2022年11月、『クロサギ』ロケ中のKing&Prince平野紫耀

 12月12日付けの『オリコン』週間シングルランキングにて首位に立ったのは、ジャニーズグループ『King & Prince』の新曲『ツキヨミ/彩』。11月9日のリリース後に初動1位を獲得するも、2週目3週目は順位を落としていた同曲だったが、4週目に返り咲きを果たした格好だ。

 また同週で11位につけたのが2018年のデビューシングル『シンデレラガール』と、発売から4年にしてのトップ10間近に「ファンによる“追いデレラ”運動の賜物ですね」とは音楽情報サイト・ディレクター。

「平野紫耀に岸優太、神宮寺勇太によるグループ脱退とジャニーズ退所の発表後に、ファンがCDを手に取っているみたいで、一時は在庫がなくなるレコード店もあったほど。どうやらSNSで店舗の在庫状況を拡散しては、ファン同士で購入を呼びかけているようです。

 かつて“花摘み”とも称された、SMAPファンによる『世界に一つだけに花』購買運動。メンバーを応援する気持ちを示す一方で、一部ではグループの解散撤回を求める、またジャニーズ事務所への抗議と見る向きもあります」

 SMAP解散騒動に揺れた2016年末、朝日新聞が運営するクラウドファンディングサービス『A-port』にて、SMAP有志ファンの呼びかけによって約4000万円の寄付金が集まり、全てが朝日新聞の全面広告掲載費用に充てられた。

ティアラによる新聞広告プロジェクト

 “花摘み”と同様に、新聞広告プロジェクトを計画する“ティアラ(キンプリファンの愛称)”が登場しては、ツイッターにて《ご賛同頂ける方は是非当アカウントをフォローの上、(ハート)とRTをしてどんどん拡散して頂きますよう宜しくお願い致します!》と呼びかけている。

 どうやら歌番組特番や年末のNHK紅白歌合戦、そしてジャニーズカウントダウンコンサートと、グループの露出が増える時期だけに気持ちを抑えられない、そして今なお納得できないティアラの言動がエスカレートしているようだ。

 時に、それは過激化することもあってーー。

「先日の『ベストヒットアーティスト2022』(日本テレビ系)で司会を務めた嵐・櫻井翔が、キンプリを“このメンバーでの最後の出演”と紹介したことに反応しては、SNSで“配慮がない”とばかりに櫻井を責め立てる、ジャニーズ退所を迫るトンデモ要求も。

 この“八つ当たり”とも取れるファンの行動に、同じティアラからも“やりすぎ”と嗜める声が相次いだことでファンが分断。SNS上で罵り合う事態に陥っています」

 ジャニーズ事情に詳しい芸能ライターによるとのファン同士の衝突は別のところでも起きていたようだ。平野ら3人の脱退と、永瀬廉と高橋海人の残留が決まって間も無く、署名サイトでは『キンプリの脱退白紙、ジュリー氏社長退任』なる名目の署名運動が始まった。

 グループ存続に加えて、なぜか藤島ジュリー景子社長の退任まで求める運動は、わずか半日で1万人分を超える署名が集まるも、すぐに【大変申し訳ありません。この活動は辞めさせて頂きます。】の文言とともに途中で取りやめに。

「ネット上では、メンバーが“ファンに助けを求めている”との憶測も飛び交い、中には、ジュリー社長が“キンプリを分裂させた”とする陰謀説も。これを間に受けて暴走する人がいたのでしょう。動向を冷静に見守っていたファン、また多くのネットユーザーから総スカンを食らって炎上したのです」(前出・芸能ライター、以下同)

多くのファンが「本人が決めたこと」

 そう、一部ファンによる過激な“運動”ばかりが悪目立ちしているキンプリ分裂騒動だが、ティアラの多くは突然の出来事にショックを受けつつも、

《全然気持ち晴れないしまだ苦しいけど、紛れもない事実は本人が決めてKing & Princeを脱退するということ》

 メンバーそれぞれが「本人が決めたこと」と尊重し、健気に現実を受け止めようとしている。そして“暴徒化”した同志に対しては、

《ファンが暴れたらこの決断が、メンバーが出した答えが全部無駄になるってことが分かってほしいな〜 一部の人たち》

《各所に迷惑かけまくり。こんなん誰がどう見ても暴走だし自己中だし見てて痛いしダサいし哀れ》

《ほんとにやばすぎますよね、ティアラの民度下げて自分がやってることが逆にキンプリ苦しめることになるかもしれないのわかんないのかな

脱退はもう決まっていて、残る2人は頑張ると言ってる、それの何が不満なんですか? 正義の味方ぶってキンプリちゃんを救いたい!って言ってるのはあなた方では》

 先のキンプリを応援する新聞広告プロジェクトにしても、発信から1週間以上が経つも思ったほどの理解は得られていない様子。数十万人ともされるファンクラブ会員数と比べると、1000件ほどのリツイート数は寂しいようにも思える。

詐欺が疑われるネット運動も

「嵐の活動休止の際にも、一部ファンがプロジェクトを立ち上げて2021年1月に朝日新聞にて広告を掲載しています。ところが、SMAPの時と同様に『A-port』で寄付金を募るも、目標金額1000万円の半分にも届かなかった。未達成にもかかわらず広告を出したこと、そもそも嵐ファンの総意ともするような運動を批判する動き目立ちました」

 さらにはネット運動の中には、ファン心理につけ込んだような詐欺が疑われる不透明なものも見受けられたとあって、以降はクラファンやネット署名にもシビアな目が向けられ、懐疑的な声も上がりやすい傾向にあるとのこと。

「推しグループのピンチに居ても立っても居られない、何かしなくてはいけないと焦燥に駆られる気持ちも理解できますし、ファン置いてけぼりの決断を下したキンプリにも責任はあると思います。

 脱退まで約5か月、今まで支えてくれた大事なティアラをこれ以上暴徒化させないためにも、今1度、メンバーの口から納得できる説明をするとともに、彼女たちのために最後まで尽くしてほしいですね」

 ファンあってのアイドルであることを忘れてはいけない。