'21年12月に成年を迎え、新年一般参賀に初めて出席された愛子さま('23年1月2日)撮影/JMPA

「3年の月日を経て、今日こうしてみなさんと一緒に新年を祝うことを誠にうれしく思います。年の初めにあたり、わが国と世界の人々の幸せを祈ります」

 雲ひとつない穏やかな晴天に恵まれた1月2日、皇居で『新年一般参賀』が行われ、天皇陛下が挨拶をされた。

秋篠宮さまからの“アシスト”

「新年にあたり、天皇、皇后両陛下が国民から祝賀をお受けになるために、午前に3回、午後に3回、皇室の方々が皇居・宮殿のベランダにお出ましになります。コロナ禍の影響で、昨年と一昨年は中止に。3年ぶりに実施された今年は、感染対策のため参賀者の数を規制し、10万人以上の応募から当選した約7300人が参入しました」(皇室担当記者)

 平成最後となった'19年の新年一般参賀には、全国各地から15万4800人超が訪れるなど、例年は“おしくらまんじゅう”状態だったが、今回は参賀者同士の距離が1メートル以上空けられた。

 コロナ禍以前から頻繁に参賀し、事前申し込みによる抽選制がとられた'23年も見事当選したという都内在住の柴山幸子さんは、例年との違いを振り返る。

「今年は大声を出すことが禁じられていたからか、“天皇陛下、万歳”などの声も上がらず、終始静かでしたね。十分なスペースが確保されていたので、持参した一眼レフで皇室の方々のお姿を撮影することができました。これまでの混雑具合ではカメラを構えることすら、ままならなかったのですが、今回はお顔もよく見えてうれしかったです」

 これまでとの“変化”は、ほかにもあった。

「'21年に成年皇族となられた愛子さまが、初めて参加されました。薄水色のドレス姿で1回目のお出ましに臨まれると、参賀者からは“お〜”と、控えめながらも歓声が。ベランダからの景色を初めてご覧になった愛子さまは、緊張したご様子でお隣の雅子さまに目配せをしながら、恥ずかしそうに手を振られていました」(前出・皇室担当記者)

 1回のお出ましは約5分間。“デビュー”を飾った愛子さまの初々しいお姿も見受けられた。

「お隣にいらした秋篠宮さまが、愛子さまに何かを語りかけながら手を大きくパーに開いて高く掲げられたのです。“こうやるんだよ”とお手本を見せられたかのようでした。愛子さまは、秋篠宮さまからの“アシスト”に笑顔で応じ、小刻みにお手振りを続けておられました」(同・皇室担当記者)

 別の回では、秋篠宮さまが誤って愛子さまの立ち位置にお立ちになる場面も。

「秋篠宮さまが“失礼”というように軽く会釈し、愛子さまが正しいポジションに入られたのですが、なんとも和やかな雰囲気で。叔父と姪のコミュニケーションが垣間見えたのは、訪れた多くの人にとっても新鮮だったと思います」(参賀した男性)

昨年詠まれた和歌の意味

 愛子さまのご表情やお手振りは、回数を重ねるごとにやわらかくなった。前出の柴山さんは、3回目のお出ましで“サプライズがあった”と喜々として語る。

「ご挨拶を終えて退出される際、天皇ご一家を中心に上皇ご夫妻と秋篠宮ご夫妻、佳子さまがギュッと寄って、訪れた人々に改めて手を振られたのです。午前中のみのお出ましになっていた上皇ご夫妻にとっては最後の回だからだったのかもしれませんが、今までに見たことがない光景でしたので感動しました」

 新年一般参賀の再開と愛子さまの成年皇族入りを祝すかのような“サービスショット”に、参賀者からは感嘆のため息が漏れたという。

'22年12月、学習院大学で対面授業を受け、車で帰路につかれた愛子さま

 元日の『新年祝賀の儀』に始まり、お正月は多忙を極める皇室ご一家。息つく間もなく、1月18日には和歌を披露しあう『歌会始の儀』が予定されている。'22年、同行事に初めて臨んだ愛子さまは、「窓」というお題で次の和歌をお詠みになった。

《英国の 学び舎に立つ時迎へ 開かれそむる 世界への窓》

 高校2年生のとき、イギリスの名門私立・イートン校のサマースクールに参加された愛子さま。歴史ある建物を前にしたときに抱いた“この場所で過ごすことで、世界がもっと身近になるだろう”という思いを込められた。

 '23年のお題である「友」でどのような和歌を詠まれるのか注目が集まる一方、現在、学習院大学文学部日本語日本文学科3年生のプリンセスには、大学の期末試験も控えている。

「'20年4月の入学以来、感染対策の観点からオンライン授業を続けてこられましたが、
'22年12月には3日間、キャンパスへ通学されました。3年次に修了する講義の対面授業や試験、卒業論文の説明を受けられたそうです」(前出・皇室担当記者)

 同級生が就職活動の時期を迎える中、愛子さまもご自身の将来について思い悩まれていることは想像に難くない。ある宮内庁関係者は、大学卒業後の進路について、こう明かす。

佳子さまが落胆される理由

ご卒業後は、大学院へ進学し、学問の道をさらに究めていかれる線が濃厚だといわれています。大学院を卒業したら、数年単位での留学を視野に入れていらっしゃるとか。
'22年の『歌会始』でイギリスに関するお歌を詠まれたとおり、かねて愛子さまの海外への関心は高い。かつてイギリスのオックスフォード大学で学ばれた陛下と雅子さまのように、“若いうちに海外留学したい”とお考えになるのは自然なことだと思います」

 '23年4月に大学4年生に進級し、ストレートで卒業・進学される場合、大学院の卒業は'26年3月予定。それから1年以上留学するとしたら、少なくとも'27年までは学業に専念されることになる。

'22年12月に28歳の誕生日を迎えられた佳子さまは、公務に邁進中

「愛子さまが本格的に公務をこなされる日が先延ばしになれば、その“しわ寄せ”は従姉妹の佳子さまにいくことになるでしょう」(宮内庁OB)

 現在、未婚の女性皇族はわずか5人。佳子さまは、'22年に計7回、地方訪問するなど精力的に活動されている。

「佳子さまは、愛子さまの夢を応援したい反面、当分はご自身が“公務の担い手”として第一線を走り続けなければならないという現実を重く受け止めておられるのでは。
'22年12月には28歳を迎え、ライフステージについて改めてお考えになるタイミングです。愛子さまが留学から戻られるまで佳子さまは今の生活を続けられるとなると、恋愛や結婚の機会を逃しかねず、落胆されるのも無理はありません」
(同・宮内庁OB)

 それぞれの“夢”を叶えるべく、プリンセスたちの葛藤は続く─。

 

 

'18年、学校の運動会で扇子を持ちながら『千本桜』の曲に合わせ同級生とダンスを披露された愛子さま

 

成年会見に臨まれた愛子さまは、ユーモア溢れるお話やご家族とのエピソードも披露。令和4(2022)年3月

 

『うれしい』両手を胸の前で広げ、交互に上下に動かす(『全国高校生手話パフォーマンス甲子園』で手話を披露された佳子さま)