天皇陛下のお誕生日に際して公開された写真 写真提供/宮内庁

 2月23日、天皇陛下は63歳の誕生日を迎えられた。

 コロナ禍の影響で'20 年以降は中止となっていた天皇誕生日を祝う一般参賀も、令和になって初めて行われた。陛下は、雅子さま、愛子さま、秋篠宮ご夫妻、佳子さまとともに皇居・宮殿のベランダに立ち、集まった多くの人々に笑顔で手を振られた。

「深い感慨を覚える」雅子さまへの思い

 誕生日前に記者会見に臨まれた陛下は、

「この1年、都内においてもさまざまな行事が再開され、また、地方への訪問も行うことができ、みなさんとじかに会ってお話ができるようになったことは、私たちにとっても、とてもうれしいことでした」

 陛下は昨年11月、前立腺の検査を受けられている。肥大は見受けられたものの、そのほかの異常は認められなかった。

「みなさんには、ご心配をいただいたことをありがたく思っております。おかげさまで、私は日々変わりなく過ごしていますが、務めを果たすうえで健康を維持することは大切なことだと思いますので、できる限り健康な生活を心がけるよう努めています」

 定期的に皇居内でジョギングをされたり、雅子さまと散歩をされているそう。

「ジョギングは時折、愛子とすることもあります。皇居に移ってからも、雅子と愛子と3人でテニスをしたこともあります」

 と述べられた。今年6月、ご結婚から30年を迎えられる。ご家族についての質問には、

「結婚してから30年近くがたつのかと思うと、時の流れの速さを感じます。雅子が29歳半の時に結婚してから、その人生の半分以上を私と一緒に皇室で過ごしてくれていることに、心から感謝するとともに、深い感慨を覚えます。この30年近く、ふたりで一緒に多くのことを経験し、お互いに助け合って、喜びや悲しみなどを分かち合いながら、歩んでまいりました」

 とお答えに。愛子さまについては、

「昨年3月に、成年を迎えての初めての記者会見に臨みましたが、私たちも、会見に向けて一生懸命準備をする様子を目にしていましたので、無事に会見を終えることができ、安堵いたしました。愛子が記者会見でも述べたように、自身のこれまでの経験は周りの多くの方の支えや協力があったからであり、これまでさまざまな形で支えていただいたみなさんに感謝する気持ちを持ってくれていることを、私たちとしてもうれしく思いました」

お誕生日写真に「盆栽」を選ばれた理由

 雅子さまと愛子さまへの温かなお気持ちがひしひしと感じられる。そして、このお言葉にはこんなエピソードも。

「お誕生日会見でのお答えに関して、雅子さまも事前に目を通して確認されているそうです。その際に雅子さまは、ご成婚30年に際してご自身に触れられているお言葉に“重みのあるすてきなお言葉をいただいて……”とお喜びだったそうです。また愛子さまからはお父さまにお誕生日のカードではなく、お手紙を差し上げたとのことでした」(ベテランの皇室担当記者)

 皇室解説者の山下晋司さんは、今回の陛下のお姿を見て、ややふっくらされたように感じたという。

「即位後、お仕事は相当増えておられるでしょう。コロナ禍もあってお好きな登山もできていませんし、皇太子時代と比べるとジョギングなどのお時間もあまり取れないのではないでしょうか。

 また、浩宮時代、皇太子時代は力強くお話しをされる印象でしたが、だんだんとお話しぶりは柔らかくなってきておられる気がします。お年とともに柔らかさが増してこられて、それが天皇としての風格につながっていくのではないかと思っています

お誕生日に際する一般参賀でお言葉を述べられた天皇陛下

 お誕生日に際して公開されたお写真。今年は、皇居の大道庭園で育てられている“サンシュユ”という盆栽とともに。

「雅子さまは現在もご体調に波があり、大きな行事や行事が続いた後にはお疲れが残り休養が必要と、陛下もお話しになっています。かつて、'06年2月『国風盆栽展』をご覧になりました。雅子さまは“花を咲かせることもあるのですね”“実をつけることもあるのですか?”などと熱心に質問をなさっていました。その印象も深く残っていらっしゃるようで、今回おふたりで相談され盆栽を選んだそうです」(ベテランの皇室担当記者)


撮影/JMPA(齋藤周造、伊藤和幸)写真提供/宮内庁