スタイル抜群、シンプルなアイテムをおしゃれに着こなす安藤優子さん

 お出かけの装いはもちろん、普段着もカジュアルにもセンスが光る安藤優子さん(64)。

白シャツとデニムは若いころからの定番!

好きなものを自分がいいなと思うように着ているだけで。好きな色も昔から決まっていて白、紺、ベージュ、クリームがメイン。クローゼットにはブランドも値段も関係なく、昔から大切にしている定番アイテムが並びます。

 SNSで私のファッションをご覧になっている方には『あ、またあの服着てる!』なんて思われているかもしれません(笑)」(安藤さん、以下同)

「安いから」「なんとなく」で、買い物はしない。着心地のよさや、長く着られるかでチョイスしている。

「なかには30年以上着ているものも。若いころから白いシャツに白いTシャツ、そしてシンプルなニットにデニムが好きでしたね。ベーシックなものに差し色を足したり、アクセサリーを加えたり。

 あとは時計や靴、バッグといった小物で変化をつけながら、季節に合ったコーディネートを楽しんでいます」

白シャツ×黒パンツ

 白シャツはこの春購入!モノトーンでシンプルに

白シャツ×黒パンツ「モノトーンでシンプルに」(撮影/伊藤和幸)

 たくさんコレクションしているというシャツが主役のスタイル。袖のボリューム感がポイントのシャツは「ミカコ ナカムラ」。「エム・フィル」のパンツはウエストがゴムではきやすい

白シャツ×デニム×グリーンカーデ

 マイブームのグリーンで装いも気分もハッピーに

白シャツ×デニム×グリーンカーデ「マイブームのグリーンで装いも気分もハッピーに」(撮影/伊藤和幸)

 昨年から惹かれているグリーン。「スローン」のカーディガンに「レッドカード」のデニムを合わせ、シャツをカジュアルダウン。バッグは「ボッテガ・ヴェネタ」、靴は抜け感のある「ピエール・アルディ」のミュール

年齢を重ねてVネックが似合わなく

 若いころから好きなものは変わらないが、アイテムの選び方には変化が出てきた。

昔から愛用している服を着ると、年齢による身体つきの変化を実感することも。いちばん気になるのが首まわり。

 以前はよく着ていた、襟ぐりが広めのVネックがしっくりこなくなったんです。今は首元が詰まったクルーネックばかりを選ぶようになりました」

プチプラブランド「コス」のTシャツはつくりや形をしっかりチェックしてから購入。プチプラを着るときは、ちょっといい小物を加えるようにしているそう(今回は「ティファニー」のブレスレット)。華やかなピンクのパンツも、ボトムになら取り入れやすい(撮影/伊藤和幸)

 もうひとつ、着こなしが難しくなったのは、白Tシャツだという。

「着まわしやすくて便利な一方、着かたを間違えるとだらしなく見えるアイテム。自分にしっくりくるか、必ず確かめて購入します。

 お気に入りは『プチバトー』の16歳用サイズや『スローン』、『ユニクロ』のもの。もう何年も着続けています」

心地よい服で気持ちをポジティブに

 洋服については、「好きなものしか着ません」ときっぱり。そこには、心地よさを追求するこだわりがある。

「私にとっておしゃれは自分の気持ちを“上げ”てくれるもの。服を味方にできれば、今の自分に自信が持てると考えています」

 仕事ではTPOや相手に合った服を選び、相手への敬意を表すと同時に、会話を弾ませられるきっかけにもなるという。

 コーディネートする小物にも、気持ちを高める役割を持たせる。

「小さくても、首まわりに白いパールをもってくるだけで、顔がパッと明るく優雅に見える。こんなちょっとしたことで印象が変わるのが、おしゃれのおもしろさですよね」

おしゃれを語る姿がイキイキとしている(撮影/伊藤和幸)

「どっこいしょ」と言わない身体を目指す

 現在64歳の安藤さんの日常はアクティブ。テレビなどの仕事をこなしつつ、今年は母校の大学院で研究者として論文も書く予定だ。

 体力維持のため、40歳過ぎてからパーソナルトレーナーに、年代に合ったトレーニングの指導を受けている。

60代からは、手先や足先を操る力が衰えて身体の動きが緩慢にならないような内容に。目指すは『どっこいしょ』と言わない身体です」

 フレンチ・ブルドッグの愛犬「リンちゃん」は、安藤さんにとって健康づくりの相棒。

「リンはお散歩好きで、毎朝1時間半の散歩が欠かせません。冬の寒い日は『帰ろうよ~』と泣きそうになることも。リンが私のためにたくさん歩かせてくれていると思っています。楽しい毎日のコミュニケーションです」

 また、食事にもこだわりが。外食するよりも家で食べるほうが落ち着くため、基本、自炊派だ。インスタグラムでもおいしそうな料理の写真が並ぶ。

インスタグラムに登場するリアルな食卓。「ぱっと作れて、身体を彩るものを」という考えのもと、この日も和風ポトフをはじめとするメニューがずらり!

