槙野智章

《サッカー界のお祭り男 槙野智章 第二章の開幕です》

 12月26日12時、ヴィッセル神戸に所属するサッカー元日本代表の槙野智章が、神戸市内で現役引退の会見を開いた。
 
槙野はサンフレッチェ広島の育成組織を経て、2006年にトップチームでプロデビュー。その後2010年から海を渡りドイツのケルンでプレーすると、2012年からは浦和レッズに在籍し、2022年に神戸へ加入した。

 Jリーグではベストイレブンに3度選出されており、浦和時代にはアジアチャンピオンズリーグや天皇杯、ルヴァンカップの優勝に貢献。ディフェンダーながら高い得点力を誇り、2021年には天皇杯のファイナルで劇的な決勝弾を決めるなど、「持ってる男」としても知られている。
 
 日本代表では、2018年のロシアW杯に出場。グループステージ最終戦のポーランド戦でフル出場を果たしたほか、ブラジルとの親善試合でディフェンダーとして初となるゴールを決めたことでも脚光を浴びた。

 加えて、社交的で明るいキャラクターとしても知られ、2022年カタールW杯では本田圭佑とともに『ABEMA』で解説を務めて話題に。同大会ではインタビュアーも務め、戦友の長友佑都から「ブラボー!!」の雄叫びを引き出す“陰の活躍”を見せたことも記憶に新しい。

 私生活では、共通の知人を交えた食事会で知り合った女優・高梨臨と、約1年6か月の交際期間を経て2018年に結婚。2022年現在も、高梨の誕生日にはSNSで《妻よ。誕生日おめでとう 最高に一緒に居て面白いぜ!! 毎日色んな刺激もらってます。これからも宜しく》と綴り2ショットを投稿するなど、おしどり夫婦として有名だ。

引退会見前の槙野を独占インタビュー

 そんな槙野は12月24日、日本テレビ系『Going! Sports&News』に生出演し、引退を発表。今後は、かねてから口にしていた指導者への道を進むことを明らかにした。

 ピッチ内外で、さまざまな活躍を見せてきた槙野。『週刊女性PRIME』は、そんな彼の引退会見に先立って、単独取材を敢行。“槙野劇場第二章”について、さまざまな質問をぶつけた。その答えから浮かび上がったのは、サッカーに対する“闘将”の熱い思いだった。

――浦和レッズを退団したころから現役引退を意識していたとのことだが、引退について周囲に相談していたのか?

「両親には報告のみ。妻や友人には相談をしました。ほとんどの人から“現役を続けてほしい”と言われました。ただ、自分の今の立ち位置を理解して、今、自分がやらなければいけないこと、やりたいことを明確に話したので、最終的にはみんな納得してくれました」

――監督を目指す、具体的なキャリアプランは?

「現状は、監督になるためのB級ライセンスを取得しています。2023年はA級ライセンスを取る予定。その翌年には、S級ライセンスを取りにいく予定です。最短で、2025年にJリーグの監督ができるライセンスを取れるように頑張ります」

 12月24日放送の『Going!』では、本田からビデオメッセージが届けられていた。本田は槙野の引退について「あんまり納得していない」と発言し、自身が立ち上げたサッカークラブ『Edo All United』への入団オファーを出したと“ラブコール”を送ったが、現役引退を撤回して、入団する可能性もあったり……?

未来のことなので、わからないですね(笑)。もしかしたら、あるかも。チャンスがあれば、監督就任のところは話を聞いてみたいですね

チャンスがあれば、また解説の仕事も

 ビデオメッセージを寄せたのは、本田だけではない。育成年代からの付き合いで、ともに日本代表の守備を牽引してきた吉田麻也も労いの言葉を送った。吉田は、カタールW杯での槙野のメディアにおける活躍を見て、「もしかしたら引退するのかなと薄々感じていた」と発言したが、本人は、解説者やインタビュアーとしての精力的な活動は、引退の決断とは関係がないという。

年々、自分の今後のキャリアについては考えるようになり、プロサッカー選手としての引き際は伺っていました。最初に引退を考えたのは、昨年からです

 監督の道へ進む槙野だが、カタールW杯では持ち前の表現力を活かして多くの視聴者を楽しませた。今後も解説者としての姿は見られるのだろうか。

「チャンスがあれば、解説はしたいと思っています。W杯のとき同様、サッカーの素晴らしさを多くの人に伝えられるように、わかりやすい言葉で話していきたいと思っています」

 そう語る槙野は、これまで「子どもたちに夢を与えること」を信念に活動してきた。現役引退後は、具体的にどのような形でその信念を叶えていくのか。

今度は僕が妻のサポートをしていきたい

僕の次の目標は、監督になることです。今までにないような日本人監督像を作り上げていくことが、子どもたちに夢を与えられると思っています。今のところは監督としてのことしか考えていないですが、これも未来のことなのでわからないですね。今までのサッカー界ではできなかったようなことにも、挑戦していきたいと思います。いろいろ考えているので、楽しみにしていてください!」

 最後に、妻である高梨との私生活について尋ねると、感謝を述べるとともに今後の楽しみを明かしてくれた。

選手時代にはたくさんサポートしてもらったので、違う形で感謝を返したいと思っています。旅行に行ったり、共通の趣味であるゴルフをしたりと、ゆっくりできる時間を増やしたい。選手時代とは逆で、今度は僕がサポートしていきたいと思っています

 闘争心溢れる熱いプレーで日本サッカー界を盛り上げてきた“お祭り男”の新たな船出に、幸あれ!