丸山桂里奈

 元サッカー日本女子代表で、現在はタレントとして活躍している丸山桂里奈(39)にインタビューを敢行。興奮冷めやらぬW杯を振り返りつつ、話題は元サッカー日本代表である夫・本並健治(58)との“独特すぎる”家庭内ルールに。かつては“監督と選手”の関係だった2人。今年10月には第一子の妊娠を発表した丸山が語る夫婦生活とは……。

 12月18日まで開催されていたFIFAワールドカップ(以下W杯)。元なでしこジャパンの丸山桂里奈さん(39)は、1次リーグでの日本の活躍をみて「もしかしたら優勝するかもと思いました!」と日本戦を回顧する。

「本並さん(元サッカー日本代表で夫の本並健治)が、試合の生配信をしていたので、その中継を見ながら応援していました。特に三笘選手は、現役時代の自分とポジションが被るので、活躍してくれた時は嬉しかったですね。他にも、途中出場の堂安選手や浅野選手が点を決めた時は興奮しました。ドイツとスペインに逆転勝ちを収めた時は、このまま勢いに乗って優勝するんじゃないかと期待させてくれましたね

帰宅したらダッシュでお迎え!!

 夫の本並とは、FIFAワールドカップの解説番組などにも夫婦そろって出演。自身のブログでも共演した様子を報告するなど、仲睦まじい様子が伝わってくる。

「周りからは『本並さんと仲良いよね』と言われることが多いです。夫婦で仕事する時も多いですし、それぞれ別な仕事の時も『何時に帰ってくるの?』など連絡は取り合ってるので、お互いのことを考えている時間は長いかも。

 ただそのぶん喧嘩もしますよ。よくあるパターンですが、私が『ご飯何が良い?』って聞いたら、『なんでも良い』って言われた時とか。そういう時はマネージャーさんに間に入ってもらってます。なんだか申し訳ないなと思いつつも、『旦那に晩御飯なにがいいのか細かく聞いておいて!!』って(笑)

 家庭内では丸山が食事を作り、本並が掃除と洗濯を担当しているそうだ。

 そんな2人の出会いは2012年。女子サッカークラブの『スペランツァFC大阪高槻』で、当時、本並が監督を務めており、丸山は選手として加入していた。もともとは“監督と教え子”という関係だった2人だが、現在の夫婦生活でも、その名残が感じられるエピソードを披露する。

「本並さんは一緒に散歩をしている時、私の後ろを歩くんです。妊娠する前は、車で出かけるときも本並さんが後部座席に。普通は逆じゃないですか。よく考えたら、本並さんはかつてゴールキーパーを務めていて、監督として選手の私を指導していたので、今でも守護神的な感じで私を後ろから見守っていたいという気持ちがあるのかも。

 あと、『お互いが帰宅したらダッシュで相手を迎えに行く』という家庭内の決まりがあるのですが、その時は選手時代を思い出しますね。当時、監督の本並さんが笛で集合をかけた時、私が本並さんのもとに駆け寄っていたので。逆に本並さんが迎えに来てくれる時は新鮮な気持ちになります(笑)

 丸山は現在、第一子となる女児を妊娠中。お互い元サッカー選手だからこそ、子どもにもサッカーをプレーしてほしい気持ちはあるのだろうか。

「『それは子ども次第だね』と本並さんとも話しています。男の子だったら、サッカーとか野球に打ち込むのもいいけど、ウチは女の子なので。自分たちが育てた子どもが怪我して苦しんだりするのはな……という葛藤はあります。私自身も選手時代に苦労した経験が多かったですし。特に女子でアスリートを目指すと、どうしても男性より環境が厳しいじゃないですか。給料面もそうだし、引退後どうするのかという問題もあるので。でも子どもがやりたいって言えば、教えてあげたいなとは思いますよ」

バラエティー番組も“チームプレー”

 丸山は選手を引退後、芸能事務所のホリプロに所属。現在はバラエティ番組を中心にタレントとして精力的に活動を続けている。

「子どもの時からバラエティをよく観てました。特に明石家さんまさんが大好きで、『あっぱれさんま大先生』は毎週欠かさずチェックしていました。最初に観た時は、さんまさんが芸人ではなく、本物の教師だと思っていたんです。こんな愉快な先生いるんだって(笑)」

 その後に『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)などで、明石家さんまと共演を果たした丸山。その時のエピソードを嬉しそうに語ってくれた。

さんまさんはゲストに満遍なく話を振ってくれるし、どんなエピソードでも面白く広げてくれるので、本当に安心して収録に臨めます! さんま御殿のようなひな壇の仕事だと、喋り出すタイミングが難しかったり、自分のトークが面白いのか不安になることも多くて。前に収録で3時間ぐらい1回も喋れず、輪にも入れない時があって落ち込みましたね……。なんで私いるんだろうみたいな(苦笑)。でもさんまさんならそんな心配ないし、いるだけで現場も明るくなりますから!」

 現場での明石家さんまの対応に救われたという丸山。さらに、明石家さんまの魅力をこう続ける。

丸山桂里奈

「さんまさんは良い意味で色んな人を巻き込みながら、番組を盛り上げてくれるじゃないですか。だから収録が終わると、自然と共演者と仲良くなることが多いんです! 収録前は面識すらない方でも、収録が終わると話しかけてくれて、そのまま世間話しながら一緒に楽屋まで帰ったりとか(笑)。あの現場の一体感はさんまさんの力ありきだと思います

 テレビの仕事を続けて約5~6年ほど。現在は出産を控えている時期だが、今後も「バラエティの仕事を続けていきたい」と展望を語る。

「テレビの仕事は今でも緊張しますし、わからないことも多いですが、そういうときはホラン千秋ちゃんなど仲よしの方に相談しています。彼女は良い部分も悪い部分もはっきりと伝えてくれるのでつい頼っちゃいますね。

 バラエティーは本当に魅力的な仕事ですし、芸人さんと一緒に仕事しているときが、サッカー選手を引退した後で一番楽しい時間かもしれません(笑)。いつも芸人さんやMCの方にサポートしてもらってばかりですが、番組を盛り上げていくためにチームプレーが必要なんだなと。そこはサッカーと通ずる部分があるかもしれないですね

 無事に出産した後も変わらず、元気な姿でテレビ番組で活躍する丸山の姿を見続けたい。

丸山桂里奈(まるやま かりな)
東京都大田区出身。日本体育大学体育学部体育学科卒業。元サッカー日本女子代表として2011年W杯優勝、2012年ロンドン五輪準優勝。引退後はタレントとしてバラエティ番組等に出演。夫は元日本代表の本並健治。


構成・文/佐藤隼秀  撮影/山田智絵