2022年に解散した『ラストアイドル』(奥村優希公式ツイッターより)

《解散したくてしたわけじゃないし、卒業したメンバーにとっても思い出の場所なのに 私たちの何がダメだったんですか!! ポテンシャルですか!!? メンバーが悪かったんですか??》

 解散したくてしたわけじゃないーー。そんな悲痛の思いを自身のツイッターに綴ったのは、2022年5月をもって解散した女性アイドルグループ『ラストアイドル』元メンバーの奥村優希。

 そんな『ラストアイドル』の公式HPが突如として更新されたのが3月7日。《ラストアイドル 新章》と記されたトップページには合わせて《オーディション開始》との文字が踊り、同日からエントリーを受け付けている模様だ。

 つまりは解散した『ラストアイドル』のグループ名をそのままに、新メンバーオーディションを開催して“再デビュー”させようとしているようだ。この告知に対してか、奥村は冒頭で不満を露わにすると、続けて《メンバーはもちろん、前お世話になった運営さんやスタッフさん達も絶対みんな悔しい(原文ママ)》と、メンバーやサポートしてくれたスタッフの気持ちも代弁。

 奥村に続くように、元メンバーたちも次々と“ラスアイ”への思い、また“新ラストアイドル”企画への不満を口にし始めるカオス状態にーー。

 2017年8月、秋元康プロデュースの名目で放送された公開オーディション番組『ラストアイドル』(テレビ朝日系)にて、競争を勝ち抜いた7人が同年12月にCDデビュー。以後も番組内オーディションでメンバーが追加され続けて、一時期は50名を超える大所帯となったラスアイ。

かつて王林も在籍した“ラスアイ”

「番組人気を支えたのが、シングル発売や選抜メンバー入りをかけたパフォーマンスバトル。秋元さんの他にも小室哲哉さんや織田哲郎さん、つんく♂さんら有名プロデューサーも参加してはグループ内ユニットで彼女たちを競わせたのです。

 初期メンバーには今やバラエティー番組で引っ張りだこの、当時は『りんご娘』と掛け持ちで参加していた王林さんもいましたが約半年間で卒業。他にも早々に卒業を選択するメンバーが多かったのも特徴的でした」(テレビ誌編集者)

 2017年のデビューから2022年の解散に至るまで、ラストアイドル名義でリリースしたシングルは11枚で、最初にして最後のアルバムはオリコンランキングで1位を獲得。ファンに惜しまれつつの解散から、1年も経たないうちの“メンバー再募集”に、

《ラスアイの件、あまり状況理解ができないどういうこと?》

なんでラストアイドルなのにまた募集してんだよ、意味わからん。ラスト終わったやん。悔しそうにみんな受け入れて解散したじゃん。何また集めとんの?》

 “新章”始動に納得がいかないのは元メンバーだけでなくファンも同じことでSNS上では疑問の声が上がっている。さらに、

《元メンバーや私たちファンの思いが詰まった「ラストアイドル」のグループ名やロゴなのに、本当に涙が出る。 新しい「ラストアイドル」のメンバーもはじめから風当たり強そうだし良いことないじゃんと思ってしまう》

 と、「新ラストアイドル」として集められるメンバーへの将来を不安視するユーザーも見受けられる。

「そしてプロデュースを秋元さんから引き継いだ、“新ラストアイドル”のプロデューサー・一ノ宮佑貴氏の手腕にも不安を覚える声が広がっています」とは、アイドル事情に詳しい音楽情報サイトの編集者。

ボーイズグループオーディション『14ALL』

 公式HPによると、今回のオーディションはテレビ放送されるわけではなく、非公開で7人を選出した後はメンバーの追加はしないとのこと。そのため書類選考から2次、3次審査を経て5月6日、7日に行われる最終審査はより狭き門になりそう。

「一ノ宮氏がCEOを務める会社プロフィールによると、大学卒業後の進路はGoogleと“IT畑”の出身で、その後に独立して創業した会社を2年で売却。その後に現会社である『blowout』を設立して、学生時代のバンド経験からプロデュース業を含めた音楽事業を立ち上げたみたいですね。

 事務所には数名のアーティストが在籍していますが、本来ならばここにとある“ボーイズグループ”も名前を連ねているはずだったというのです」(前出・音楽サイト編集者、以下同)

 2021年10月にインターネットテレビ局『ABEMA』で配信された、ボーイズグループオーディション番組『14ALL(ワンフォーオール)』。全国からオーディションで選ばれた14名の若者が歌やダンス、パフォーマンスを競い合い、最終的に正式メンバーとしてデビューを勝ち取るという企画だ。

「つまりは『JO1』を排出した『PRODUCE 101 JAPAN』、『BE:FIRST』の『THE FIRST』を意識した当時の流行り企画で、オーディションを主催したのがblowoutの音楽レーベルでした。

 そして最終的に選出された6人のメンバーで『VECTALL』を結成し、同年12月にプレデビューシングル『Perfect Love』をデジタル配信。そして念願叶って、翌2022年5月11日にデビューシングル『Break of Dawn』を発売したのですが……」

 翌週に発表されたオリコン週間ランキングで初登場43位、累計売上枚数は1万枚にも届かなかったようだ。この散々たるデビューの結果に見切りをつけたのか、翌6月30日に公式ツイッターにて《本日をもってVECTALLは解散致します。》

わずか51日間で潰えたメンバーの夢

 なんとデビューからわずか51日間の活動で解散発表。オーディションからメンバー選抜、そしてデビューを経験した6人の若者たちの夢はあっけなく途絶える。奇しくもラストアイドルと同時期の解散は偶然なのだろうか。

「このメンバーによる報告のリツイートすら50件に満たず、その中のコメントも《早すぎない?》と解散に首を傾けるものばかり。おそらくはオーディション番組自体、そしてグループ知名度が低すぎたことも原因なのでしょうが、そもそも至る所で開催されていた食傷気味の公開オーディションに乗るのも遅かったのかなと。

 解散理由の本当のところはわかりかねますが、そこは数字や数値が重視されるというIT業界の経験からか、一ノ宮氏は“損害リスク”を最小限に抑えるがために踏み切ったのかもしれません」

 今回の新ラストアイドルオーディションは非公開としたのも、きっちりと“数字を出せるアイドル”を送り出すために外野の声をシャットアウトするための措置だったのかもしれない。彼・彼女たちの「夢」ばかりがクローズアップされがちだが、ひと当てすれば一大ビジネスになるのがアイドル商売だ。

「オーディションに応募する若者たちの多くが“アイドルに、歌手に、アーティストなりたい”という夢を叶えるべく、それこそ公開番組では映らないところでも懸命に努力を重ねて、それぞれのグループに人生を捧げる気持ちで臨んでいます。

 “ダメなら次”と新グループに舵を切るのはビジネスとして間違いではないと思いますが、プロデュースをする大人たちは若者たちの気持ちを大事に育て、フォローする義務があるのではないでしょうか」

 かつてはバンドでインディーズデビューを果たし、メジャーデビューも夢見ていたであろう一ノ宮氏。お節介ながら、当時の気持ちを胸に「新ラストアイドル」のプロデュースに勤しんでほしい。

 
『VECTALL』メンバーらはそれぞれの思いを綴った

 

2022年6月、公式ツイッターで解散を報告した『VECTALL』
「解散したくてしたわけじゃない」悲痛の思いを綴った元『ラストアイドル』の奥村優希(公式ツイッターより)

 

新生『ラストアイドル』は公式HPでオーディション開催を発表、新メンバーを募っている