購入した券で招き猫をなで、御利益を授かろうとする人もいる (撮影/齋藤周造)

 2021年のサマージャンボで1等5億円の高額当せん者を出した、新宿駅南口ルミネ前売り場。この売り場で42年間、悪天候の日を除いては大みそかも元日も売り場に出ているというベテラン神販売員がいる。井上れいこさんだ。

黄金のお札&招き猫パワーで1等5億円の大当たりも

「一昨年のサマージャンボで5億円が当たる直前、競馬好きのお客様から競走馬の『キタサンブラック』がデザインされたレプリカのお札を頂きました。そのお札は金色で『金運が上がりそう』と思っていたら、もらった直後に1等が出たのです! お札は今も毎日売り場に置いています」

 さらに、年5回あるジャンボ宝くじの販売期間は、「当たりが出ますように」との思いを込めて特別なプレゼントも用意している。

「ささやかですが、金色の招き猫が写ったミニサイズの写真をお渡ししています。『黄金の招き猫は金運を呼ぶんですよ』とひと言添えて券と一緒に渡しているのですが、持ち歩いてくれたり、毎年新しいものをもらいにきてくれたりと、お守りのように大切にしてくださる人も多いのです」

 特製の写真に限らず、“招き猫”は井上さんの売り場では欠かすことのできないアイテムだ。窓口には、大小さまざまな招き猫の置物が並べられている。これらはすべて、井上さんが集めた私物だ。

「華やかな売り場のほうが夢がありますから、招き猫に盛り上げてもらっています。バレンタインジャンボは年明け最初で、年度内最後のジャンボ。景気づけにチャレンジするのもいいと思いますよ!」

 同店に幸運を招く、数々のラッキーアイテム。しかし、一番運を呼び寄せているのは、パワフルでお客様思いの井上さんというラッキー販売員なのかもしれない。

井上れいこさん「新宿駅南口ルミネ前売り場」東京都新宿区西新宿1-1 (撮影/齋藤周造)

井上れいこさん「新宿駅南口ルミネ前売り場」東京都新宿区西新宿1-1

開運ファッションで運気を授けます!

 1年のうちに5回販売されるジャンボ宝くじ。大阪駅前第4ビル特設売り場は、各ジャンボ宝くじの販売期間のみに設置される売り場だ。同売り場で2億円の大当たりに携わったことがある宮田美紀さんは「対面販売だと、販売員の声かけなどが運気アップにつながる気がします」と話す。

宮田美紀さん「大阪駅前第4ビル特設売り場」大阪府大阪市北区梅田1-11-4大阪駅前第4ビル1F

「ほかにも、私は大安や一粒万倍日などの“開運日”には、黄色や赤色のものを身に着けるようにしています。巳の日と寅の日も開運日なので、巳と寅にちなんだ小物を持つよう心がけていますね」

 とはいえ、開運日だけが吉日というわけではないそうだ。

「待たずにエレベーターが来たとか、歩いていて信号がすべて青だったとか、そういう小さな幸運が続いた日も、宝くじを買うのに最適です。あと、私も経験したことがあるのですが、ビギナーズラックは本当にありますよ! 金額はヒミツですが(笑)」

 バレンタインジャンボを買ったことがない人は今回が大チャンス!!

宮田美紀さん「大阪駅前第4ビル特設売り場」大阪府大阪市北区梅田1-11-4大阪駅前第4ビル1F

「宝来鈴」を鳴らし高額当せんを祈願

 2021年1月にリニューアルを行い、これまで以上に「ワクワクする売り場」に生まれ変わった立川ルミネチャンスセンター。売り場前では、凛とした鈴の音が鳴り響く。

鈴の音と、藤本さんたちの「当たりますように」という声が売り場に響く

「この鈴は『宝来鈴』といって、金運が上がる、宝が寄ってくるといわれる縁起物です。当売り場では、まるで当せんしたかのように楽しく、明るい気分でお帰りいただくために、お客様の幸運を願って宝来鈴を鳴らしながらお見送りをしているんです」