「たいしたものは作っていないんですよ。酢のものだったり、漬物だったり。器でごまかしているだけ(笑)。

 野菜を多めにしたり、旬のものを取り入れるようにして、一食一食を雑にしないよう、心がけています。私の母がそうしていたので、自然と踏襲しています」

 そんな食生活のおかげか体重も若いころとほぼ変わっていない。

「料理を作っているときって無心になれるでしょう?大変だった日や、モヤモヤして気持ちが晴れないとき、1人で調理に没頭していると、たいていのことは忘れられます。

 心の健康のためにも嫌なことは忘れてさらりと流すことも大事。料理は体調管理と気分転換に欠かせない、毎日の習慣になっていますね」

Check!カジュアルもエレガントも……毎日コーデがステキ!

 ベーシックアイテムをフル活用したコーデをインスタグラムからご紹介。着こなし方や小物使いなど、チェックポイント満載です。

まねしたい!プチプラブランドの着まわし

 意外と登場回数の多い、お手頃価格のアイテムたち。しかも、しっかり着まわす姿が「リアルで参考になる!」とフォロワーから大評判。今もさらりとショップに立ち寄っているそう。

ユニクロのバギー

 しっかりとしたつくりと心地いいフィット感、そしてきれいなシルエットの三拍子を備えた逸品。ご近所コーデに大活躍しているそう

大好きな「冬の白」近所の買い出しも軽やかにwithりんちゃん(安藤家の一員、フレンチブルドッグ、7歳)
よく歩く日は足元に「オニツカタイガー」を(左)、「ジュンコシマダ」のトップスできれいめに♪(右)

ユニクロのセットアップ

 上品なココアブラウンの色合いと、カシミア混で軽くて暖かい素材感がお気に入り。高見えするため、ちょっとしたお出かけにもマッチ♪

「エルメス」のスカーフでウエストマーク!(右)ショートコートをはおってランチ会へお出かけ(左)

ディノスのベスト

「ダーマ」というブランドの、ダウン素材のベスト。愛用の濃紺は地味になりすぎず、色合わせもラクだそう。裾にあしらわれたフリルがポイント!

暖かい気候に誘われてレモンイエローのパンツを
「マックスマーラ」のリブワンピで同系色コーデ

ザラのブーツ

 ヒールが太くて安定感抜群のデザインは、機能面でも優秀。細身なので足の形に合うか、試着してからの購入がおすすめ

「アジョリー」のバッグで抜け感をプラス(右)、「スポーツマックス」のワンピと「H&M」のバッグで展示会へ(左)

差し色プラスで華やかさアップ!

 愛用するベーシックアイテムに、気分で投入する色アイテム。色数を2〜3点に絞ることで、ビビッドな差し色も上品にまとまります。Iラインを強調するようなアイテムを選ぶと、安藤さんのようにスタイルよく見えるメリットも。

「コス」のパンツや、もともと白だったスカーフを染め直すなど、最近はグリーンが多い

「コス」で購入したグリーンのパンツを主役に、大切な方とのランチへ。色を合わせたスカーフは、もともと白だったものを染め直して長年愛用。

 寒い日に気持ちだけでも明るくなるよう「コス」のオレンジワンピをチョイス。防寒対策として、足元にはニーハイブーツを。

「ジュンコシマダ」のスカートに、黒のタートルニットのコーデ。ブラウンの小物を投入し、印象をマイルドにまとめる。

「ミカコナカムラ」のブルーのコートが映えるよう、インナーは黒で統一。ワンハンドルのバッグをコーデのアクセントに

差し色プラスで華やかさアップ!

デニムスタイルは“品”を重視

 頻繁に合わせる人もきっと多い、鉄板のボトム。大人のデニムスタイルには、エレガント要素が必須。安藤さんのコーデをお手本にしてみて。

デニムスタイルは“品”を重視「デニムは意外と同系色コーデがしやすいです!」

 ジャケット、タートルニット、デニムをネイビーでそろえた同系色コーデで、仕事関係のカジュアルな会食へ。デニムは「レッドカード」

「冬の白」は、どこか温かみがあって好きなスタイル。「ザラ」のデニムに「スローン」のニットを合わせた。

「マックスマーラ」の白シャツに「アッパーハイツ」のデニムの組み合わせ。仕事の日は黒のカーディガンを肩掛けし、印象をシュッと引き締める!

安藤優子さん……1958年生まれ。ジャーナリスト。フジテレビのメインキャスターとして長年活躍し、2019年には上智大学大学院にてグローバル社会学博士号を取得。昨年、学位論文を『自民党の女性認識―「イエ中心主義」の政治指向』として書籍に。
安藤優子さん……1958年生まれ。ジャーナリスト。フジテレビのメインキャスターとして長年活躍し、2019年には上智大学大学院にてグローバル社会学博士号を取得。昨年、学位論文を『自民党の女性認識―「イエ中心主義」の政治指向』として書籍に。
取材・文/長江裕子 撮影/伊藤和幸 ヘアメイク/水落万里子