かったのが中山さんと中田さんです。ですので中山さん、中田さんはテレ朝のサッカー番組において、なかなかの“功労者”といえます。特に中山さんはあの高いテンションで番組を盛り上げてくれることが多々ありましたし」(前出・芸能プロ関係者)

解説の枠に本田圭佑の名前が

クロアチア戦の番組表・解説が本田圭佑に変更された

 しかし、ABEMAそしてテレ朝はそんな2人を今回、切った。

それだけ本田さんの解説が良すぎたということですね。また中山さん、そして松木さんのような“ただ盛り上げるだけ”のような解説はいらないというサッカーファンも多い。サッカーを見る人の目が肥えてきたということでもあると思います。本田さんは“おもしろいだけ”ではないですからね。自身の経験を踏まえて戦術等の解説、選手目線のプレーの解説をしています。“ちゃんとしたところ”もないと、視聴者は喜ばないということです。

 中山さん、中田さんはクロアチア戦の翌日の『モロッコ対スペイン』戦の解説に回りましたね。“全試合配信”のABEMAだからできることでしょう」(前出・サッカーライター)

 前出の芸能プロ関係者も、

「テレビだったらこんな急な解説者変更は難しい。いろいろなしがらみがあったり、“前例がない”などで、こういった思い切った決断ができる人はテレビ局には少ない。できたとしても、予定していた解説者に本田さんを“プラスする”という形だったでしょう。そうなると解説者が多すぎて、おもしろいものにはなっていなかったと思いますね

 クロアチア戦の解説者変更についてABEMA広報に問い合わせると、以下の回答があった。

「今回だけではなく、キャストの方の情報はあくまで予定となっており、適宜変更になる可能性がございます。変更になった際には番組表を事前にアナウンスすることなく変更しております」

 効果的な“選手交代”を行ったのは、森保監督だけではなかった……ということか。

クロアチア戦の番組表・当初の解説は中山雅史と中田浩二。2名は外された?

 

ドイツ戦での勝利を伝えるSHONO(公式インスタグラムより)

 

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W杯ではマスクなしが当たり前!ドイツ戦で声援を送る日本人サポーター(2022年11月23日)

 

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