 と、売り場ならではの工夫を教えてくれたのは、販売員歴12年近くの藤本洋子さん。藤本さんはジャンボ宝くじだけでなく、スクラッチでも大当たりに関わったことがあるという。

「先日、あるお客様にスクラッチを3枚ほど販売したのですが、その3枚の中に1000万円が入っていたのです」

 そんな幸運の女神である藤本さんに、バレンタインジャンボを買うおすすめの日を聞いてみた。

「お誕生日や記念日など、その人にとっての大切な日に買うのもいいと思いますよ」

藤本洋子さん「立川ルミネチャンスセンター」東京都立川市曙町2-1-1

藤本洋子さん「立川ルミネチャンスセンター」東京都立川市曙町2-1-1

大きな当たりを引き寄せる神販売員“イットウ”さん

 池袋東口西武線駅構内売り場は、これまでに数多くの高額当せんが出てきた都内屈指の人気販売所だ。

「売り場では必ず、『大きく当たりますように』と声をかけています。『大きく』というのがポイントで、『ぜひ1等を当てていただきたい!』という願いから、このようなお声がけをしているのです」

 そう話すのは、「イットウさん」の愛称で親しまれる伊藤利奈さん。2018年のハロウィンジャンボでは、その名のとおり“1等”の3億円という、大きな当たりを呼び寄せた。

幸運の動物であるフクロウのぬいぐるみや、金運守をディスプレー (撮影/齋藤周造)

「名札にも『イットウ』と書いています。『当たるかしら……』とこぼすお客様には私の名札をお見せして、『きっとイットウが当たりますよ』と言うこともあります」

 縁起の良い名前に加え、日頃から金運アップに御利益のある神社やパワースポットへ足を運び、自身の運気を高めているという伊藤さん。最近も、招き猫があしらわれたお守りを授かり、「自分用に購入した宝くじと一緒に持ち歩いたり、売り場に飾ったりしています」と話す。

「妊娠されている方や、楽しそうに買われていく方などは、当たりやすい傾向にある気がします。当売り場からバレンタインジャンボの高額当せんは久しく出ていないのですが、それは逆に言えば、そろそろチャンスの順番が回ってくるということなので狙い目です。今年のバレンタインは、チョコレートの代わりに宝くじを贈ってみてはいかがでしょう。大きな当たりが、2人の仲を取り持つキューピッドになってくれるかもしれません」

伊藤利奈さん「池袋東口西武線駅構内売り場」東京都豊島区南池袋1-28 (撮影/齋藤周造)

伊藤利奈さん「池袋東口西武線駅構内売り場」東京都豊島区南池袋1-28

笑う門には福来る!笑顔と寅が店のシンボル

 磯上チャンスセンターの日浦由美子さんは、「笑顔の接客」をモットーにしている。

「笑顔は幸運を引き寄せますから、笑顔で、誠意を込めて、お客様と接するようにしています。その効果なのか、サマージャンボ1等などの福がやってきました」

 また、ジャンボの1等に加え、1等前後賞の照合にも立ち会った経験を持つ常盤利香さんは、プライベートで習っている日本舞踊の舞台でも、繁栄の意味が込められた演目を「お客様の大当たりを願いながら踊ります」と語る。

高額当せん者から贈られた寅の置物たちが、幸運に導いてくれる

「仕事中以外でもお客様の当せんを心から応援していますし、売り場では『すてきな一日を』などのお声がけもしています。お客様との交流は欠かせません。売り場名物の『寅の置物』も、実は高額当せんされたお客様からの頂きものなんです。せっかくなので店頭に飾ったところ、そこから立て続けに1等が出ました。今やうちの守り神になっています」

 神販売員&寅の置物からパワーを授かって、バレンタインジャンボの大当たりを狙ってみては?

常盤利香さん・日浦由美子さん「磯上チャンスセンター」大阪府岸和田市磯上町4-7-7スーパー万代岸和田磯上店の中

常盤利香さん・日浦由美子さん「磯上チャンスセンター」大阪府岸和田市磯上町4-7-7スーパー万代 岸和田磯上店の中

【取材・文/山中千絵(清談社)】