億女の三浦洋子さん

 働きすぎて緊急入院したシングルマザー。壮絶な生きざまを抱えながらも「感謝を忘れない」億女にお金の神様は微笑んだ。50代にして億単位の財産を自力で稼いだ三浦洋子さん(52歳)。幸せと金運を引き寄せる心がけとは?

「最初の就職先が金属原料の卸の会社。そこで為替や金の変動、相場を学び、『お金の価値は一定ではなく変動する』と実感。その後の人生にとって、大きな経験になりましたね」

ワンコインエステから経営者の道へ

 そう語るのは、エステサロンを営む億女、三浦洋子さん(52歳)。

 その後、経営コンサルタントに転職。

「時代の追い風もあって、コンサルする会社が軒並み伸びました。年商4億円の会社が16億円になど。これは自分の会社をやらない手はないと」(三浦さん、以下同)

 知人のマッサージ師とエステサロンを開業したのは31歳。離婚したばかりで、娘はまだ9歳だった。

「シングルマザーの覚悟として、娘が20歳になるまで毎月100万円以上稼ぐ、という目標を掲げました」

 骨盤矯正もできるワンコインエステを始めると、お金にシビアな大阪女性の心をつかんで評判に。3年後には年商3億円になった。

ご自宅(大阪)の様子。沖縄の不動産と合わせて1億円以上の価値

 さらにサロンを増やし、今度はネイルサロンも始めたが、いいことばかりは続かず。お金の持ち逃げや、信頼していた人からだまされるといったトラブルも経験した。

「でも、人を恨んだり悩んだりするのは時間のロスでしかない。生きていられる“感謝”で乗り越えてきました」

 しかし、激務から身体が悲鳴を上げた。30代のときに緊急入院し、このままの生活を続けると命に危険があると医師に言われる。

「それまで『○○しなければ』と、自分にルールを課していました。病気を機に、もっとマイペースに人生に色を添えたいと思うように」

 貯金もすでに1億円あり、「40代は旅人になる」と決意。42歳でセミリタイアする。

 新天地としたのは沖縄。それまで興味がなかったダイビングを始め、ハマった。マンションを購入し、2拠点生活をスタートさせる。

娘と猫と一緒に住む大阪の自宅は眺望がいい

「現在は午前中を自分の時間にし、1週間の過ごし方もゆるやかにしています。陰陽の考え方に合わせて、月曜は家で内勤の日、火曜は乗り物に乗って活動する日、水曜はコミュニケーションをとる日に。

 曜日ごとにやることを決めていると、やるべきことに優先順位がつくので精神的にも健康になれます。生活にもメリハリがつきました」

沖縄のマンション。ダイビングやカヤックをする拠点になり、月に10日間ほど訪れる。

「資産価値が上がるか」考えてから買い物を

 バリバリ働いていたころはブランド品も多く持っていた。

「ストレスとか見栄を張りたいとかではなく、買うときには資産価値が上がるものを選んでいました。買い物も投資と捉えていたのです」

 8個持っていたエルメスのバーキンは、価格が上がっており、購入時より高く売れた。

「自宅マンションも同じ観点で選びました。お金を使うのは『等価交換をする』行為。購入したあとのメリットを常に考えることが大切ではないでしょうか」

 仕事上、多くの億万長者と出会ってきたが、三浦さんによるとお金持ちには共通の特徴があるという。

「自分軸がしっかりしていて決断が早い。例えばランチの約束をするときにタイミングが合わなければ人の顔色をうかがわず、すぐ断るとか」

 起業も離婚も転居もスピード決断で成功を手にしてきた。

金運アップのため、その年のラッキーカラーの手帳を使う。三浦さんの2023年のラッキーカラーは「白」

「迷うヒマがあれば動くこと。行動力にお金はついてくると信じます」

◆億女の金言「稼ぐ目標は具体的にするべき。心配りはするが、スピード決断」

三浦洋子さん●ビューティーサロンを運営する「ローズボディ」代表取締役。現在はセミリタイアし、自身の経営経験や占いなどの知識をもとに、女性起業家をサポートしたり、女性の自立支援も行う。
三浦洋子さん●ビューティーサロンを運営する「ローズボディ」代表取締役。現在はセミリタイアし、自身の経営経験や占いなどの知識をもとに、女性起業家をサポートしたり、女性の自立支援も行う。

(取材・文/宇野美貴子 協力/熊谷和海)