年末大掃除…高齢者が狙われている!廃品回収でダマされないたった1つの掟(※画像はイメージです)

「安価な定額パックを申し込んだはずが、作業終了後に高額な料金を請求された」

「トラック詰め放題プランで依頼したが、当日荷台の囲いの高さまでしか載せられないと言われた」

 これは全国の消費者生活センターに寄せられていた事例。インターネットやチラシなどの広告を見て、廃品回収を申し込んだところ、プラン内容と実際の料金が異なるなど、問題となるケースが多い。

チラシと異なる請求金額

見積もりと異なる請求額だった…(※画像はイメージです)

「他県に住む親がチラシを見て、廃品回収を事業者に依頼した。チラシには『廃品回収代金が8万円』と書かれていたが、実際には47万円請求され、支払ってしまった」(被害の当事者は80歳代男性)

「不用品の処分をしてもらおうと、投げ込みチラシの事業者に電話をすると『費用は3万円くらい』と言われたが、来訪すると30万円を提示された。高いとは思ったが、仕方なく支払った」(60歳代女性)

 こういった廃品回収のトラブルについて遺品整理士で不用品回収業を営む目黒大智氏は次のように語る。

「実は20年前くらいだと業者はやりたい放題で、言い値なことが多かったかもしれません。今はSNSが浸透し消費者側が自ら苦情を書いて発信することができるので、むしろ以前よりは泣き寝入りすることが減っているでしょう」

つけ込まれないよう情報を集めること

 状況は以前より改善されたものの、特に注意が必要な人がいるという。

「特に高齢の方は注意が必要かもしれません。ネットによる情報収集が苦手だったり、身寄りのないひとり暮らしの方などは被害に遭っても相談できず、泣き寝入りするケースも聞きます。生前整理や遺品整理、ゴミ屋敷整理などの大掛かりな依頼は高齢者に多い。一気に片付けてしまおうと、チラシなどを見て頼んでしまうのでしょう。

 また、高齢者でなくとも『明日には家を空けなければいけない』というような切羽詰まった状況のときに、法外な値段を請求されてしまう人が多いのが実情です」(前出・目黒氏、以下同)

 高齢者の場合は、見積もりを取る際にも身内などに立ち会ってもらうのが賢明といえる。

 さらに、こんなケースも。

「『家電製品などの不用品を回収する』という回収業者が軽トラックで近くに来たので、壊れたビデオデッキの回収を依頼したところ、リサイクル料金として2000円を請求された」

 国民生活センターに寄せられた事例で、2000円払ったあとにビデオデッキはリサイクル料なしと気づいたようだ。

 家電リサイクル法(特定家庭用機器再商品化法)では、家庭用の以下の品目、エアコン、テレビ(ブラウン管/液晶/プラズマ)、冷蔵庫/冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機がリサイクルの対象で、これらの処分については、所定のリサイクル料金(再商品化等料金)と収集運搬料金が必要になる。

 だが、自治体によってはビデオデッキは小型家電リサイクル法の対象製品であり、粗大ごみリサイクル料金がかかるが東京都の場合でも数百円で済む。

「冷蔵庫など家電リサイクル法の対象品は処分費が発生するので、プラス料金はかかりますが、ビデオデッキにリサイクル料金というのはおかしな話。知識がないと思われると、つけ込まれてしまうという話もよく聞きます。身近なゴミ処理のことですが、あまり詳しく理解していない人も多い。逆に、業者側からすると、ゴミ処理の知識がある人に対しては警戒します。リサイクル料金のことも、きちんと問いただせば正直に言わざるをえないでしょう」(前出・目黒氏)

「無料」と記載の広告には要注意

 そして、よく聞くのが「無料」という謳い文句の広告。これについてもトラブル事例がある。

「『無料』とアナウンスしながらトラックで巡回している業者を呼び止め、廃品回収を依頼し、作業前にも無料であることを確認したが、不用品を軽トラックに積み終えたとたんに6万円を請求された。抗議したが、『回収代金は無料だが、積み込み料金は発生する』と言われ、仕方なく手持ちの3千円だけ支払った。残金は近いうちに取りに行くと言われた」(60歳代女性)

「無料回収」を謳っている業者に依頼しても、積み込み時に料金を請求されるケースは多いようだ。実際には、一般廃棄物の収集・運搬は市町村の許可を受けた事業者しか行えないことになっている。

「一般の廃棄物処理業の資格が必要ですが、役所は取得する人の数を制限していて、新しくは取れないというケースが多い。なので、古物商許可しか持ってない業者がほとんど。私たちのような業者はあくまで『不用品の片付けをした料金』をもらっていて、積んだ荷物は無料で古物商として引き取っていますよ、という理屈で回収している業者が多いんです」(前出・目黒氏)

 産業廃棄物収集運搬業許可の資格がなく営業している業者がほとんどのため、規制に曖昧な部分がある。

 ネット広告もチラシも実際より低価格を表記するところがほとんどのよう。

明確に料金が決まっているわけではない

「まずは電話で問い合わせてもらわないことには始まらないので、問い合わせをもらってから、『チラシはあくまで最低料金なので…』というのが多いですね。よく『基本料金+品目』とか、『トラックに積みたい放題定額』というような料金設定がありますが、きっちり料金を設定している会社もあれば、そういったプランもなく言い値のような会社もあるでしょう」

 料金は回収する物の大きさや重さ、場所はどのあたりか、集合住宅の場合は何階か、作業員の人数などによっても変わる場合がある。

「私のところでは、例えば高齢者の生前整理を軽トラックで行う場合はパック料金で4万5000円+税という料金設定です。ただそれより価格を下げるケースもあります。相見積もりを取って、他社のほうが安いと聞けば、値下げを申し出ることも。だから、複数の廃品回収業者で見積もりを取ることをおすすめします」

 これから廃品業者を利用する場合、どういったことに気をつけるべきなのか。

「正直、私が身内にすすめるなら、住んでいるエリアに近い業者ですね。業者側も近いと交通費も安く抑えられ、トラックでの行き来も楽ですからね。そして、3件くらいは相見積もりを取って、相場を知ることは必須です」

 ひとつひとつ、これはいくらになるか、かなり細かく聞くべきだと目黒氏。

「見積もりを取ったら、見積書ももらうこと。それから、『その見積もり以上になったら払わない』という念書をもらうのも有効でしょう。そして、のちのち高い金額を提示されても絶対に払わないのが鉄則です」

めぐろ・たいち 遺品整理、ゴミ屋敷の掃除片付け業者「クリア」を経営。横浜・川崎を中心に、部屋の片付けから整理収納やゴミ屋敷、引っ越し、ハウスクリーニングからリフォーム、遺品整理などを行う

<取材・文/竹腰奈生>