優しく微笑む上戸彩(撮影/渡邉智裕)

 上戸彩(37)、6年ぶりの映画出演は『シャイロックの子供たち』。

映画出演は6年ぶり!?

阿部サダヲさんとはいつか共演してみたいな、とずっと思っていて。その一方で、やっぱり私は家庭を持っているので。

 いろんな作品のお話をいただく中で“今はこんなに重い役はできないだろうな”と、母親と仕事でスイッチを入れるバランスをずっと見計らっていて。今回の役はすべてのタイミングがマッチして“やりたい”と思えました」

青いドレスから美脚を覗かせる上戸彩(撮影/渡邉智裕)

 メガバンクの小さな支店で、現金紛失事件が。疑われたのは行員・北川愛理(上戸彩)。上司の西木(阿部サダヲ)と田端(玉森裕太)とともに真相を探っていくと……。

 原作は池井戸潤。ドラマ『半沢直樹』での花役を思い起こす人も少なくなさそうだが、今作では銀行員の妻ではなく、銀行員を演じている。

「“池井戸作品”への勝手な期待はあります。そして力強さや演者さんのギラギラ感は、ほかの作品とはまた違うものを感じます(笑)。(演じた)愛理はシンプルな女性銀行員を目指しました。個性や味を出さず、あまり目立たないように意識しましたね」

 3人の調査は、メガバンクにはびこる不祥事へとたどり着く。欲望、嘘、裏の顔……。判断を間違えたお金の恐ろしさが存分に描かれる。

「10代のころは“母親に大きい家を買ってあげたい”という夢で突っ走ってきましたが、お金には執着したくないですね。やっぱり“お金は人を変える”“狂わせる”ことがわかっているから。

 お金はあったほうがいいという方もいらっしゃるけど、私は理解できなくて。お金がなくても幸せはいっぱいあるのになぁと思います。きれい事だと思われるでしょうけど、私はそういう中で育ってきたので。お金がないから見えるものはあるし、お金があるから見えなくなるものもあるんだろうな、と」

送り迎えは自転車で猛ダッシュ

 シャイロックの……ではなく、上戸の子どもたちについて尋ねてみると、

「下の子が3歳になり、ようやくしゃべるようになってきて。それがすっごく可愛いんですよね。毎日キュンキュンしています。お姉ちゃんは少し生意気で(笑)。ツッコミが鋭いので、“そ、そうだね”みたいになることはあります(笑)」

 子育てで今、大変なことは習い事の送り迎え。

「家にいると、子どもたちはどうしてもテレビやゲームになっちゃう。それをガミガミ言いたくないので、習い事をさせている感じです。送り迎えで忙しいですけど、家でイライラしているよりずっといいので。自転車で、坂を猛ダッシュしていますね(笑)」

仕事と子育て両方が大切な時間

 '97年に『全日本国民的美少女コンテスト』で審査員特別賞に輝いてから、25年という時がすでに流れた。

「コワいコワい(笑)。今、一緒に過ごしてるスタッフと“出会ってもう20年の付き合いだね、コワーい”という話はしますが、芸能生活○年とかは気にしないですね」

 と、あっけらかん。結婚のタイミングで一度はやめようとした女優だが、

今になって、あの時仕事をやめなくてよかったなと思っています。仕事ができることに感謝するようになりました。今、仕事のときは子どもを任せられる環境があることにも、自分に家庭や育児があることをわかったうえでオファーをしてもらえることにも。

 何より、家族が応援してくれているので。仕事が立て込んだら、その後には子どもたちと出かけて丸1日思いっきり遊んで。メリハリですよね。両方を大切な時間として過ごせるようになりました」

 自分にとって大切なものがわかっていて、それを築き上げながら、守っている。まばゆい自然体の笑顔が、何よりも幸せである証しーー。

6年ぶりの映画出演となる上戸彩(撮影/渡邉智裕)

欲しいものがない!?

 仕事でのお金は家族のために使うスタンスだというが、自分のために使うことは?

「マッサージくらいですね。最近だとお掃除ロボット。掃除機をかけるのは好きだったんですけど、最近初めて使ってみて。もっと早く買っておけばよかった(笑)。あとは何だろう?全然欲しいものがないんですよね……」

2月17日(金)公開『シャイロックの子供たち』配給/松竹(c)2023映画「シャイロックの子供たち」製作委員会
2月17日(金)公開『シャイロックの子供たち』
配給/松竹(c)2023映画「シャイロックの子供たち」製作委員会
撮影/渡邉智裕 ヘアメイク/中谷圭子 (AVGVST) スタリング/宮崎真純(likkle more) 衣装協力/STUDIOUS カスタマーサポート