写真はイメージです

 東京湾に思わぬ“珍客”が来たことが話題になっている。

1月15日に東京湾の羽田空港滑走路近くでトドとみられる動物が発見されました。大阪湾のクジラ、19日には東京湾でもクジラとみられる生物が発見され、海の生き物が迷い込むということが続いています。

 大阪湾のクジラは13日に死んだことが確認されましたが、トドは18日にも姿が確認され、衰弱した様子などもなかったようです」(全国紙記者)

 日本では北海道周辺でみられるトドが東京に現れたということで、テレビのニュース番組などでも取り上げられているが、ある発言が注目を集めている。

日本テレビ系『スッキリ』でMCを務める極楽とんぼの加藤浩次さんが18日の放送で“トドは結構、被害を出している。北海道の漁師さんたちはここと向き合いながらやっている”とトドが害獣であることに言及しました。

 加藤さんは北海道出身。トドは珍しいものではない上に、漁業被害が出ているということを知っていたからこその発言だと思います」(スポーツ紙記者)

年間10億円近い被害をもたらす害獣、だけど“絶滅危惧種”

 漁師の仕掛けた網にかかった魚を食べたりすることから、“海のギャング”とも呼ばれているトド。

 では、実際にどれほどの被害が出ているのか。トドの研究・調査を行っている水産研究教育機構に実態を聞いた。

トドによる漁業被害は主に刺網と底建網で発生しています。被害金額は‘13年に19・7 億円でピークを迎えました。‘14年以降は減少傾向となり、‘19年度は 8・.3億円でした。

 刺網被害で特に深刻なのは石狩湾でのニシン刺網や礼文島でのタラ刺網です。深刻な漁業被害を背景に‘59 年から有害動物としての駆除が行われています

 人間にとって有害として駆除されているトド。だが、アメリカやロシアでは絶滅危惧種に指定されており、日本でも準絶滅危惧種に指定されている

「‘14年以降、水産庁による『トド管理基本方針』によって、絶滅の危険性がない範囲で採捕数が管理されています。‘20年度は前年度からの繰り越し分を含む523 頭の上限に対して、486 頭の採捕を行いました」(水産研究教育機構、以下同)

 実際、北太平洋の辺縁に沿って分布しているトドは、アラスカより東側では増加を続けており、アラスカやアジアでも場所によって減少しているところはあるものの、わずかながら増加しているという。

「絶滅の危険性がない範囲で採捕を行い、この採捕によって漁業被害を最小化することを目標としています。一方でトドによって破られにくい刺網の開発、および水中音でトドを追い払う方法などが試みられていますが、事態を解決するような結果は得られていません」

 被害を減らしつつも絶滅から守らないといけない。何とか共存できる有効な方法がみつかってほしい。


日本テレビアナウンサーの水卜麻美

 

『スッキリ』の打ち切りについて直撃を受ける加藤浩次(2022年)

 

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