『第22回国際栄養学会議』の開会式にご臨席。英語でスピーチを披露された紀子さま('22年12月)

 秋篠宮ご夫妻は2月7日、45歳未満の研究者を対象とする『日本学術振興会賞』の授賞式に出席された。

「ご夫妻自身も、研究者としての一面をお持ちです。学生時代からナマズの研究に没頭された秋篠宮さまは、理学で皇族初の博士号を取得。長年、結核予防の研究を続けておられる紀子さまも、'13年に人文科学の博士号を取得されました」(皇室担当記者)

《秋篠宮様へ100万円》

 その知見を活かし、多くの総裁職をお務めになっている。2月14日から1泊2日、紀子さまはおひとりで熊本県へお出かけになるが、これもご自身が総裁職を務める『結核予防会』が主催する全国大会に臨席されるためだ。

「秋篠宮さまは現在、18団体の総裁職などを務められています。とりわけ注力されているのが、当時20歳だった'86年に初めての公的な肩書として総裁に就かれた『山階鳥類研究所』。月に1度、オンラインで会議に参加するなど意欲的に活動されています」(同・皇室担当記者)

 同研究所の前身の『山階家鳥類標本館』は、昭和天皇のいとこで鳥類学者の山階芳麿氏によって1932年に設立された。上皇ご夫妻の長女である黒田清子さんが、結婚まで13年近く勤務していたことでも知られ、皇室とのゆかりは深い。

 そんな山階鳥類研究所で昨年6月まで所長を務めていた奥野卓司氏は、秋篠宮さまと'09年に共著を出したこともあり、“側近”といわれている。しかし、

「『週刊文春』は2月上旬、《「秋篠宮様に100万円」京都老舗裁判 衝撃の経理文書》と題して、秋篠宮さまへの“賄賂”を奥野氏が受け取っていたという訴訟トラブルを報じました」(皇室ジャーナリスト)

 記事の舞台は、京都・嵐山の夏の風物詩である鵜飼見物の屋形船を運営する『嵐山通船』という会社。現在、前社長による約1100万円の使途不明金の賠償を求める訴訟が進んでおり、その裁判に提出された'18年の帳簿には《秋篠宮様へ100万円》という記載があったという。

「秋篠宮さまを鵜飼のイベントに招くために、前社長は奥野氏から“秋篠宮殿下に100万円を渡したほうがいいとのアドバイスがあった”と主張。ですが、週刊文春の取材に対しては、奥野氏も宮内庁も、秋篠宮さまが100万円を受け取った事実はないと否定していました」(同・皇室ジャーナリスト)

 結局、金銭の行方は不明だが、ご一家の“賄賂”疑惑が世に出てしまったのだった。
ある宮内庁OBは、「実際にお金が手に渡っているとは考えにくい」との見解を示す。

「秋篠宮家への入出金の権限は皇嗣職が握っており、出所が不明な100万円をやすやすと受け取るとは思えません。ただ、これまでのご一家を振り返れば、金銭トラブルが多いのは事実。眞子さんの姑である小室佳代さんが、元婚約者との間に抱えていた約400万円の金銭トラブルは、皇室全体を巻き込みました」

紀子さまの“秘策”はSNSか

 眞子さんは'21年秋に結婚し渡米したが、残されたご家族に対する世間からの風当たりが弱まることはなかった。

「令和へのお代替わりに伴い改修された“新・秋篠宮邸”の総工費と、仮住まい先である御仮寓所の建築費は合わせて約40億円にも及びました。天皇家の御所の改修工事が約9億円だったのに対し、“あまりにも高すぎる”と批判が殺到したのは記憶に新しいかと」(同・宮内庁OB)

 “将来の天皇家”に芳しくないイメージがつきまとうことを、人一倍懸念されているのが紀子さまだという。

「責任感がお強いこともあり、秋篠宮さまの妻、そして悠仁さまの母として、国民からの敬愛を取り戻さなくてはと焦っておられるようにお見受けします。昨秋には連日の公務に東奔西走されるなど、国民とともにある皇室を体現されていましたが、次の一手としては、国民の共感を目指し、SNSを効果的に活用されるのではないでしょうか」(宮内庁関係者)

昨年11月の誕生日会見で、皇室の情報発信について見解を示された秋篠宮さま

 宮内庁は今年4月に広報室を新設し、ホームページのリニューアルやSNS活用を視野に入れた積極的な広報展開に乗り出す。

 かつて宮内庁報道室に勤務していた皇室解説者の山下晋司さんに話を聞くと、

「今のホームページは“資料”としての利用価値はありますが、宮内庁長官などの幹部が定例記者会見で発表した内容などで、タイムリーな情報はほとんどありません。発表事項の中からホームページに掲載するものを選択するのではなく“出せる情報はすべて出す”くらいの姿勢が必要です」

“不都合な真実”は隠される

 秋篠宮さまは、昨年11月の誕生日会見で「各皇族方がSNSアカウントを持って情報発信する可能性」について問われた際、「ありうる」とコメントされた。

「段階を経る必要はありますし、将来的には宮内庁経由にはなりますが、皇室の方々が自らのアカウントでお気持ちなどを発信されるようになるでしょうね」(山下さん)

 公務でのスピーチや節目の会見など、皇族方が胸中を明かされる場面は今もある。

「紀子さまは昨年9月のお誕生日文書で、眞子さんのお印のモッコウバラのアーチを作るため手入れをしていると明かし、《いつか娘とゆっくり歩くことができたら》と綴られて話題になりました。結婚問題以来、溝があるといわれた母娘関係でしたが、破綻していないとアピールされたのです。この件もしかり、今後はSNSでも、ご一家に関するポジティブな投稿を多く発信されるのでは、と囁かれています」(前出・宮内庁関係者)

 ベールに包まれた皇室の方々の素顔は、多くの国民にとって興味深いはず。しかし、皇室制度に詳しい、静岡福祉大学の小田部雄次名誉教授は「期待できない」と話す。

積極的な広報展開のため、4月から広報室を新設する宮内庁。10人体制で発足するという

「皇室にとって不都合な真実は当然、隠されると思います。皇室では“プライベートなことなので”と情報開示を避け、記者からの質疑に応じないケースが長年続いてきました」

 小田部教授は、公務でのファッションやおことば、訪問先の人たちとの交流などが投稿の中心になると推測する。

「国民が知りたい“真の姿”と、皇室や宮内庁が発信したい姿は、決して同じではないでしょう。結果として世間とのズレが露呈することはありうるし、皇室サイドの一方的な価値観と情報が発信され続けるようであれば、むしろ信頼や関心を損ない、発信元のイメージが悪化する可能性もあると思います」

 紀子さまの“秘策”は成功するのか、それとも─。


山下晋司 皇室解説者。23年間の宮内庁勤務の後、出版社役員を経て独立。書籍やテレビ番組の監修、執筆、講演などを行っている

小田部雄次 静岡福祉大学名誉教授。日本近現代皇室史を専門とし、『皇室と学問 昭和天皇の粘菌学から秋篠宮の鳥学まで』(星海社新書)など著書多数

 

 

“チャラ目”の男子学生とも記念撮影に応じられる気さくな佳子さま(2013年4月・学習院大学で)

 

2012年ごろ、ICU在学中のアメリカ留学で「スーパーマン」のコスプレをする小室圭さん。

 

公では最後のツーショットになった'17年9月の婚約内定会見。現在もおふたりは頻繁に連絡をとっているという